須×山
※ある小説を借りました
※少し変えてます
※須貝さん幽霊です
※伊沢さんと福良さんがちょっと悪めです…
転校してきたばかりの僕は同じマンションに住む 同級生の「伊沢さん」に出くわした
僕は前に通っていた高校で一時期仲良くしていた 「福良さん」に仲間外れにされていた過去があった
この場面で僕と一緒にいる「須貝さん」は記憶をなくした幽霊である
私を頼りにして自分の記憶を取り戻そうとしていて、僕以外の人間には姿が見えていない
伊「俺、おせっかいとか焼かないから」
伊「けど、ほんとに困ってるなら助けてやってもいいけど?」
伊「ま、必要ないんよね?」
山(伊沢さんはまた、思いっきり偉そうな態度…)
山「助けなんていらない」
伊「ふぅ〜ん、そ、」
伊沢さんはプイッと目を反らし、スタスタと歩いた
須「なーんか、感じわる、」
須貝さんが伊沢さんの後ろ姿を見送りながら睨んでいる
一緒にマンションに入りながらつぶやいた
須「なんやねん、あの東大生の男」
山「お父さん同士が同じ会社なの、でも気が合わないの…、」
エレベーターに乗りながら説明をする
山「難しそうな本読んでて、◯◯っていう作家の飼い猫が足の指6本あった話を嬉しそうに読んでた」
須「なんやねん、その話のなにがおもろいねん、」
山「分かんない、でもお母さんが言うにはあの子と友達になれって、勉強も教えてもらえって、」
須「なんでそんなこと言うん」
山「僕が転校生だから、その方が学校に溶け込みやすいって思ったんじゃない?」
須「へぇー、山本って転校してきたんや」
須「なんか以外やなぁ、」
須貝さんが今気づいたという顔をした、
エレベーターが五階に着き、自分の家へ向かう
ドアに鍵を差し込んでいる後ろで須貝さんが呟いた
須「毛度、それやったら一時的にでもあの子と親しくなっといた方ガええかもな、」
須「たしかに、誰か知ってる人がおった方が何かと便利やし」
須「どんどん利用したったらええねん」
その言葉が僕の胸に刺さったような気がした
山「利用……」
山「利用して、うまくいってあとはポイって捨てるの、?」
また、あの記憶が蘇ってくる
僕を頼ってきた福良さんからの言葉が脳裏に広がる
それなにーー それなのにーー
山「そうか、僕は福良さんに利用されてたんだ…」
気づいてはいたんだけれど、改めてそこことを突きつめられた気がした
田舎から越してきた福良さんは不安で不安です、小さい子が自転車につける補助輪みたいなモノが必要だったんだ
けれどそんな物がなくても大丈夫だと分かったからかっこ悪くて邪魔っけな補助輪なんかを外したんだ
それだけのこと、用がすんだらポイッと捨てられただけ
山「僕はそんなことしない!!」
声が荒くなりバターンと玄関のドアを閉めた
須「どないしたん?またムキになって、」
山「利用するのもされるのも嫌、それなら一人でいるほうがいい…、」
須「そうなん、山本は一人でいる方がいいんや、」
須貝さんがへぇと言う顔をした
須「まぁ、生きてる人間が二人以上集まると、必ずゴチャゴチャもめたりするもんな、」
須「けど一人きりでおるのもまた、寂しいやん」
須「揉めるのと、寂しいのと、どっちをとるかは人それぞれなんやろうけど、」
須「ふぅーん、あんたは寂しい方を取るんや」
僕は寂しい方をとったのか…?
ちょっとびっくりして押し黙る…
けれど違う、そうじゃないんだと言いたい気持ちがどろどろと湧き上がってきた
山「とったんじゃない、とらされたんだよ、」
須「は?だれに?」
山「色んな人にだよっ、」
福良さんが、伊沢さんたちが「麻婆豆腐」とヒソヒソ囁いていた、同級生たちがかわる、がわる頭をよぎる
山「寂しいのは嫌だけど、そう言う風にされたの!」
山「人間なんかしんじられない、友達見ないな顔しながらニコニコしながら、平気で人を裏切って傷つけるの」
山「二度とあんな思いするのは嫌っ!」
初めてこのことを朽ちに出して言えたと思った
そうだ、今日までこんなに自分が傷ついていたことを誰にも一言も話せなかったのだ
鼻の奥がつんとする
自分の部屋に駆け込むとベットに突っ伏した
掃除して天日に干したおかげで、ふんわりとした枕に顔をうずめたらまた喉の奥から熱いものがこみあげてきた
須「そっか、」
須貝さんが僕の背中をさすっている気配がする
冷たくも温かくもない空気が動く気配だけ
須「そんでか、そんでおれがこの部屋に来たときあんたは泣いてたんや、人に裏切られたんや、」
須「辛かったな、」
山「……………そうだよっ」
須「泣いたらええやん、」
と須貝さんが言った
須「辛いことがあったら、泣くしかないやん」
須「あんた、生きてるから泣けるんやし、」
そうだ、泣いたらいい、泣くしかないんだ
僕は泣き始めた
最初はしくしくと声を出さずに、そのうちわあわたお思いっきり声をあげて。
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