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まだ日曜日の午前中だというのに身体が怠い。怠いと言うよりも程よい疲れと言った方がいいのか、隆ちゃんとの痛くて甘く蕩けそうな時間を堪能したその代償の疲れだ。むしろ幸せな怠さだ。 漫画でよくみる処女喪失シーンはそんなに痛く無さそうなのに、膜が破けるって……ゆっくりと私の中に入ってくる隆ちゃんの熱くて大きいモノがギチギチと少しずつ破っていくような痛み。けれど最後の一撃はそれはもう痛くて息をするのも難しかった。それでも痛みより嬉しい感情の方が大きくて二十八歳にして好きな人に処女を貰ってもらうなんて、リアルTL漫画みたいで、感動してしまった。
(こんな事言ったら隆ちゃんドン引きしちゃうだろうな……)
そして、やっぱり血は出ていて、新品のシーツに真っ赤な染みを作ってしまっていた。カンカンに晴れた日を今日ほど良かった〜と安堵した日はない。隆ちゃんと急いで手洗いである程度汚れを落とし、洗濯機に入れた。
三十分ほどで洗濯機からシーツを取り出しベランダに干す。引っ越しで一番最初に干した洗濯物が自分の血で汚れたシーツって……なんか笑える。
「初めて干した洗濯物がコレって笑えるな」
隆ちゃんも同じ事を思っていた事に思わず笑いが止まらない。
「隆ちゃんと私同じ事思ってたよ、本当笑えるよね」
二人で笑い合っていると私のお腹がグゥ〜と鳴った。ヤバイ! と思いお腹を押さえるがその行動が完全にお腹が鳴ったことを明確にしている事に後で気づいた。
「くくっ、そりゃあんだけ動いたし腹減るよな、っても何にも無いから外で食べて、帰りにスーパー寄ろう」
「そりゃもうペコペコですよ! 早く行こう!」
もう開き直ってお昼ご飯を求めてマンションを出た。車の助手席のドアを開けるとムワッと熱い空気が外へ逃げる。窓を全開にし空気を入れ替え、車がゆっくりと発進する。隆ちゃんの車に乗るのは二回目だ。慣れない彼の横顔は運転中だからか真剣な目つきで前を見ている。(いや、当たり前だよね)
ハンドルを持つ腕が意外と筋肉質で筋張っていて、外仕事とかなのかな? と思ってしまう。そしてその腕が凄く色っぽく見えてしまうのは濃厚な行為の後だからなのか、それとも嫁のエゴだろうか。
(てかなんの仕事してるのかも知らないってヤバイよね……夫婦になるのに)