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奇跡を信じて(生まれ変わり)

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奇跡を信じて(生まれ変わり)

43 - 第43話 奇跡を信じて(最終章)

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2025年01月02日

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すると、田村が即座に立ち上がり、

「私が最初から説明をさせていただきます。実は今から6年前に私と妻は旅行の帰り、追突事故に遭ってしまったのです。 その時、ちょうど妻のお腹には子どもがいました。しかしながら、その事故で子どもは亡くなってしまいました。私は野球に打ち込んで、悲しかった出来事を極力忘れるように努力をしたのですが、プロ野球選手である私はそのようにすることができなかったのです。そして、ファンの皆様に納得をしていただける数字を残せなかった私は、今シーズンの途中で引退しようと決めていました。そのような時、私はある少年に出逢いました。その少年は白血病だったのです。彼は病気と6ヶ月間、闘っていたのです。私はその少年に闘うということを教えられたのです。そして、私は彼と夢の中である約束を交わしました。 その約束とは、私がホームラン王になるということです。彼はその約束を私が守れば、病気に勝つと言ってくれたのです。 みなさんは、私が見た夢なんて馬鹿げていると思われるでしょう。しかし、私達は本当にあるところで会話をしていたのです。みなさんに私の言ったことを理解してもらえることは、難しいかもしれません。ただ私は奇跡が起きるということを信じていただけなのです。そして、その彼は今日、ご家族の方とこの会場に来て頂いています」


会場が一瞬、ざわめいた。

「大地君、こちらへ来てもらえますか?」と田村が言うと、


両親の横に座っていた大地は、

「タムが僕の名前を呼んだよ」

と幸雄に言った。


「大地、田村選手が大地に来てほしいって」

と幸雄が言うと、


「うん」と大地が言って席を立ち田村の方へ向かおうとすると、選手、関係者からは、大きな拍手が送られた。


大地が田村と同じ壇上へ上がると、


「大地君、君のおかげで僕がホームラン王になれたんだよ。どうもありがとう」

と田村が言うと、


「ちがうよ。タムがたくさんホームランを打ってくれたから、僕が助かったんだよ。ありがとう、タム」と大地が言った。


涙を流している選手もいた。


そして、出席をしている全ての人から二人へ大きな祝福の拍手が送られた。



田村は、大地が他人の子どもとは思えなかった。


あの時、亡くなった子どもの生まれ変わりだと確信していたのだ。


そして、あの子がサヨナラホームランを打たせてくれたのだと..



完結

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