第3話「赫の狩人」
🚷 シーン1:赫の影
星峰特区の外れ、廃墟となった地下市場。
かつて活気のあった通りは今や赫察総局の監視網に覆われていた。
「……ここ、通れると思うか?」
ギアが鉄扉に触れながら尋ねる。メカニカルなゴーグルの下に、冷たい瞳が光る。
「地下ルートはすずかAIが示してる。問題は——見張りだ」
ナヴィスが囁きながら、ジャケットの裾からフラクタルの光をにじませた。
そのくせ毛の黒髪が揺れ、青い瞳が光を捉える。
「2階の廃窓、赫の兵が一人。下にも2人、装甲がある」
すずかAIが淡々と告げる。
「戦闘になる前に切り抜けたいとこだが……」ゼインが呟き、碧色の模様が腕に浮かぶ。
鋭い目つきで天井を見上げ、ジャケットを翻す。
「いや、もうこっちに気づいてる」
🚨 シーン2:赫の襲撃者
ズドン——!
壁を爆砕して現れたのは赫察総局の追跡兵。赤い装甲、機械じみた動き。
その背中には赫の一文字が刻まれたマントが揺れていた。
「赫軍兵団、追跡部隊か……!」ギアが舌打ちする。
「交戦モードに移行」すずかAIの声とともに、ナヴィスが前へ。
「行くぞ!」
「《フォールトシフト》!」
影が揺れ、ナヴィスの姿が空間を飛ぶ。瞬間移動のように敵兵の背後に回り込むと、碧色の光刃を突き立てた。
敵兵が振り返るより早く、ゼインが続く。
「《リバースバリア》!」
跳ね返されたエネルギー砲が赫兵の装甲を貫き、火花が弾ける。
🚀 シーン3:赫の反撃
「《レッド・スラッシュ》!」
赫の兵士が腕から発した赤い刃がゼインを狙う。
一閃。だがゼインはその一撃をギリギリで躱し、空中で叫ぶ。
「《エクリプス・スラスト》!」
地面から跳ねるように反撃。碧色の光が赫兵を吹き飛ばす。
「背中見せんなって、言ったろ!」
ナヴィスが地面を滑り込みながら「《シェイドリフレクト》」を発動。
赫兵が撃った砲撃が空間のひずみに飲まれ、逆方向へと弾き返される。
「やるじゃんナヴィス」
ゼインが短く笑い、隣に並ぶ。
🛠 シーン4:ギアの決断
ギアが静かに地面に手をついた。
「……いい加減、面倒だな」
「《トラップグリッド・スタンアーク》!」
瓦礫の地面から電撃の檻が展開。赫兵がその場に痙攣し、動きを止めた。
「片付いたな」
ギアがコートの裾を払って立ち上がる。
💬 シーン5:赫の目的
倒れた赫兵のマスクが割れ、顔がのぞく。
その目は——どこか空虚だった。
「……こいつ、完全に意志がない。プログラムで動かされてるな」
「まるで……兵器だ」
ナヴィスが呟き、拳を握る。
「人間をやめさせてまで……“赫”は何を企んでやがる?」
ゼインが空を睨んだ。
「その答えは、きっと……もっと深いところにあるんだろうな」
——赫の狩人たちは、ただの始まりに過ぎなかった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!