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あの交通事故から2週間が経った。飲酒運転のトラックにはねられた絵名は幸いにも命は助かったらしい。そして今日ニーゴのみんなで初めての面会に行く。
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コンコンと病室のドアをノックする。
「…どうぞ」
絵名の声だ。生きている事が、嬉しくて堪らない。だけど絵名の様子をみればそんな言葉は絶対に言うことは出来ない。
『絵名の右腕が無い。』
人によってはその程度の怪我ですんで良かったじゃないかと思うかもしれない。
右腕は絵名の利き手である。絵描きにとって絵を描くのに1番必要なのは何か。
筆?
そんな物はなくても描ける。今の絵名だったら舌を噛みちぎってでも描くだろう。
紙?
壁にでもなんでも描けばいい。
そんなものではない。手だ。手が無ければペンを握る事さえもできない。
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絵名の病室はびっくりするほど何も無かった。窓ひとつ無い真っ白な部屋だった。
後で瑞希から聞いたが、
自殺未遂を2回起こしたらしい。
1回目はコップを割ってその切り口で喉をかき切ろうとした所を弟の彰人君に見つかった。
そして2回目は窓から飛び降りようとした所に看護師さんに止められた。
「絵名…お見舞いに来たよ。」
意を決して言葉を発する。
「ぁ…奏。それにまふゆと瑞希も。」
「あはは……。。。腕無くなっちゃった。」
その言葉に誰も反応できない。
「あっ、そうだ。えななん、チーズケーキ買ってきたんだよ。」
沈黙に終止符をうつように瑞希がそう言う。
「…ありがと。そこ置いといて。」
「私、もう描けないの。今まで描いてきたことは全部全部無駄だったよ。ねぇ奏。やっぱ、いくら努力しても結局だめだったの。私明日からどう生きていけばいいかな。」
みんな何も言えない。
「…羨ましい。」
まふゆが有り得ない一言を呟いた。
「っ!?!?」
「あんたっ!!あんたにはわかんないかもしれないね!!!才能があるあんたには!!!!」
「いくら足掻いて叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んで叫んでも変わらないのっっっ!!!!!!!!!!」
「どう努力したって、どう足掻いたって、どう頑張ったって、どう叫んだって、変わらないし変えられないの!!!!!!分かる?あんたに私の気持ちが。」
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁあぁぁぁぁああああああああぁぁぁあああああぁあああああぁああああああああああああああああああぁぁぁああああああああああ」
『狂気』その言葉は今の絵名に1番相応しい。本能でそう感じた。
よく「死ぬ気で努力した。」と言う奴がいるが
『死んでもないのになぜそんな事が言える?』
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コメント
22件
この残酷な雰囲気に包まれる感じ好き
こんなにめっちゃ凄いと思った作者さん初めて… 凄いなぁ…