前回、色々あって双子と私たち草神家でキャンプに行くことになった。
「めっちゃ気持ち〜!空気つめた〜い!」
ハイテンションになっている奏茉。空茉は楽しみすぎて寝不足だったため寝ているが、奏茉の声でも全く起きないため本当に寝れなかったのだろう。普段は見えない可愛げなところが見えて少し微笑む。
そして、5歳児と共にハイテンションになっている23歳児がいた。そう、草神家の大黒柱である私の父だ。
流石に父親が5歳児とハイテンションになっているのを見ると引いてしまう。
「そう言えば、相羅弟くんいたよね」
「今日はばあちゃんの家に預けてるらしいよ」
「へぇー」
そう、一度も会ったことないばあちゃんの家にな。
父と母に一回だけ祖父母の有無は聞いたことがある。でも、なぜかそれははぐらかされた。おそらく聞かない方が良い話題なのだろう。なんとなく察した私は、それ以来祖父母のことについては聞かないことにした。
まぁとにかく、いるかどうかもわからないばあちゃんの家に預けたと言うことは、海斗の安全が確保されているのかがわからなと言うことになる。海斗は今どこにいるのか。
私の思考を遮る二つの声。とてもうるさい。案外、ここに海斗がいなくてよかったとも少し思う。
「さて、ついたぞ〜」
車から降りると、そこには大自然が広がっていた。
下の方を見ると川があり、そこでは釣りをしている人や泳いでいる人、バーベキューをしている人もいた。周りは森で囲まれており、来る途中の道で熊注意の看板があったのを覚えている。
「さてと、まずはコテージに行って水着に着替えよう!」
お父さんが提案する。
今日は魚の掴み取りがあるらしい。私たちがそれに夢中になっている間を狙って、父と母はターゲットを狙うと言う日程らしい。
ターゲットとは何か?答えは簡単。殺し屋に狙われた人だ。
私の両親は、殺し屋なのだ。
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