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『好きです。』
ーそう言われたあの日から、俺の時間は止まった様な気がした。
⁇
「…くさーん?どぬくさん!」
どぬく
「うわぁッ!?何!?いきなり!」
⁇
「何!?…じゃないでしょwさっきからずっと声掛けてんのに、上の空なんだもん。」
どぬく
「まじか…ごめんごめん笑じゃっぴ笑」
豪快にニカっと八重歯を見せて笑う、恐竜の緑パーカーを着た赤毛の彼はじゃぱぱ。
リーダー気質に長けていて、惜しくも生徒会長の座を奪われた、五月蝿く、悪戯好きながらも周りに気が配れるイケメンだ。
じゃぱぱ
「まぁまぁまぁ、それは置いといて…最近どぬくさん、ぼーっとしすぎじゃない?大丈夫?」
⁇
「ほんとですよ!どぬくさん!」
そう言って、両手にクッキーを持ちながら会話に首を突っ込んできた彼女はのあ。
優しく、お菓子が大好きだが、心配性で、かなりの食いしん坊でもある。
他学年に噂されるほどの美少女
生徒会書記を務めている。
のあ
「何かあったら私達を頼って下さい!」
どぬく
「うん、ありがとのあさん。」
ガラ
教室のドアが空いて、誰かが入ってきた。
どぬく
「…!!」
俺はその人物を見て、固まった。
キャァァァァァァァァァァァ!!!!
教室は黄色い歓声で溢れたが、そんなことはお構い無しに、その人は誰かを探している様だった。
俺は目を背けたかった。
でも、その人物から目が離せられない。
パチッ
その人物は俺と目が合うと、ニコッと笑った。
そして、
⁇
「どぬく君をお借りしてもいいだろうか?」
シーン…
大騒ぎだった教室は彼の第一声で静まり返った。
さほど大きな声では無かったにも関わらず、その声ははっきりとしていた。
その人物は、俺の方へ歩み寄ると、俺の手を掴んで立たせた。
そして、俺の目を覗き込んで言った。
「俺のこと、覚えてる?」
世界が止まった.
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