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渡辺は、ものが戻って来ないだろうし、もう忘れることにした。だが、しばらくすると、またものが無くなり始めた。
今度は、立派な盗難事件である。
主人公が着てた服とか靴とかが無くなっていた。
だが、彼女はいない。
誰が持って行ってるのだろう?
渡辺は、気味悪くなってきた。
服も靴も、すぐ用意出来る。
主人公の女優さんに言われる。
女優ーモテモテね。
渡辺ー撮影に困るだけです。
女優ーあら、何で?
渡辺ー同じの用意しないといけないし、まだ続くと思うんですけど。
女優ー人気者は辛いわね。
渡辺ーやめてくださいよ〜。
渡辺の言った通り、主人公の身に着けるものが無くなる。
無くなったものは全部買い取りになるから、監督もだんだんピリピリしてきた。
今いるスタッフの中に彼女と繋がりのある人物がいる。
そう、監督は言う。
彼女に盗んだものを渡している人物がいる。
監督は渡辺を呼ぶ。
監督ー渡辺くんの楽屋にカメラ仕掛けていいかな?
渡辺ーいいですよ。
監督ー申し訳ない。
渡辺ー犯人捕まえましょう。
渡辺の楽屋の入り口のドアの上に小型カメラを仕掛ける。
その日の衣装や小物が運ばれてくる。
服は2着ある。
最初の服を着て撮影現場に行く渡辺。昼から衣装を替えて出て行く。
いつも同じ楽屋を使うから合鍵を作ったのか、静かにドアが開く。
衣装係の青年が、午前中渡辺が着た服を自分の服のお腹の部分に隠して持って出る。
その姿と顔がカメラに映っている。
監督ー木島くん。
木島ーはい?
監督ー渡辺くんの楽屋から持って行った服を返してもらおうか?
木島ー俺、知らないっす。
監督ーあの楽屋、カメラ仕掛けてあるの気がつかなかったみたいだね。
木島ーカメラ?
監督ー入り口のドアの上に付けてあったんだ。
木島ー・・。
監督ーなぜかな?
木島ー浅子に渡してます。
監督ー君、今日までね。
木島ーすみませんでした。
浅子とは、渡辺のものを取っていた彼女の名前。
木島という青年は浅子の気を引きたくて、渡辺のものを渡していた。
ものは返ってきたが盗難に遭ったもの。店には返せない。
結局は買い取りになった。
監督ー渡辺くん、いるかい?
渡辺ーいりません。
監督ーだよね〜、参った。
服に腕時計に靴にカバンなど。
全部買い取りになる。
監督は木島に今日までの給料で、補ってもらう。
と言い、木島は1円ももらえなかった。仕方ないけど足らないくらいだった。