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十一章 「ガオー」怖いか人間よ
コンコンっとドアが鳴る。
フィンランドさんはリモート会議中だ。
俺が出るしかないか。
暖かいドアノブを握った。
「宅急便です」
ドアを開けた瞬間冷気が肌に触れた。
シンプルな格好をした配達員がダンボールを持っていた。
「あっ、今ハンコ持ってきます…ね?」
「サインで大丈夫ですよ」
そうじゃん、そうじゃん!
外国にハンコ文化ないじゃん!
「す…すみません」
そう言いながら、ボールペンでサインした。
ドアを閉めて、荷物のラベルを見た。
日本語だ。
十勝が食べ物を送ってくれたようだ。
これは、フィンランドさんと美味しく頂こう。
荷物を机の上に置いた。
コンコンと狐のような音がドアから鳴る。
受動的にドアが開いて、長身の男性が入り込んでくる。
「フィンランドいるか〜」
俺は、咄嗟に玄関ドアの後ろに隠れた。
え!?何々?
俺は口に手を当てて息を殺した。
「いないのか?」
足音が遠くなる音がする。
「はぁー」
「なんてね!」
急に自分に影がかかる。
自分より大きい男性がそこにいた。
うっうわっぁぁっぁぁぁぁぁ!!!
「はぁぁぁ〜っ…」
心の中では叫んだはずなのに、口からは情けない声しか出なかった。
壁に背を預けて脱力する。
「あれ?フィンランド身長伸びた?」
「だっ!誰」
もう、何々!?
ガチャっと玄関ではないドアの開く音がする。
「スウェーデン、何しにきたんだ」
フィンランドさんの声がする。
安心する。
もう、何なんだよ。
「燻製ベーコン持って来た」
スウェーデンさんは我が物顔で敷地を跨いだ。
俺、ドン引き。
[間]
スウェーデンさんはご丁寧に靴を揃えて、俺の肩に手を当てた。
ビクッと体が反応して固まった。
頭から血が引く。
「フィンランド、コイツどうしたんだ?
見た感じお前よりフィンランドの化身ぽいぞ」
スウェーデンさんは、俺に興味深々みたいで、眼をギラギラっと輝かせている。
怖い。まるで獅子のようだ。
「スウェーデンそこまでにしてやれ。
北海道、怖がってる」
「コイツ、日本とこの子か!
しかも、北海道って激レアキャラじゃん」
スウェーデンはさらにギラギラっとさせて、顔を近づかせてくる。
肩に乗せた手は、両腕になった。
痛い。
「スウェーデンそこまでにしろ」
フィンランドさんがまた注意をする。
スウェーデンさんはやっと手を離した。
「北海道、俺はスウェーデン。北の獅子だぜ。ガオーってね!」
スウェーデンさんは顔の横でガオーっと虎の手を模したポーズをした。
「ところで、北海道はなんで急にフィンランドにきたんだ?どんな会議にも招待にも来ないって有名だろ」
初耳ですけど、何そのただの事実。
「その…外国の化身に慣れに切ったていうか。なんというか…」
「あぁ、それね。わかるよ。俺もPTSDくらいなった事ある。数100年は生きてるからな。俺も色々あるぞ」
彼は笑顔で、手で首を切るジェスチャーをした。
「コイツ、昔俺にPTSDもってたんだぜ。今じゃ、よく蹴られるけど」
スウェーデンさんは、フィンランドさんの腰を寄せた。
フィンランドさんはあからさまに嫌そうな顔して逸らした。
「お前だって、ロシア帝国にレイプされてただろう。あれはどうだったんだよ」
「あぁ゛?」
さっきまで笑顔だったスウェーデンさんは一瞬で怖いいやらしい顔になって、フィンランドさんの服に結構なシワになるくらい強い力で腰を寄せた。
「お前だって、俺に負けて下で鳴いてたじゃん。また下で泣かせてやろうか?」
フィンランドさんの顔を掴んで、フィンランドを嘲笑った。
わぁぁぁ、怖いよぉ、怖いよォォォォ。
外国に2人が歪みあってるよ。
しかも、とても、なんというか…うん、変な会話してるよぉ!
札幌助けて!
平和なそっちに戻りたいようぅ!
「うぅッツ…ンッ、うァァ…うわぁっぁ!」
嘘泣き!
俺ができる最大な解決策!
止めるでも、逃げるでもなく。
2人が止まってくれる、最大の策。
2人は俺のうわぁっぁ!に驚いて、スウェーデンさんはフィンランドさんの腰の手を、フィンランドさんは地味に踏んでいたスウェーデンの足をどけた。
スウェーデンさんは、咳払いをして優しい顔に戻った。
「とういう事で、俺らにも色々あるわけだ。
まぁ、だから、PTSDも場合によっては治るってわけだ」
スウェーデンさんはそこらにある椅子に腰をかけながら言った。
そして、眼を見って言われた。
「俺が怖いか?北海道」
怖いっすよ!
何この流れで行けると思ってんすか。
フィンランドさんへの態度で絶対元ヤン、北の獅子って何!
怖いよ!普通じゃないよ!
物騒!変態!セクハラ!
ロシア帝国!PTSD。
ワードがアウト!
だけど、
「こわく…ないデスゥゥlu」
言えません!
俺にはそんなことできません!
早く帰って!