テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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マドレシスと18の厄災

第36話 - 第36話　例の戦い

2024年08月28日

#神話

#兄弟

#裏切り

#シリアス

#初投稿

伊琉夏

神々の王としての地位を確立したマドレシスの治世は、平穏無事であった。しかし、安寧の中に潜む暗い影が、徐々にその安定を脅かしていた。マドレシスが最も信頼していた者の一人、エリオスが、陰に隠れていた。エリオスの陰謀が、静かにだが確実に進行していたのである。エリオスは、マドレシスが神々の王としての権力を強化する中で、次第にその権力に不満を抱くようになっていた。彼は、マドレシスの指導の下での変化が、自らの力を脅かすものだと考え、秘密裏に計画を練っていた。エリオスの目には、神々の王座を奪取し、自らが新たな支配者となる姿が描かれていた。ある晩、神殿の広間が静寂に包まれていた。その時、神殿の周囲で神々の部隊が配置についている中で、突如として激しい震動が発生した。神殿の壁が揺れ、豪華な装飾が崩れ落ち、光が消え去った。混乱の中、神々の警備隊が敵の襲撃を受け、戦闘が始まった。エリオスの部隊が、精巧に計画された襲撃を開始した。彼の部隊は、高度な戦術を駆使し、神殿の防御を次々と突破していった。マドレシスは、自らの神殿が侵略されていることを知り、すぐにその場に駆けつけた。神殿の広間に到着したマドレシスは、エリオスの姿を目にした。エリオスは冷酷な笑みを浮かべ、周囲の混乱を楽しむかのように立っていた。マドレシスは怒りと驚きの入り混じった表情で、エリオスに向かって歩み寄った。

「エリオス、どうしてこんなことを？」マドレシスは深い声で問いかけた。

エリオスは、一歩前に出て、マドレシスを冷ややかに見つめた。「私の権力を奪うつもりだったあなたに、今こそその代償を支払ってもらう時が来た。神々の王は、私が引き継ぐのだ。」

マドレシスは、自らの怒りを抑えつつ、冷静に応じた。「エリオス、私たちは共に戦ってきた仲間だ。どうしてそのような裏切りを？」

「仲間など、手段に過ぎない。私の力を抑え、私を疎外し続けたあなたが許せない。」エリオスは鋭い言葉を投げかけながら、戦闘態勢に入った。エリオスの部隊とマドレシスの神殿の守護者たちとの戦闘が激化していく。神殿の広間は、激しい衝突と魔法の閃光で満ち、崩れ落ちる壁や天井の瓦礫が散乱していた。エリオスはその中で、冷酷に自らの計画を遂行し、次々と神殿の守護者たちを打ち倒していった。マドレシスもまた、エリオスに立ち向かうために全力を尽くした。彼は強大な力を持つ神々の王として、エリオスに対抗するために戦い続けた。しかし、エリオスの持つ計画と準備の巧妙さに、マドレシスは苦しむ場面もあった。戦闘が激化する中、マドレシスとエリオスの対決が最高潮に達する。マドレシスはエリオスとの激闘を続ける中で、彼の力と戦術の真の力を理解し、これまでの戦いを超えるために新たな戦術を試みる必要があると感じていた。エリオスは、自らの勝利を確信しながら、最後の力を振り絞ってマドレシスに攻撃を仕掛けた。しかし、マドレシスもまた、神々の王としての誇りと決意を胸に、全力で立ち向かい続けた。「エリオス、あなたの陰謀はここで終わらせる。」マドレシスは決意の込もった声で叫びながら、最後の力を振り絞って戦った。戦いの果てに、マドレシスはエリオスを打ち破り、彼の陰謀を阻止することに成功した。

戦闘の終息と共に、神殿の広間には静けさが戻った。マドレシスは、疲れきった体を引きずりながら、倒れたエリオスを見下ろした。その姿には、裏切りの悲しみと、戦いの果ての安堵が入り混じっていた。