誰にも会ってはいけない

この物語はフィクションです。 実在の人物、団体、事件等には一切関係ありません また、本話には特定の犯罪に抵触する表記がありますが、犯罪を推奨するものでもありません。

　家は、玄関が面する細い私道と、先ほど部屋から見下ろしたやや広めの、それでも車はすれ違えないだろう幅の道路が接する角に建っていた。 　細い私道は、袋小路となっており、この家の奥側は左右に振り分けられるように三軒ずつ家が建っている。 　この家の玄関がどちらの方角を向いているのかはわからないが、先ほど二階から見た状況からすると、影たちは道路を、私道から出て右側に当たる方向へと移動したと考えられる。 　僕は私道と道路の角から鏡を差し出して左右を確認してから、そっと道路に出てみた。 　注意深くあたりを見渡すが、そこには住宅街が広がるばかりだ。 　どの家の玄関灯も室内の灯りも点けられてはおらず、オレンジがかった街灯だけが、不自然に＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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