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今日もケンちゃんはバイク屋の仕事。

その間、ウチはケンちゃんの家で家事してる。

こんな感じがもう結構長いんだけど、

割りと居心地いいからウチはこの生活が気に入ってる♪


そういえば、昨日ゲーセンに行ったら、

ケンちゃんそっくりなぬいぐるみを見つけたんだ。

思わず『ケンちゃん!』って声上げちゃった。

えへへ。

これはもう取るしかない!って思って挑戦すること30分。

店員のお兄さんにちょっとおまけしてもらってゲットしてきた♪

ウチやるの好きだけど、実はUFOキャッチャー苦手なんだ~。

だから、ほんとに苦戦したぁ。


「それにしても、これほんとケンちゃんそっくり」


やること済ませると、ソファーに腰を下ろしてぬいぐるみを膝におく。

金色の辮髪、黒の特効服っぽい洋服。

左耳にはピアス。

ケンちゃんがぬいぐるみになったら、きっとこんな感じ。と頬緩ませながら呟いてぬいぐるみを抱き締めた。


……数時間後。


『エマー、ただいまァ』


「ん…ケンちゃん…?」


いつの間にか寝ていたようで、身体を起こして抱き締めたままのぬいぐるみをぼんやり眺める。

声がしたのは気のせい?

それとも、ぬいぐるみから?

寝ぼけた頭であり得ない事を考えつつ、愛しい人に似たそのぬいぐるみに頬を寄せる。


『………おい、エマ。なんだそれ』


「ん…?あ、ケンちゃん…本物?」


頭上から声が降りかかり視線上げると、そこには愛しい人の姿。

嬉しげに微笑んでは見るものの、相手はしかめっ面でこちらを見ている。


「ケンちゃん?どーしたの?」


問い掛けが終わるより早く、相手に背後から回り込まれそのまま膝に座らされると、腰に腕が回り抱き締められる体制に瞬きを数回。

疑問符浮かべながら腕の中にまだ存在するぬいぐるみを抱え込む、と、不意に顎を指が這う感触に視線ずらすと肩に顎を乗せた状態で覗き込む相手の姿。


『エマァ、オレがここ居んのにぬいぐるみばっか構ってんじゃねぇ』


「………へ?」


『だーかーらッ、そんなぬいぐるみより、オレを構えつってんだよ、分かれ』


拗ねた口調で突拍子もないことを言う相手に、一度思考はストップ。

けれど、直ぐにそれは愛しさへと変わり、同時に少し意地悪心が沸いてきて。


「もーっ、なに拗ねてんの、ケンちゃん」


そう僅かあきれた口調で返しつつも、ぬいぐるみを隣に座らせると身体を捩り相手と向き合う体制へと変え間近にある額に自分のそれを重ね合わせて。


「嘘だよ、ぬいぐるみにヤキモチって、ケンちゃんも可愛いとこあるね。」


『あ?うっせ』


「また拗ねた」


くすくすと楽しげに笑いながら思う。

いつまでもこんな日が続くといいな、と。

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