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藤澤side
未だに慣れない廊下を進み、教室の扉を開く。
「おはようございまぁす…」
教室には5、6人くらい。ちらっとこっちを見て、また話に戻る。
こないだ話しかけてきた阿部君と大森君ら以外からは、必要以上の会話はしていない。というか、話しかけられないし、話しかけない。
変に頑張って、印象がおかしくならないようにと考えている内にこうなった。
大「藤澤君、おはよ!」
「おはよぉ」
大森君だ。
大「あの~…バンドの件、考えてくれたかな」
提案された日から、結構考えた。バンドに入れば、楽器の腕も上達するし、友達もできるだろう。
「いいよ。入る。」
大「マジで!?ありがと!若井~!」
顔がパッと笑顔になって、若井君のところに駆けていく。
新たな扉が開いた気がする。
先生が来るまで読書して待ってようかな。家から持参した本のページに目線を落とした。
そんなこんなで昼前になった。
さっきの授業は数学だった。が、昨日徹夜で復習していたせいか、授業の2/3の内容が頭に入ってこなかった。
しかもテスト前だし、今の時期はノート取ってないとマズいかも。誰かに教えてもらうしかないか…
「やぁぁ…どーしよ…」
阿「何が?」
机に突っ伏していると、頭の上から声が降ってきた。阿部君だった。
「いやさっきの授業分かんなくてさ。誰か教えてくんないかなぁって笑」
特別仲良い訳でもないし、阿部君だって忙しいだろう。家帰って頑張るよ、と言おうとすると、
阿「俺教えようか?」
「え、いいの?」
ちょっと期待していた返事に口角が上がった。
阿「うちに来てくれば教えれるよ?来る?」
「行っていいなら…」
阿「じゃあ決まりね。今日一緒帰ろ」
お家に行くのみならず、帰る約束までしちゃった。
分かった、待ってるねと返事したものの、内心すごく嬉しかった。
ここに来てからずっと、阿部君に憧れてたから。誰にも優しいし笑顔だし、でも勉強はトップだし。きっとみんな憧れてて、僕なんて見てないんだろうって思ってた。
これをきっかけに仲良くなれたらいいな…。
阿「………。」
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