テラーノベル
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その時、上杉君が言ったんだ。
「皆、落ち着けよ。喧嘩してる場合じゃないだろ。」
そーだよ。
忍が仕方なさそうに戻ってきて、小塚君たちも椅子に座る。
「早く打開策を見つけようよ。僕、美門のフリなんかできないからさ。今日、すごく学校で疑われたんだ。」
ああ、翼は万能だからなあ。
運動神経もバツグンだし、小塚君には無理だよね。
黒木君が抗議するように言った。
「俺だって、黒木のマネをするの、超大変だったんだぞ。」
確かに、それはそれで大変だろうなぁ。
良かった、私は入れ替わらなくて…
小塚君ならまだマシかもしれないけど、もし若武や上杉君になったら、私には絶対、無理だもの。
若武がつぶやく。
「で、結局どうすんの。」
だから、今それを考えてるんだよぉ…
「今のところ、霊や妖怪が関わってる感じはしないけど。関わってたら面白いのにな。」
面白くないっ!!
全っ然、面白くなんかないっ!!
むしろ恐いよ!!
上杉君が苦笑する。
「アーヤ、顔に出てるよ。」
私は、思わず唖然としてしまった。
だって、上杉君が言うなんておかしいもの。
でも、よくよく考えたら中身は黒木君なんだよね。
やっぱ、慣れないなぁ…
忍がテーブルの上に突っ伏す。
「黒木、お前のノリで行動するなよ…」
嘆くような言い方に、思わず笑ってしまった。
「立花、笑うなっ!!」
クスクス。
小塚君がテーブルの上に身を乗り出す。
「それより、皆学校でどうだった?」
そうだ、確かに気になる。
忍が疲れたらしく、椅子の背により掛かる。
「天然のマネをするのって、超疲れる。どうやっても無理だろ。」
確かに。
「それに、何故か人気者だし。」
皆は、忍が天然だって気がついてないんだよぉ…
コメント
3件
確かに…天然の真似無理だわwそれに中身黒木だから上杉が言ってると不自然なの分かるわ笑