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狐藻音(こもね)
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#ご本人様には関係ありません
azunatubaki
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第2話 「熱」
「赤兄……」
朝。
珍しく黄が自分から起きてこなかった。
気になって部屋を覗く。
「黄ちゃん?」
額に手を当てた瞬間、赤は顔をしかめた。
「熱いね……」
慌てて体温計を持ってくる。
ピピッ。
38.7℃
「うわ……」
黄は苦しそうに息をしていた。
「学校は休みだね」
「ごめんなさい……」
「なんで謝るの」
赤は優しく頭を撫でた。
「ちゃんと休もうね」
⸻
朝食の時間。
「黄は?」
桃が聞く。
「熱」
「え?」
「38度超えてる」
空気が少し重くなる。
「俺、学校休もうか?」
桃が言った。
「大丈夫」
赤は首を振る。
「俺がいるから」
「でも――」
「大丈夫だって」
笑って言う赤。
その顔を見て、桃はそれ以上何も言えなかった。
⸻
弟たちを送り出した後。
赤は黄の部屋にいた。
冷えピタを貼り、水を飲ませる。
薬も飲ませる。
「赤兄……」
「ん?」
「学校は?」
「今日は休む」
本当はテストが近い。
休みたくなかった。
でも黄を一人にはできない。
「ごめんね……」
「だから謝らないの」
そう言って笑う。
⸻
昼過ぎ。
黄が眠ったのを確認してキッチンへ向かう。
洗濯物。
掃除。
夕飯の下準備。
やることは山ほどある。
「……っ」
急に視界が揺れた。
壁に手をつく。
(寝不足かな)
そう思って再び動き始める。
⸻
夕方。
黄の熱は少し下がった。
そのことに安心した瞬間。
今度は赤の頭がズキッと痛んだ。
「……」
額に手を当てる。
熱い気がする。
でも、
(気のせい)
そう思うことにした。
⸻
夜。
仕事から帰ってきた紫が黄の部屋を覗く。
「どうかな?」
「少し下がったよ」
「そっか」
安心したように息を吐く紫。
その姿を見て赤も少し安心する。
でも。
「赤くん、顔赤くない?」
ドクン。
心臓が跳ねた。
「え?」
「いや……気のせいか」
「たぶん疲れてるだけ」
赤は笑った。
紫もそれ以上は何も言わなかった。
⸻
その夜。
全員が寝静まった頃。
赤は一人で洗濯物を畳んでいた。
「……さむ」
小さく震える。
でも毛布を取りに行く時間も惜しかった。
まだ終わっていない家事がある。
やらなきゃ。
自分がやらなきゃ。
そう思いながら立ち上がった瞬間――
グラッ
「……っ!」
視界が大きく揺れた。
慌てて机に手をつく。
それでも立っていられない。
「……大丈夫」
誰に言うでもなく呟く。
その声は、
少しだけ震えていた。
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コメント
1件
うわ、赤兄めっちゃ無理してるじゃん……。黄の看病しながら自分も熱出しかけてるのに、「俺がやらなきゃ」って家事も全部抱え込んでるの、見てて胸が痛い。桃も紫も気づいてるのに、赤が笑ってごまかすから言い出せない感じがリアル。次、絶対倒れる展開になりそうで怖いけど続きが気になるわ。 はる。