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「さーむっ」
アジトの外を一歩でも出ると無意識にこの言葉が出てしまう。理由は簡単、何故なら冬だから。
ひゅうう…と北風の音が聞こえてくる。オマケに雪まで降っている。
__これはまずい。子供たちが遊んで風邪引いて暫く犯罪できなくなるパターン。
(だけどあのガキどもが遊ばないワケないよなぁ…)
特にぺいんとと不破っちは暴れそうだし、パン屋ガールズも普通にはしゃぎそうだし。
こういうときはぐちつぼもローレンもノリノリだし……。もしも黒炭酸さんもしすもめちゃくちゃはしゃいだらおれはどうすればいいんだよ…!!
「はぁ……寒い…」
とりあえずアジトの中に入ると、大きな声で騒いでいるメンバーの声がした。
「ぐちつぼさんいつもすみませぇん…」
「ねぇぐちーつ!不破っちが先にやってたよねぇ!?」
「どっちもどっちな」
「「えーっ」」
「あ、らっだぁさん。外どうでした?」
おれがアジトに入ったことをいち早く見ていたといといが、外はどうだったか聞いてきた
(え、ノリノリだったりする??)
そう思いながらもきちんと嘘はつかないように、
「雪降ってたけどめっっちゃ寒い」
と言った。嘘はついてないし本当に寒すぎて無理だったし。
「え!外…雪……!!」
「雪っ!?」
「やった~~!!雪だるまつくろー!」
「雪ですって、しすこさん」
「へぇ~」
「雪!雪!」
「わーい!!!」
「お前ら 」
え、何?と一気に静かになる。
「風邪引いたら、これからぐちつぼに頼るのとギャンブル禁止」
「………………え゛」
いやだー!やだやだ!とまた騒がしくなる、何かもう…なぁ…。
「じゃあ遊ばない?」
「嫌だ、遊ぶ」
ぺいんとが即答した。
「風邪引かない?」
「はい」
「アキネーターすんな」
半笑いでしすからのツッコミを受け、わははとアジトが笑いで包まれる。
「じゃあ、外行くか」
「ろーれんノリノリだね」
「らっだぁノリノリじゃないま?」
「手袋とか上着とか着てから外出ろよ!くっそ寒いからな」
「はーい!」
みんなマフラーや手袋、ニット帽などを着けて外に出ていく。
唯一出ていっていなかったぐちつぼに声をかけてみる。
「お前は遊ばないの?」
「いや、遊ぶけどさ……寒いのやだからな」
「ビビってるやん(笑)」
煽るように笑ってみせると、「ッシャオラァ!」と気合いをいれて外に出ようとする。すると、しすこさんダウンした!との声が。
「…外で治療?これ」
「運べば?ビビってるんでしょ?」
「今治しに行くぞー!!」
チョロいな、とも思いつつぐちつぼと外に出るとしすとぺいんとがダウンしていた。
「ぺいんともじゃん」
「不破っちだよ今のは!」
「デジャヴ…」
「しすは何で?」
「うぉうぉに雪玉顔面に当てられてダウン」
「やばい寒い寒い寒い」
いつものカオス状態になりながら、ぐちつぼは「寒いしんじゃうやばいやばい」と治療をしている。耳めっちゃ赤いな。
(ローレンに当てるか)
ひっそりと雪玉を作り、ローレンの顔面に狙いを定める。
「べふっ!?」
「顔面~www 」
おれが大笑いしているとローレンがキレ散らかして雪玉を投げてくる。
「当たんないよ~ん」
「きもい!?」
「治療終わったよ」
「松葉づえないじゃん!ありがとー!!」
「いつもありがとう本当に」
「ぺんちゃんよそ見しすぎだよ~」
「ぶへぁっ!」
「きゅぴさーん」
「わぁ!?やったな黒炭酸さんさんさん!」
「雪だるま!みてっ」
「ほんとだ!らっだぁさんの顔だ」
と結局みんなして楽しんだゆるギャン△
約1時間遊んだゆぐどらしるメンバーは見事風邪を引き、ギャンブル禁止と喧嘩禁止、犯罪はできなくなった。あとついでに何故か順番に風邪を引いたゆぐどらしるであった。