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翌朝、たくさんのお土産を手に華さんが帰って来て、また三人での賑やかな暮らしが始まった──。


「お茶請けの温泉まんじゅうと、これは夫婦めおと湯呑みです」


おまんじゅうと一緒に、立派な桐箱に入れられたペアのお湯呑みが渡されて、


「め、めおとだなんてっ……」


と、気恥ずかしくてたまらなくなる。


「陽介様とお使いくださいまし。本当のご夫婦になられる日を、私も心待ちにしておりますので」


華さんからそう声をかけられると、恥ずかしさから一転して、涙がこぼれそうにもなった……。


「さて、昨日まではお二人きりで楽しまれたことと思いますが、今日からはまたみっちりと花嫁修業の続きをさせてもらいますから、お覚悟を」


「は、はい!」──”お覚悟を”とまで言われて、恐縮して声を上げると、


「鈴ちゃま、陽介様と気持ちを深めることができたようで、ようございましたね」


華さんからにっこりと微笑まれて、「お二人でとっても綺麗にお掃除をしていただいて、ありがとうございます」と、頭が下げられた。


「いえ、そんな……。こちらこそ、いつもありがとうございます! 頭を上げられてください!」


慌てて手をぶんぶんと振る私に、華さんはクスリとまた笑って、


「きっとあなたのそういう素直なところに、陽介様も惹かれたんでしょうね」


そう口にして、確か昨夜《ゆうべ》も彼から同じようなことを言われたのが思い浮かぶと、顔がぽぅーっと赤らんで思わず頬を両手で押さえた。


ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

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