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第1話 「いつもの朝」
ピピピピッ――
目覚ましの音で目を覚ます。
時刻は午前5時。
「……ん」
重い体を起こし、キッチンへ向かう。
まずは朝ごはん。
炊飯器を開けて、ご飯をよそう。
味噌汁を温めて、卵を焼いて。
その間に洗濯機を回す。
時計を見る。
まだ5時40分。
(よし、間に合う)
次は弁当作り。
長男の分と、自分の分。
ついでに弟たちの朝ごはんも準備する。
全部終わった頃には、外が少し明るくなっていた。
⸻
「紫くん、朝ごはんできたよ」
声をかけると、部屋から眠そうな顔が出てくる。
「……もう起きてたの」
「うん」
「無理しないでね」
そう言いながら席につく紫。
でも、その目の下には濃いクマがあった。
昨日も帰ってきたのは遅かった。
朝から夜まで働いているのだから当然だ。
(少しでも負担を減らさないと)
そう思いながら、自分も席につく。
⸻
「黄、起きるよー」
朝食後、弟たちを起こしに行く。
「んぅ……」
黄は布団にくるまったまま。
「学校遅れるよ」
「あと5分……」
「だめ」
そう言うと、黄は渋々起き上がった。
少しして、
「うるさいんだけど」
青が不機嫌そうに部屋から出てくる。
「朝だから」
「知ってる」
「なら準備して」
「はいはい」
口では文句を言いながらも、ちゃんと準備を始める。
その後ろから桃も出てきた。
「おはよ」
「おはよう」
いつもの朝。
いつもの会話。
⸻
全員を送り出し、
自分も学校へ向かう。
教室に入ると友達が声をかけてきた。
「今回のテストも1位狙い?」
「どうだろ」
笑って答える。
本当は狙っている。
勉強だけは手を抜けない。
将来のためにも。
家族のためにも。
⸻
放課後。
急いで家へ帰る。
買い物をして、
夕飯を作って、
洗濯物を取り込んで。
気づけばもう夕方だった。
「ただいまー!」
橙が元気よく帰ってくる。
「おかえり」
「今日のご飯なに?」
「ハンバーグ」
「やった!」
嬉しそうに笑う橙。
その顔を見ていると、
少しだけ疲れが軽くなる気がした。
⸻
でも。
誰もいないキッチンで皿を洗っている時。
ふと、手が止まる。
今日も朝から休んでいない。
学校でも家でも動き続けている。
だけど、
それが当たり前だった。
自分がやらなきゃいけないから。
「……頑張ろ」
小さく呟いて、
赤は再び蛇口をひねった。
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#橙
nebula

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コメント
1件
うわああ、もう2話目もめっちゃ沁みた…😭💦 朝5時から動きっぱなしの赤くん、ほんと偉すぎるし、紫くんの「無理しないでね」が逆にグッとくる…! 兄弟みんなの個性がちょっとずつ出てきてて、桃ちゃんの「おはよ」だけでほっこりしたよ🌸 「自分がやらなきゃ」って背負いすぎてるところ、すごく伝わってきて胸がぎゅってなった… 次も絶対読むね!!📖💕