TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

私と中村先輩の関係。

それは職場の先輩と後輩で落ち着いている。

一方で。

悠真くんと私の関係は一歩進んだ。

そう。

ついに。

引っ越しをした!

悠真くんは仕事がオフだった平日に引っ越しをし、その週末、おまかせ引っ越し便というプランを使い、私も引っ越しを行った。

引っ越しをした翌日から、悠真くんは映画のロケで一週間。

タワマンのその部屋を開けることになった。

その間、私は毎日、タワマンに帰宅し、引っ越し荷物の片づけを行った。ベッドは週末に届くということで、ソファに寝袋で休む日が続いたのは、少ししんどかった。だが師走に向かい、仕事は忙しい。引っ越しの後片付けも大変。ということで、疲れていたので爆睡できた。

迎えた週末、土曜日は早朝から動き出した。タワマンから自分の契約しているマンションの部屋に戻り、まずは粗大ごみを捨てた。その後は貴重品など自分で持ち運ぶものをスーツケースにまとめる。そこにリサイクルショップの店員さんが来てくれたので、不要な家電や家具を買い取ってもらう。

その後は引っ越し屋の女性スタッフがきて、荷物をどんどん梱包してくれる。食器も割れないよう、パッキングして、最終的に段ボール15箱で落ち着いた。そこに引っ越し屋の男性スタッフがきて、段ボールをあっという間にトラックに積んでくれる。タワマンでの待ち合わせを約束し、移動開始。

その後は段ボールの搬入、ベッドが到着し、組み立ててもらい、荷物を片付け、その日は終了。キングサイズのベッドは広い! 大きい! 寝心地も抜群!

写真を撮り、悠真くんにメッセージを送ると……。

「早くアリスを抱きしめて眠りたい。会いたい……」

なんていう甘いメッセージなのに。

添えられている写真は血みどろの手!

世界的に活躍する、元祖ジャパニーズホラーの生みの親・大沢監督の最新作を撮影しているらしい。

日曜日は引き払うマンションでの退去にまつわる立ち会いをして、最後にあのロールケーキを購入し、タワマンに戻った。引き続き、新居での整理整頓を行い……。

悠真くんが戻ってくる水曜日。

ノー残業デイでそのまま定時で帰宅すると、最後の片づけを行い、完了した。

もう、部屋に段ボールはない!

達成感を胸に、お風呂へ入ることにした。

一人暮らしのマンションに比べると、バスルームは広々としている。引っ越しにあわせ購入したレモングラスの香りのバスソルトを入れ、水を持参し、のんびり入浴を楽しんだ。お風呂の後に、赤ワインで少し遅めの晩御飯。

生ハムのサラダとボロネーゼを食べながらワインを飲み、パソコンで動画を見ていると……。

「これって……」

驚きのニュースを発見することになった。

「別れ話のもつれか。殴り合いの喧嘩で通報され、男女逮捕」

元カレと野堀が昨日の深夜、マンションで殴り合いの喧嘩をして通報され、二人して逮捕された。最初は部屋の中で喧嘩していたようだが、多分、元カレが部屋から飛び出したのだろう。マンションのエントランスでの喧嘩となり、止めに入った住人や通行人を巻き込んでの大乱闘になったらしい。

さらに二人はヒートアップし、通報で駆け付けた警察官にまで殴り掛かり……。

本当にもう、何をやっているのだか。

でも私は引っ越しをしたし、二人に関わることはもうないと思う。それに警察でたっぷりお灸をすえられたら、この二人も大人しくなる……と思いたい。

悠真くんから連絡がきているか確認するが、メッセージは届いていない。

これから空港に向かうと連絡がきていたから、今はフライト中かな。

片付けをして、歯磨きをし、シュガーのブラッシングをした後。

ソファに寝転がりながら、スマホをいじっているうちに……。

どうやらそのまま私は眠ってしまったようだ。

体を誰かに持ち上げられている感覚で、目が覚めた。

目を開けると、まず眩しさですぐに閉じることになり、でも一瞬見えたシルエットで悠真くんだと気づく。さらに自分が彼に抱き上げられていると分かり「悠真くん、おかえりなさい」とその首に腕を絡める。

「あ、起こしちゃいましたか、アリス」

久々に聞く悠真くんの生声に嬉しくなり「お仕事、お疲れさまでした~」とさらにぎゅっと抱きつくと。

「やばいですよ、アリス、そんな風に甘えちゃ……。僕、これからシャワーなのですから」

ようやく目が慣れたので、その顔を見ると。

すぐに切れ長の悠真くんの綺麗な瞳と目が合う。

「お風呂、沸かしてあります!」

「そうなんですね」

「入浴剤も用意してあります!」

「ありがとうございます」

微笑んだ悠真くんが素敵過ぎて、胸がドキドキする。

「さて。新しいベッドといよいよご対面です」

悠真くんは嬉しそうにそう言って笑顔を見せるけど。

私は「ベッド!」となんだか過剰反応。

しかも今、抱き上げられているし。

器用にドアを開け、寝室に入った悠真くんは……。

「これは写真で見たより存在感がありますね。……大きいな……」

感嘆の声をあげ、ゆっくり私をベッドにおろす。

loading

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚