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自分の重みで何本ものリンドウの命が奪われてゆく。興奮という言葉では収まらないほど、心はなにかに満たされて言った。先程まで黒くドロドロしていたものをかき消すかのように。優しく、あいつのように__



いつも通りの学校、勉強、そして必要ならば周りの奴らと親睦を深める。それが俺の日常だった。まだ何も出来ない歳だから、失敗する可能性があるなら確実に成功するように仕向ける歳になるまで何もしない。小さい頃聞かされた兄弟、俺の唯一の弟『竜胆』をまた次見つけるまで__


初めて窓ガラス越しで見た竜胆は綺麗だった。遠目に映るお前に全てを奪われた気分だった。欲深い俺は竜胆を手に入れたい気持ち一心でここまで上手くできたようなものだ。竜胆がいなければ本当にこの世界はつまらなかったと思う。お前は俺にとっての太陽だからお前は俺にだけ柱頭を見せとけばいい。

『俺だけの花だ』


『なあ お前が竜胆だよな?』

「…だれ」


初めて話しかけた竜胆は少し脅えながらも返事をしてくれた。俺だけのために。これは想像以上に危険だ。口角が言うことを聞いてくれない。


『灰谷蘭 お前の兄貴だよ。』


脅えていたから少し優しめな口調に変える。じゃないとこの花は散って消えてしまうかもしれないから


「蘭……..おれと同じお花の名前だね。そうだよ。俺が”竜胆”。」


俺はもうこの花の匂いに耐えられなくなり強引に腕を掴みこちらに寄せ言ってしまった。


『お前今日から俺と暮らせ。金でもなんでもやる。お願いだからもう1回兄ちゃ…..いや、兄ちゃんって呼んでくれない?』


やってしまった。前世と同じことをしてしまった。嫌われるかもしれない。だけど竜胆は俺の期待外れはことはしない。そう願って竜胆の方を見る。目の前にいる竜胆は目をキラキラさせ瞬きしながらずっとこちらを見ている。


「に…兄ちゃんがおれと一緒に暮らしたいって言うならくらしてやるよ」


嗚呼、この花はどれだけの自信に満ちているのだろう。その声が、その笑顔が、その全てが俺の予想通りで、前世と変わりなくて俺らしくないが安心してしまった。さすが俺の竜胆。


もう俺から離れないで











地獄の果てまでランデブー

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