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(困った……味がしない)
冷めているわけではないし、味付けも私が好きなものだ。美味しくないわけがないのに。口に運べば運ぶほど、食欲は失せていく。
目の前の先輩は、フォークを置いた私の様子に気付く様子もなく、いかに自分がいい男なのか、女性はどうあるべきかを語っている。
(一緒に食事をする相手によって、こんなに違うんだな)
今までの恋愛では、自分が美味しく食事をすることなんて重視していなかった。スタイル維持の為に、頼んでも半分は相手に食べてもらったりと、食事なんてどうでもよかったんだ。
花木さんは、そんな私の根本を矯正しようとしていた。私は、まんまとその策略にハマり、今虚しさを感じている。
けど、これから花木さんと食事を摂ることなんてない。どうで、これからはスムージー生活だ。美味しいなんてどうでもいい。
痩せて、キレイになって、私のことを大好きになってくれる人と、いつか──。
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