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私
の名前は東雲アカリ。
今年で高校一年生になりました! 私の通う学校は少し変わっていて、全寮制となっている。
理由は少子化により生徒数が減少してしまい、廃校の危機に陥ったからだそうだ。
でも今はもう新しい校舎が完成して生徒もたくさん入学しているらしい。
そのため近いうちにこの学校は無くなるかもしれないけど……。
私は両親の都合で転校することになってしまい、知り合いがほとんどいない中でのスタートとなった。
しかも運が悪いことに女子校への転入となり、友達が出来るかどうか心配になっていた。
だけど意外にもクラスメイトたちは優しく接してくれて、今では仲良くなった子たちもいる。
ただ一つだけ困ったことがあるんだけどね。
それは──私が恋をしているということ。
同じクラスの高嶺さんに憧れているんだよね。
あの人すごく綺麗だし、成績優秀で運動も出来る文武両道タイプみたい。
おまけに誰に対しても優しいとかいう完璧超人っぷり。ここまでくると神様はちょっとイジワルすぎると思うんだ。……でもさ、これってやっぱり反則じゃない? だってどんなことがあっても決して折れない強さを持っているということだし、それこそどんな状況にも対応できる柔軟性があるということだと思うんですけど。
それにこの人ってば見た目だけは超絶美少女なんだよね。
なのに中身が残念過ぎるんだよ。
いやもうホント勘弁して欲しいわ。……はぁ~。
「ねぇ、聞いてんの?」
「え!? は、はい! もちろんです!」
突然話しかけられたことでビクッとなってしまったものの何とか返事をすることが出来た。
「じゃあさっきの続きね。
私が言いたいのはこの学園では絶対に目立たないようにしておいた方が良いよって話よ。
それでなくても貴女みたいな目立つ存在がいるだけで目障りだというのに、そこにきてあんなことをされちゃったら本当に迷惑極まりないのよ」
「……ごめんなさい。でもあの時はああするのが最善の方法だと―――」
「言い訳なんて聞きたくないわね。だいたいなんで私があんたのためにそこまでしてあげないといけないの?」
「えっと、じゃあせめて他の方法を考えましょう! きっと何か他に方法があるはずです!」
「ふんっ、冗談じゃないわ。それこそ時間の無駄だし労力の浪費というものでしょう? そもそも私がそんな面倒くさいことをしなければならない理由なんてないんだからね!」
さて、本日も無事に終わったわけだが……果たして今日はどんなトラブルが起きるのだろうか? できれば平和的に解決できる内容であってほしいのだが。
「うふふ~♪ それでしたら心配はいらないと思いますよ?」
「えっと……どういうことですか?」
相変わらず唐突に現れる学園一の才女にして生徒会長でもある白雪姫先輩が意味深なことを口にするが、彼女の言葉の意味するところがよく分からなかった。
「つまりですね、あの子はただ単にあなたとお友達になりたいだけなんですよ。きっとお姉ちゃん気質なんでしょうね」
「いやぁ……でも流石にちょっと強引すぎる気がしないでもないんですけどねぇ」
今までずっと一人ぼっちで過ごしてきた僕にとって友人というのはかなりハードルの高い存在であり、ましてやその相手が女子となると難易度はさらに跳ね上がると言ってもいいくらいだ。
もちろん仲良くなることに抵抗はないけれど、いきなり一緒に遊ぼうと言われても戸惑いの方が大きい。
「大丈夫です! きっと彼女もその辺のことは分かっているはずなので安心してあげてください」
「そうなんですかねぇ……」
白雪先輩がそこまで言うなら間違いないとは思うが