コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
※ 「かふらたい」とは、ある生物の妖怪です。その生物とは――
「あ、ミミズだ、気持ち悪い」
ぐしゃ! っと躊躇なくミミズを踏みつぶした。すると隣にいた友人の真奈がぎょっとした様子で注意してきた。
「ちょ、ちょっと! 辞めなよ! そんなことしたら可哀想でしょ!」
「えー、でも気持ち悪くない?」
「だからって殺すことは無いじゃん!」
「じゃあどうすればいいの? 埋める? 焼く?」
「無視すればいいでしょ!」
はいはい、真奈ならそういうと思った。だけど私はね。
「あー、あたしはミミズが存在すること自体が許せないんだよね」
「なんで!?」
「だってさ、いるだけで気持ち悪いじゃん」
「そんなことしてたら罰があたるよ!」
罰だって。ミミズにそんな力あるわけないでしょ。
「いやいや、神様とか信じてないし」
「ミミズにも家族がいるんだよ!」
「家族も何も、ただのミミズじゃん」
「ミミズだって一生懸命生きてるんだよ!」
「何言ってんの? ただのミミズだよ?」
真奈は何を熱くなっているのか。私には理解できない。こんなの普通のことでしょ。
「もう! カンナなんて知らない!」
「あっ……」
真奈が怒って行ってしまった。今日は学校のオリエンテーリングで山に来ている。山の中をぐるぐる回るだけで、ただでさえつまらないのに、一人になってしまった。あ~あ、これもミミズのせいだ。全部ミミズが悪い。そう考えることにした。
「よしっ、この辺で休憩するか」
ちょうど良く広場ようなところに出た。木陰もあって涼しい。ここに座って一休みしようかな。そのあと真奈を追いかけよう。あるいは、真奈の方が迎えに来てくれるかもしれない。
「あれ……なんだこれ」
草むらの中に何かが落ちていた。よく見るとそれは……ミミズだった。それも一匹じゃない。十匹くらいはあるだろうか。うわぁ、キモいなぁ……。よく見たら他にもいっぱい落ちてた。これは多分、死んだミミズだろう。やっぱこいつらキモい。死んでても無理だわ。
その時、後ろから誰かが近づいてくる音が聞こえてきた。誰だろうと振り返るとそこには、登山者のような服装をした男性が二人、こちらに向かってきていた。
「お嬢ちゃん、ここで何してるんだい?」
「えっと、休んでます」
「そっか。じゃあおじさん達と一緒に行こうか」
「えっ、あの、どちら様ですか?」
「いいからおいで」
二人は私の腕を掴むと無理やり連れていこうとする。抵抗したが力が強すぎて振りほどけない。
「ちょっと離してください!」
「大丈夫だからついてこい」
「嫌です! 助けて!!」
助けを求めたが近くには誰もいないようだ。私は二人の男に引きずられていく。このままではまずい。どうにかしないと……。そうだ! 私は持っていたカバンの中からペットボトルを取り出し、中に入っているお茶を思いっきり男たちの顔にかけようとした。だが私がお茶をかけるより早く男がペットボトルを奪い取った。そしてそのまま地面に叩きつけたのだ。お茶の入ったペットボトルはぐしゃっと潰れてしまった。男はニヤッとした表情を浮かべながら言った。
「無駄なことを。まあいい、これでお前は何もできなくなったな」
「そんな……」
どうしよう。このままじゃ大変なことになる。なんとかしないと。なんとか……なんとか……!! そんなことを考えているうちに、どんどん山の奥の方に連れていかれた。こんなところ、とても人が来そうにない。
「ここらでいいか」
そういうと、一人が地面にビニールシートを広げ始めた。もう一人の男は懐からロープを取り出した。まさか……!
「やめて!」
「動くんじゃねえぞ!」
そういうと男たちは私の両手両足を縛ろうとした。私は必死に抵抗するが簡単に押さえつけられてしまう。
「お願いします! 許してください!」
「大人しくしろ!」
「きゃっ!」
ついに手足まで完全に拘束されてしまった。私はこれから何をされてしまうのだろうか。不安で仕方がない。すると男たちは私の服を脱がし始めた。
「やめて!」
「暴れるんじゃない!」
私は下着姿になってしまった。恥ずかしくて顔が真っ赤になるのを感じる。今すぐここから逃げ出したい。でも逃げられない。どうすることもできなかった。さらに男たちは荒々しく私の下着も引きちぎってしまった。私はとうとう生まれたままの姿にされてしまった。
「やだっ!」
「さてと、さっきはよくもやってくれたな」
「さっき?」
「忘れたとはいわせねぇぞ」
そういうと突然、男たちの耳や鼻、口の中から大量のミミズが出てきた。
「ひゃあああ!」
私は悲鳴をあげてしまった。(続く)