この作品はいかがでしたか?
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🖤サイド
深澤先生から亮平くんの話を聞いた。
🖤「…っ。」
言葉が出てこなかった。
神様ってすごく不公平。
亮平くんに比べれば俺なんてのうのうとサッカーやって生きてきただけで…。
こんなに辛い過去があって今も辛いはずなのにどうしてあんな笑顔でいられるの?
💜「亮平さ…目黒くんが来てくれるとすげー嬉しそうなの。」
💜「だからさ…亮平に残された時間、そばにいてあげてくれない?」
そう言って深澤先生は頭を下げる。
🖤「そんなの…言われなくても…」
隣にいます。
できるだけ毎日会いに行きますから。
💜「本当…?ありがとう。」
そんな深澤先生を見ていると亮平は本当に愛されてきたんだなってのが伝わる。
ふと亮平くんのほうを見る。
その時、
🖤「…え?」
今、亮平くん動いて…。
💚サイド
苦しくて息ができなくて目の前が急に暗くなったかと思えば
明るい光が見えて目を開ける。
💚「…?」
その瞬間自分の目に飛び込んできたのは何もない真っさらな草原だった。
空には一本の虹がかかっていた。
💚「ここ…どこ…?」
初めての景色に戸惑いながらも辺りを歩いてみる。
💚「誰…だろ。」
しばらく歩いて行くと1人の女性がそこにいた。
?「…っ!」
あちら側も僕に気づいたらしく驚いた様子でこちらを見ている。
この人どこかで会ったことある…?
?「亮…平…?」
💚「…え。」
なんで僕の名前知って…。
?「そっか…覚えてないか…。」
その人は寂しそうに笑った。
💚「…ごめんなさい。」
覚えてはない。
でも、なんとなくわかる。
この人は自分にとって大事な人だったと。
?「あぁ、謝らなくていいよ…亮平は悪くない。」
?「ところで…あなたは今幸せ…?」
なんで、そんなことを…。
💚「…幸せ…です。」
…蓮くんもいる、辰兄もよくしてくれてる。
周りに自分のこと気にかけてくれる人がいるだけで幸せ。
じゃあ、その人たちは…?幸せなの…?
?「それは良いことだね。」
💚「…でも、周りの人たちはそうじゃないかも。」
?「なんでそう思うの…?」
💚「いつも…迷惑かけてるし、…母なんて僕が生まれてきたせいで…」
…たくさん辛い思いをして、いなくなっちゃった。
?「…っ。」
また、その人は寂しそうな顔をしたと思えば僕に抱きついてきた。
💚「え…?」
?「そんなことない。」
知らない人に抱きしめられて普通なら嫌なはずなのに。
不思議と嫌な感じがしなかった。
?「あなたのお母さんはあなたに出会えて幸せだった…と思うよ。」
?「だから、そんなに自分のことを責めないで。」
?「あなたは…愛されてるから。」
その言葉を聞いて自然と涙が溢れた。
優しくて温かいこの感じ。
僕…知ってる。
💚「ママ…?」
💚母「そうだよ。…亮平、大きくなったね。」
💚「ごめんなさい…忘れてた。」
💚母「大丈夫、そばにいてあげられなかったんだから。」
💚母「…戻りなよ…今、自分がいるべき場所に。」
💚「…?」
💚母「あなたはここに来るにはまだ早い。」
💚母「ずっとここで待ってるから。ニコッ」
その瞬間周りが白い光に包まれて前が見えなくなった。
次に目を開けた時。
いつもとは違う白い天井が見えた。
重たい体を起こして座る。
いつもと部屋が違うからひどい発作だったのだと察した。
💚「…。」
さっきまでのは夢だったのかなぁ。
また…倒れて迷惑をかけてしまった。
🖤「亮平くんっ!」
💚「うわっ!?」
蓮くんの声がしたと思えば次の瞬間横から抱きつかれた。
💜「ちょっとめめっ!亮平、起きたばっかりなんだからっ!」
🖤「あ、ごめんね…亮平くん。嬉しくて…つい。」
いつのまにか2人は仲良くなったみたいで呼び方が変わっていた。
💜「亮平、苦しいとことかない?」
💚「うん、大丈夫。」
🖤「え〜亮平くんの大丈夫、信じられないんだけど。ね〜ふっか先生?」
💜「う〜ん、それそはそう。笑」
💚「えぇ…2人とも…。」
そうやって明るく接してくれる2人。
やっぱり、幸せだなぁ…と感じる。
そして、やっぱり思う。
残された時間をこの人たちと一緒にいたいと。
コメント
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どうも、うゆゆです! このお話の解説をしたいと思います。 みなさんは『僕とシッポと神楽坂』というドラマを知っていますか? 獣医さんのお話でその中に、 亡くなったペットは『虹の橋』という場所で飼い主のことを待っている。 という話があるんです。 亡くなった人は虹の橋で待っているかわかりませんが今回の話はこのドラマ(漫画) そして主題歌である嵐の『君のうた』という曲からきています! 以上、うゆゆでした!
ほんと天才😭