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「｢それじゃあ始めようか、命をかけたスピードを｣」
その言葉で一気に緊張感が高まった
私がやるわけではないのに、汗も流れて来る
「最初は私から」
「それじゃあ、スタート！」
二人とも、ものすごい勢いでトランプを置いていく
でも、少しハートのほうがおしてる？
ヒロさん頑張れ！
ヒロさんの邪魔にならないように心のなかで祈った
でも……もう少しでハートがあがってしまう
「ストップ！今回の勝者はハート！」
……うそ……負けてしまった
でも、まだ4回チャンスはある！
「ヒロくん！集中して…頑張って……！」
もふくんの声にヒロさんはゆっくりとうなずいた
「ちょっとコツは掴んだ、多分いけるよ」
「それじゃあ次は僕の番だね」
「いくよ～スタート！」
ヒロさんがおしてる！
「っ……勝者ヒロ！」
ヒロさんは大差をつけて勝利した
やった！勝った！
「ありがとう、二人のおかげだよ」
「……次も頑張ってくださいね！」
「うん！」
「負けた……だけどハートは強いよ……？
それじゃあスタート！」
っ……！
スペードの言っている通り、ハートは強い！
さっきほどではないけど、ヒロさんをおしてる！
笑いながらやって……余裕がある
「勝者ハート！」
「クソッ！」
「フハハッ！勝った♪勝った♪」
「もうあとがないですね あとの2回、勝たなければ＿＿」
「｢心臓取られて死んじゃうよ？｣」
え？ 心臓を……取る？
ダメ……想像したら吐き気が……
「みんな固まっちゃったね！」
「固まっているひまはないですよ？」
「………」
「フフッそれじゃあ、スタート！」
お願い勝って！
誰も失いたくない……
「勝者ヒロ！」
ふぅ、とりあえず勝った……
「安心している場合ではない」
「次が本番、ラスト勝負」
「ねぇ、のあさんもふくん、俺が死んだら、みんなに……ううん、なんでもない
絶対勝つから見てて」
私ももふくんも、ゆっくりとうなずいた
「もう終わった？」
「ラスト勝負…スタート！」
勝って、勝って勝って！
私にできる事はヒロさんの勝利を願う事だけ
「のあさん、顔あげて
ヒロくんの願い、叶えよう？」
もふくん……
そうだ、ヒロくんは“絶対勝つから見てて”って言った
最後まで、ずっと見届ける 最後まで＿＿＿
「………勝者ヒロ……！」
そう聞こえた瞬間涙が溢れて止まらなかった
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