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──夜中にふと目を覚ますと、彼の寝顔が傍らにあった。
眠っているその頬を、指先でそっと突ついてみる。
「眠っていても、素敵だな」
呟いて、端正な顔をしみじみと見つめた。
「……蓮水さん、」呼びかけて、ふと他の呼び方がしたいなと思った。
「陽介さん……」名前を小さく口に出して呼んでみるけれど、呼び慣れてはいないこともあって、どこかしっくりとはこないような気もした。
何て呼ぶのが似合うだろうと、しばし考えて、
「……ダーリン」
戯れに呼んでみたら、意外に思い描いていたイメージとハマるみたいだった。
「ダーリン」もう一回、声に出してみる。うん、いい感じ……。
だけど、きっと目の前じゃ絶対に呼べないから。だから、寝ている今だけ……。
大好きな、ダーリン。
呼ぶだけで照れくさくて、火照る顔を彼の胸にぐりぐりと押し当てると、
たぶん眠っていて無意識だろう彼に、ふっと体ごと抱き寄せられた……。