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コメント
9件
こういう系まぢで好き🫶 、、欲を言うと、、ぺんとら見たぃ-
トラゾーさんがどんどん堕ちていく感じとかクロノアさんの重たい感じが物凄くすきですㅜㅜ
早起きしなきゃいけない深夜2時に唐突に浮かんだ私がよく書いてるような感じの話。 …あかん、似たり寄ったりのばっか書いとる…。 章タイトルも意味わからんし笑
※モブレ表現あり。
クロノアさんと付き合って数ヶ月。
だけど体の関係なし。
手を繋ぐとか、軽いキスくらいから全く進まない。
俺だって欲はあるし、好きな人には触って欲しいと思ってしまうのは間違ってるだろうか。
あの人にならに抱かれたいなと思って、羞恥心に堪えながらも色々準備だって勉強だってした。
けどいつも、軽いキス以上のことはしない。
どうしてとも聞けない俺は、虚しさを抱えて帰っていくクロノアさんを見送る。
泊まる時もあるけど大概は帰ってしまう。
「…こんなの、抱きたくないか…」
鏡に映る自分を見る。
どこにでもいそうな平凡な顔。
クロノアさんやぺいんとやしにがみさんと違って整った顔でもなく、目を引くような顔立ちじゃない。
特徴的なのは目の色くらいで。
黒髪なんて普通だ。
体格だってすごい筋肉ついてる!ってわけじゃないけどまぁ面白みはない体だ。
当然、男だから柔らかさはない。
「……嫌、だわな」
そう分かってるのに毎回会う度に期待して落胆してを繰り返していた。
まぁ、そんなある日出掛けたとき、それらしいホテルに入っていくクロノアさんと小柄な子を見かけた。
どうして、こっちの道に来ちゃったんだろうとか自己嫌悪しながらも、あぁやっぱりか、とすとんと感情がおさまった。
クロノアさんに連絡してみたけど、結局既読スルーされ返信が来たのは翌日の昼だった。
ごめん寝てた!
なんてありきたりな嘘の。
それでも好きで、触れて欲しいという僅かな想いが俺の心を引き止めていた。
あれを目撃して数日後クロノアさんが家に遊びに来た。
もしかしたらと今日こそは、なんて僅かな期待をして準備もして。
「それで、…?、あ、電話だ」
「あ、どうぞ。出ていいですよ」
「うん、ごめん」
そう言ってスマホを持ってリビングから出ていくクロノアさん。
相手がぺいんとやしにがみさんとかならそのまま出るのに。
「……」
疑心暗鬼になってる。
相手はあの時見た子だろうかと。
そっと耳を敧てて電話の会話を聞く。
ドア越しで少し離れたところで話してるのか部分的にしか聞き取ることしかできない。
『よかった、うん、うん…え?俺?……んー…トラゾー…、…無理かな…、…抱けそうにないや…』
それを聞いてしまって僅かな期待も打ち砕かれる。
こっちに戻ってくる足音がし慌てソファーに座る。
「ごめんね」
「い、いえ…お相手の方、大丈夫なんですか?大事な話だったら…」
「大丈夫だよ。トラゾーは気にしなくて」
「…」
隠された。
そこで何事もなかったかのように振る舞いつつ意を決して自分のことが抱けるかを聞いた。
「……クロノアさん?」
固まるクロノアさんに声をかけると、我に返ったように苦笑していた。
「あ、…うーん。…まだ早いんじゃないかな?それにほら、今はこうやって話すだけで俺は充分だし」
曖昧な返事と表情と嘘をつくときの癖を見てしまって泣きそうになる。
「(そういうこと、か)」
持ち前の切り返しで話題を切ってちょっとコンビニ行ってきますと嘘をついて外に出た。
クロノアさんも、夜中だから気をつけて早めに帰ってくるんだよとだけ言って俺を送り出した。
「っ…、ぅ…ッく…」
ぼろぼろ落ちる涙を拭いながら冷静を取り戻す為に、とぼとぼと普段歩かない場所を歩いていた。
だから、俯いていたせいで反対側から歩く二人組に気付かなくて肩がぶつかる。
「いってーな、」
「あ…すみません…」
「は?謝って済むと思ってんの?」
「オレら、気ぃ立ってんだよ」
ちょっとヤバそうな悪い人たちにぶつかってしまった。
内心舌打ちしながら、謝って早々に去ろうとしたら腕を掴まれる。
「あれー?おにーさん泣いてんの?」
「どうしたの?あ!もしかして彼女に振られた?……それとも、彼氏?」
びくりと俺の体が強張ったことに気付いた男の1人が口角を上げ掴んだ腕を引っ張ってきた。
「離っ…離せ…!!」
「じゃあ泣いてるおにーさんをオレらで慰めてあげるよ。おにーさんはオレらにぶつかった罪滅ぼしできるし」
「よく見れば可愛いー顔してるし、イイカラダだし」
ぞわっと鳥肌が立つ。
こいつら、まさか。
「嫌だっ、離せってば!」
2対1じゃ敵わない。
しかも俺の腕を掴む方は俺より体格のある男だ。
「やだ!!離ッ、ぅぐっ!!」
口を塞がれ振り解くことができないまま、人気のない裏路地のような場所に連れ込まれた。
夜中近い時間で人の通りの少ない道を歩いていたのが間違いだった。
「ぃやだ、やめろ、やめっ…っづぁ!!?」
中途半端に服を脱がされ無理矢理指を突っ込まれた。
男が自分本位に指を動かす。
「こいつやっぱコッチじゃん。ラッキー!うわっ!しかも準備してんのかめっちゃ柔らかっ…!」
それに気付いた男は自分のモノを取り出し、自分本位に突っ込んだ。
「っゔゔッ⁈」
「あ゛ー、超気持ちいいわ」
慣らしていたせいで痛みが全くなかったことが、余計に虚しさを助長していた。
こんな簡単に受け入れてしまうだなんて。
「ぅ、っ、ぐぁ…っ⁈」
「マジかよ⁈だったら早く変われって!ちょっと乱暴にしても大丈夫そーな身体してるし。オレもヤリてぇ」
「ってか、なんか筋肉のつき方エロッ。おっぱいあるし」
「雄っぱいだろ」
「すげぇ、揉めるじゃん!しかも乳首ピンク色だし」
なんて人の胸のことを好き勝手言いながら触ってくる男らの会話も聞きたくなかったし、不快感しかなかった。
嗚咽のように洩れる声を押さえて、別のことを考えて逃げるしかなかった。
「でもかわいそー」
「あー?このおにーさんが?」
「いや?おにーさんの彼氏。こんな健気でエッロいおにーさんのこと泣かせてさぁ。こんなに気持ちいいのにシてあげないとか」
カッと腹が立って男らを睨みつけた。
「ぉ、まえらに、ッ、なにが、わかんだ…っ!」
「だっておにーさん、ハジメテでしょ」
「っ!!」
「おいおいお前おにーさんの処女奪っちゃったのかよ!じゃ俺はセカンドってわけか」
「振られたんなら別にどうでもいいけどな」
「自己中〜!」
「泣いてるおにーさん探しにも来ねぇ酷い彼氏に処女あげられなくて残念だったね」
尊厳も、守ってきた大事にしてたもの全てが壊された気がした。
突き付けられる事実。
クロノアさんが、俺のことがホントに好きなのかということに。
「ぁ…」
そこから続けられる下品な会話は完全に他人事のように聞き流し、身と心が乖離したように自身にされる仕打ちを受け入れるしかなかった。
「(こんなことの為に、こんな奴らの為に恥ずかしさを承知で慣らしたわけじゃないのに…)」
交代しながら、俺のことなんてもう物扱いのように好きなように動く男ら。
「(気持ちの伴わない行為がこんなにも虚しくて気持ち悪いものなんて……そっか、俺はそれをクロノアさんに押し付けようとしてたんだな。…最低だ、俺。…付き合えたからって勝手に気持ちの悪い期待をして、そんなこと思ってないって分かって勝手に落胆して、裏切られたなんてお門違いなこと考えて。…こいつらの言った通り探しに来ないのがあの人の答えじゃないか)」
どのくらい経っただろうか。
満足したのか奴らはいつの間にかいなくなっていた。
長いこと好き勝手されたのか、いろんなところが痛い。
慣らしていたと言っても痛みはやっぱりあった。
痛む体を起こした時、後ろから太ももを伝うどっちのモノとも分からないくらいの白濁。
「……、」
俺が感じるのもおかしい喪失感に悲しくなって、虚しくなって。
「(ただただ気持ち悪かっただけだったな)」
ぼんやりと考えながら放心していると聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「トラゾー…!!」
「……」
今更来ても、と喉元まで出かかった思いは飲み込んだ。
こんなものをクロノアさんに言っていいわけない。
何も知らないこの人に、知らない男らに犯されてましたなんて。
「トラ、ゾー…っ⁈」
クロノアさんが俺の今の状態を見て目を見開く。
ただ、何されてたかなんて一目瞭然で、隠せるわけもなく。
「…は、ははッ、汚いでしょ。気持ち悪いもの見せてすみません」
「(そういや、写真とか撮られてなくてよかった。ホントに腹いせというか、発散したかっただけだったんだな)」
ドロドロでぐちゃぐちゃに乱れた服を整えて、中に出された不快感も我慢してフラフラしながら立ち上がる。
「トラッ…」
そんな状態でも、クロノアさんはその場に縫い付けられているかのように動かなかった。
まぁ妥当な反応だ。
男が男に、なんて。
そう思って自分のことを鼻で笑った。
「(こんな汚いことをクロノアさんにさせようとしてたんだ、俺は)」
「汚い俺なんかもう触れないですよね。…あぁ、いや…はなから触る気もなかったでしょうけど」
どのくらいあいつらにヤられてたのか分からない。
でも、そんなことされてるなんて知らないクロノアさんにとって戻ってこない俺のことなんてどうでもよかったのだろう。
「なに、言って…?」
「あなたと付き合ってもしかしたらなんて有りもしない幻想を勝手に抱いて、勝手に抱いてもらえるんじゃとか期待して……俺なんかより、やっぱり可愛くて小柄な人の方がクロノアさんにはお似合いですもんね」
俺なんかよりも。
「ちょ、ちょっと待っ…」
「ねぇクロノアさん別れましょうか」
狼狽するクロノアさんの横を通り過ぎる。
どういう意味での狼狽えかは分からないけど。
「汚れたなんて、男の俺に当てはまらないでしょうし、失うものなんて何もないのにね…でも、もうあなたといる資格なんて俺にはない」
今更奴らの言い当て妙の言葉に失笑する。
「待っ、待ってよ…!」
「クロノアさんは俺の部屋に荷物なにも置いてないでしょうから、そのままお帰りください。あ、鍵だけは返してくださいね。……とりあえず早く帰って体綺麗にしたいんで…」
真面目なクロノアさんはちゃんと施錠して出てきただろうと思って、手を差し出し鍵を渡すように促す。
「っ…、…」
渋るクロノアさんにそこでハッとした。
「…あぁ…ごめんなさい気が利かなくて。こんな汚い手になんか触りたくないですよね。そこに置いてください」
ちょうどあった台のような物を指差す。
「クロノアさん、鍵、出してください」
俺の硬い声に指差した台にクロノアさんはポケットから鍵を出して置いた。
それを手に取りポケットにしまう。
「クロノアさんも気をつけて帰ってくださいね」
「待って待ってよ、トラゾー俺の話を…」
声だけでの制止。
それほどまで俺に触りたくないんだ。
「じゃあ次からは、お友達として。さようならクロノアさん」
追いつかれないように必死で走った。
そんな心配しなくても足には自信があるから追いつかれないし、結果論クロノアさんは追ってこなかった。
「いらっしゃい」
「…お邪魔します」
俺の部屋を訪ねてきたのは暗い表情のしにがみさんだった。
確かぺいんととうまくいって幸せそうだってらっだぁさんから聞いたのだけど。
「お茶出しますよ。好きなとこにおかけください」
「ごめんなさいっ」
「え?」
立ったままのしにがみさんが急に頭を下げてきた。
「トラゾーさんとクロノアさんを別れさせてしまった原因は僕なんです」
「?……どういうこと?」
暖かいお茶をしにがみさんに出す。
とりあえずソファーに座るよう促した。
「あの時、トラゾーさんが見たクロノアさんとラブホに入っていったのは僕なんです」
「⁇」
確かに背格好はそっくりだったかもしれない。
「ぺいんとさんと次に進みたくて、でも1人じゃと思って…相談に乗ってくれたクロノアさんを半ば強制的に下見も兼ねて連れて行ったんです。…それに、っ」
泣きそうな顔をするしにがみさんにお茶を勧める。
「しにがみさんはなにも悪くない。悪いのは勝手に期待して勘違いして落胆して、知らない人らにいいように輪姦れた俺なんだから」
「違っ…!」
「遅かれ早かれ、別れることになってたと思いますよ。俺はクロノアさんに…まぁ抱かれたいなと思ってました。でも、あの人はそんな気全くなかったみたいですし、無理だって言われましたし」
「⁈、直接言われたんですか…⁈」
「?、いえ、誰かとの電話の会話を盗み聞いたものですけど…」
「それ、も…僕との会話です…っ、でも、あれはっ…あの内容は…ッ」
しにがみさんに手首を掴まれる。
「………もう終わったことです。それにね、しにがみさん」
「…?」
「俺、もう人に触られるの怖いんですよ。今だってしにがみさんに掴まれてるのも怖いのに、竦んで振り解くこともできない」
みっともなく震える俺の手。
振り払うことも怖くてできないくらい小刻みに。
「だからどのみちもう触ってもらえないんですよ」
「ご、め、んなさい…っ」
そっと離されるしにがみさんの華奢な手。
そんな彼に首を振る。
「赤の他人に触られて…汚された、なんて言い方もおかしいですけどクロノアさんって潔癖でしょ?そんな人が俺のこと触れるわけがない」
「トラゾーさん…ッ」
「しにがみさんが気に病むことなんてなに一つない。俺はぺいんとと幸せになってくれてるあなたを見れてよかったと心から思ってるんです」
「じゃあ、トラゾーさんは…?あなたは、いいんですか…?クロノアさんだって、まだ…」
「まだ?…矛盾した未練があるのは俺だけで、クロノアさんにはないと思いますけど。去る者追わずみたいなとこもありますし。現に何の連絡も来ないのが証拠です」
「っ、!」
「清々してるんじゃないんですかね。好きでもない、ましてや男とやっと別れられたって」
告白は俺からだった。
何もかも、俺からだった。
「…はいこの話は終わりです。とにかく俺はもう大丈夫ですから。他者との接触がちょっと怖くなっただけであとはなにも変わってませんし。まぁ、嫌だし仕方ないですけど薬飲んでるからだいぶマシになってます」
ね?と笑顔を作る。
きっと不格好な笑顔を向けてることだろう。
「僕にできることは…」
こんな顔させたかったわけじゃないのに。
「ぺいんとと幸せでいてくれること。…っあ!押し付けとかじゃないですよ!ホントに純粋に!」
「……トラゾーさんを犠牲にしてまで幸せになんかなりたくないです」
可愛い顔が歪む。
ぺいんとに知られたら俺怒られちゃうな。
しにがみさんのこと泣かせたって。
「…俺の犠牲なんてホントにちっぽけなものですよ。……うん、でも…そう、少しでも思ってくれるなら尚更ぺいんとと幸せでいて。そうしてくれたら、俺も救われます」
手は握ってあげられないけど、精一杯の笑顔を向けた。
「…………わかり、ました」
しばらくの沈黙のあと、しにがみさんは泣きながら頷いた。
「冷めちゃいましたね。お茶、淹れなおしますよ」
シンクに流したお茶と一緒に一滴だけ、自分の頬から伝う何かが流れていった。
クロノアさんと別れて(付き合っていたかも怪しいけど)はや3週間。
薬や嫌いな病院でのカウンセリングのおかげでだいぶ楽になってきた。
人とぶつかって過呼吸になることもなくなったし、急なスキンシップにもパニックになることも減った。
過呼吸だって自分で対処できるくらいにまでなったし。
「(無理矢理ヤられたってだけであんなダメージくるんだな)」
女性たちや数少なくても俺のように男が無理矢理な行為をされることがどれだけ恐ろしいものか。
怖くて気持ちの悪いものか。
一生忘れることはない。
トラウマとして記憶の中に刻み込まれている。
「(吐きそ)」
何も食べてないから空えずきする。
男らが愉しそうに笑っていた筋肉も俺からすれば衰えてしまった。
「薬飲まなきゃ…」
併用しても大丈夫ないろんな薬を出してもらって水で流し込む。
今日はみんなと顔を合わせてネタ会議をする日だった。
しにがみさんやぺいんとに大丈夫かと聞かれたけど平気だと答えた。
だいぶマシになったとはいえ接触恐怖症のことはみんなには説明してる。
しにがみさんは実際に見てるから、過度な触れ合いはしてこないだろう。
ぺいんとは案外そういうのはきちんとしてるし、クロノアさんはそもそも俺に触る気なんて微塵もないだろうし。
なんて考えながら会議室を開けた。
「え、あれ?らっだぁさん?」
青髪で赤マフラーの人が手を振った。
反射で手を軽く振り返す。
「トラやっほー」
「コラボ企画のこと言うのお前には忘れてたわ。悪ぃトラゾー…!」
ぺいんとが手を合わせて謝ってきたけど別に怒ってはない。
驚いただけだ。
「別にいいって。ぺいんとも忙しいんだし。…なんか最近俺らよくコラボしますね」
「こいつが俺のこと好きすぎるだけだろ」
「はぁ?ちっげーよバカ」
ぺいんとがらっだぁさんをジト目で睨んでいた。
「え、ぺいんとさん浮気…?」
それにワザと乗るしにがみさんが泣き真似をしてる。
「違うって!誤解を生むようなこと言うなし!」
「ぺいんと浮気はよくないぞ」
「おい!トラゾーまで!!」
らっだぁさんとクロノアさんの間しか空いてる席がなくてそこに座ろうとした。
「しにがみさんのこと泣かしたら肩パンすんぞ?」
「ちょおぃい!クロノアさんトラゾーのこと止めてくださいよ!」
ぴくりと肩が跳ねた。
「え?…あ、うん。肩パンはダメだよ。せめてデコピンくらいにしときな」
何事もなかったかのようなクロノアさんの声。
終わったことなんだ、俺とのことなんて。
好き(だったかは知らないけど)の反対は無関心って言うもんな。
「…リーダーの許可が出たから、泣かせたらデコピンな?」
大笑いしてるしにがみさんと半ギレのぺいんとを見て、このくだらないやり取りがおかしくて、つい自分も笑ってしまった。
なんて気を散らしてテーブルに置かれた紙に手を滑らせ座ろうとした椅子に座り損ねて転びそうになる。
「ぉわっ⁈」
「「あぶねッ!」」
両腕を掴まれて転ばずに済んだ。
けど次第に背筋にはしる悪寒と鳥肌。
不快感と恐怖心がごちゃ混ぜになったような感覚。
冷や汗が背中を伝って体温が下がっていく。
「ひッ⁈、ぃや、だ、…っ!!」
咄嗟にクロノアさんの方の腕を振り払った。
その拍子によろめいてらっだぁさんに寄りかかる。
「っと、大丈夫か⁈」
眩暈がする。
息も苦しい。
どうして、落ち着いてたのに。
背中を撫でるらっだぁさんの手と焦ってるけど落ち着いた声に次第に意識が遠退いていく。
遠退く寸前、クロノアさんの見開かれた翡翠が俺を見ていた。
「あれ」
目が覚めるとどこかの休憩室のようなとこに寝かされていた。
「俺…」
「起きた?」
「っ!!」
びくりと肩が跳ねた。
まだ好きなのに、最も聞きたくなかった声。
怖く思ってしまうのは、自分が汚れてしまったことでこの人に対して罪の意識を持ってるからなのだろうか。
「クロノアさん…」
「痛いとことかない?」
心配そうに俺を見るクロノアさん。
でもそれが全部、嘘に見えてしまう。
「あ、りませ、ん……ッ、ぁ、…」
胸が苦しい、息が浅くなる。
まずいと思った時には浅い呼吸を繰り返し始めた。
「⁈、っ、は…ふ、は、…っ、ヒュッ…!」
過呼吸を起こしてしまったのだ。
起き上がって体を丸めて、出来るだけ意識を逸らすように努めた。
息もゆっくり吐くように、自分の手を握り締めて。
こんな近い距離にクロノアさんがいて、怖い。
「は、はッ、ハ…っ、は…」
対処の仕方に慣れていたから少しずつ落ち着いていく。
それを無言で目を細めて見るクロノアさんから逃げなきゃと思った。
「っ、ひ…⁈」
「随分、細くなったね」
そう思っていたら手首をがっちりと掴まれる。
「前の時の方が俺好きなのに」
「やめ、いや…で、す…離して、くださ、…」
「ねぇらっだぁさんが平気で俺がダメってどういうことなの。トラゾーと恋人なの俺だろ」
「やだッ、いゃ、嫌ですっ!触らないでください!、離して!!」
手首を握られて吐きそうなくらいの不快感に襲われる。
「ぅ、ぐっ、ゔ…ッ」
「……ふぅん、そういう態度取るんだ」
聞いたことない低くて怒ったようなクロノアさんの声。
「…そういえば、俺と別れたつもりでいるんだっけ?トラゾーは」
「わ、別れた、でしょ…ッ⁈」
逸らそうとした顔は顎を掴まれて正面を向かされる。
「俺が、それ、許すと思う」
怒りで瞳孔が開いてる翡翠に見下ろされる。
「ひぐ、っ…⁈」
「接触恐怖症、俺が治してあげる。ほら、ショック療法ってあるでしょ?それでさ」
休憩室のベッドには柵があって、恐怖で動けない俺はあっという間にそこに縛られた。
「あと汚いって言ってるトラゾーのこと俺が綺麗にしてあげるよ。消毒?ってやつかな」
「やめ、て…くださ、い…クロノアさん、ごめんなさ…手を、振り払った、こと…謝り、ます…だから、触らな、いで…ッ」
「何で?恋人の身体触ることの何が悪いの?俺は自分の当然の権利を使おうとしてるだけだよ」
何が地雷だった?
手を振り払ったこと?
クロノアさんを拒絶したこと?
未練があること?
一方的に別れを告げたこと?
知らない男らに身体を許したこと?
勘違いしたこと?
勝手に期待して慣らしてたこと?
好きになってしまったこと?
「俺が、トラゾーにどんな感情持ってるか知らないよね?知るわけない。だってトラゾーのこと壊さないようにずーーーーーっと隠してたんだから」
「く、ろ…の…あ、さん…ッ⁇」
「俺の為にココ、慣らしてくれてたのも、誘おうとしてたのも知ってた。だけどずっと我慢してたのをすぐに食べちゃったら勿体無いだろ?……ま、取っときすぎで、掻っ攫われたけど。…けど安心して。あいつらはちゃんと然るべき罰を受けさせたから」
縛られる手がガタガタと震える。
一体、何をこの人は言っているんだ。
「俺気にしないよ。…だって、トラゾーにとってのハジメテは俺だもん」
ひゅっ、と喉から空気が抜ける音がした。
視界が暗くなっていく。
恐怖で失神しようとしてる。
こんなタイミングで防御反応が。
「みんなにはちゃんと仲直りして復縁したよって伝えとくから。トラゾーは何も心配せず今は休んでな?またちゃんと”話し合い”しよっか。……別れるなんてバカなこと二度と言わないように、トラゾーの身体に」
優しい表情なのに声は許さない、と怒っていた。
俺は息苦しさと恐怖で同じように失神した。
好きな物って、先に食べる?
あとに食べる?
俺はね、1番最後まで取っておいて味わって食べたいんだ。
だからトラゾーのこともずっと我慢して食べてあげるつもりだったんだけどちょっとした勘違いとすれ違いで、赤の他人に取られちゃった。
酷いよね?
俺のモノなのに好き勝手してさ。
あいつらのせいで、なんか承諾もしてないのに勝手に別れられるし、拒絶されるし。
だから、ちゃんと受けてもらったよ。
然るべき罰を。
二度とトラゾーの前には姿見せられないんじゃないかな?ははは。
あ、鍵はね、合鍵いっぱい持ってるから返してって言われた時もそのうちの一つを返しただけだよ。
んで、話戻るけど、悲しかったし、ムカつく?って言うのかな。
そりゃ、俺のせいでもあるけど恋人の手だけ振り払うのは酷いでしょ?
あれは傷付いたし、応えたなぁ…。
あの時はめちゃくちゃ腹が立ったけど、今はそこまで怒ってないよ。
俺が怖いこと全部忘れさせてあげるし、汚れたなら綺麗にしてあげるし、つらいの治してあげる。
だって恋人なんだから。
それに横取りされたとしても俺にとっては最初だし。
なのに、
「どうして怯えてるのかな?」
饒舌に語っていたクロノアさんが一歩ずつ近づいて来た。
あの時、休憩室で失神して目が覚めた時にはクロノアさんはいなくて、縛られていた手も何事もなかったかのように布団の中に入っていた。
まだふらつく足元で会議室に戻るとみんなの安堵した表情。
それは俺が起きてきたことに対するものと、クロノアさんの言った通りヨリを戻したことになっていたことに対するものだった。
違います、なんて言えなかったのはほんの少し残っていた未練が俺の口を閉ざさせていたのかもしれない。
それから数日経ってぼんやりと部屋で過ごしていたら、玄関の鍵が開く音がした。
セキュリティがきちんとできてるマンションのはずだから開けれるわけがない。
開けれるとしたら、ここの管理人か、鍵を持つクロノアさんだけ。
でも、クロノアさんから鍵は返されたから開けれるわけがない、そう思って恐る恐る玄関を覗くとちょうど靴を脱いでた当人と目が合った。
声にならない叫び声をあげて寝室に逃げ込んだ。
バカな俺は1番逃げ込んじゃいけない部屋に逃げてしまったのだ。
「自分から寝室に誘い込んでくれるんだね?それも勉強したおかげかな?」
「こ、来ないで、ください…っ」
「⁇、言ったでしょ。忘れさせてあげるって」
一歩また下がれば、一歩クロノアさんが近付く。
「綺麗にしてあげるって」
また下がると、近付かれる。
「治してあげるよって」
とん、とベッドに足を引っ掛けそのまま後ろに倒れた。
柔らかいマットのおかげで痛みはなくて、そんなことよりも倒れた俺を縫い付けるようにクロノアさんが覆い被さってきた。
「トラゾーって誘うの上手だね?ずっと我慢してきた甲斐があったよ」
「ひぅ…っ⁈」
内腿に当てられるのは、ズボンの上からでも分かるくらい反応してるクロノアさんのモノ。
「ねぇ、まだ俺のこと怖い?嫌?」
「くろ、の、あさ、ん…ッ」
震える手にクロノアさんが手が絡む。
「……ま、俺のすることは変わらないから、トラゾーが怖がっても嫌がってもやめないけどね」
「い…や…で、す…」
「嫌なのを治してあげるって言ってんだよ?今のトラゾーはおかしくなってるだけで俺が元に戻してあげる。トラゾー、俺の為にいっぱい準備してくれてたもんね?」
簡単に振り解けるはずなのに、出来ないくらい体が恐怖で動かない。
片手で俺の両手を押さえつけたクロノアさんが下を全部脱がした。
「片手じゃ不便だな……なにか…あ、いいものみっけ」
ベッド横のチェストの上に投げていたネクタイでガチガチに両手首を縛られる。
「これでよし、と」
両脚を持ち上げられ開かされる。
「このまま挿れていい?」
「む、り、っ、無理、です…ッ」
だって、準備なんてしてない。
慣らしてなんかもない。
「痛みも一種のショック療法だよね」
「ぇ……っ、──────〜〜〜ッッ!!?」
痛いなんてどころじゃない。
声が出せないほどの激痛。
「あれ?無理って言ってた割には入っちゃったよ?ほら」
「ひぎッ…⁈」
ずる、と抜きかけたかと思ったら奥まで突っ込まれる。
「ぃだ、ぃッ、や゛め、っ!」
「痛くても我慢して」
「は…ぇ゛、あ゛…ッ」
「…んー、と…この辺、かな」
「っ、っぁあ…ッ⁈」
浅い場所をクロノアさんの先端が抉る。
「ひ…ッ、ぁ、ゃぁ、あッ!」
「あ、勃ってきた。トラゾーってばM気質あるから多少痛みあってもと思ったけど…よかった」
「んぅぅッ!!?」
前立腺をグリグリと押されて、否が応でも反応する。
「ゃ!ぁ、んぁああッ!、やめ、やめへぇぇ…っ」
縛られた手でクロノアさんを押し返そうにも、出来なくて。
勃たされた自身からはダラダラと先走りが垂れていた。
「だぁめ」
「ッ、ぁ、んンンっ!」
「ははッ、可愛い顔」
痛みや恐怖や快楽やらで涙が止まらない。
何度も何度も前立腺を抉られて次第にお腹の奥の方がジンジンと疼き始める。
「ッ、♡?、ぁ、ぃや、やだッ♡⁇」
「どうしたの?気持ちよくなってきちゃった?」
「ちが、ちがぁっ♡…ひんッ♡」
「違わない。俺だから気持ちよくなってるんだよ。恋人からの触れ合い、気持ちいいだろ?」
「ふッ♡、あ、やん、ッ♡?、」
「ね?気持ちいいよね?」
「ぅ、あッ♡ひゃっ♡⁇」
ゆっくり、ゆっくり、抜き挿しされるクロノアさんのモノに痛かったナカが気持ちよくなってきていた。
「…そろそろいっか」
「へぁ゛…ッ♡♡!!?」
いきなり1番奥まで挿れられて、脳天がびりびりと痺れるくらいの快楽に襲われた。
「こんな快楽に弱いのに堕ちなくてよかったよ」
「だ…だめッ♡お、奥ッ、だめ、っ、ぁ♡⁇…ひんんんッ♡⁈」
ぐぷっとハマるような音が内側から聞こえて、頭が真っ白になる。
恐怖<快楽に頭が塗り替えようとしてる。
「ね、俺に触られるのまだ怖い?」
「こ…こゎい…っ♡」
「それって、気持ちよくなっちゃうから?」
「ちが、ぃ、ま、すッ♡」
「でも、自分で腰動かしてるじゃん。やっぱり俺とえっちなことできて嬉しいんだ♡」
「ひぁ、っ〜〜〜ッッ♡♡!!」
他人に触られたことなんて吹き飛ぶくらい、1番奥を責められる。
「ぁ、やッ♡と、ま…っ、とまって、ぇ…♡!、くぉのあ、ひゃ、♡ゃぁぁあッ♡♡」
「弱々なトラゾーバカ可愛い♡」
バカになりそうなくらいの痺れた感覚に、白濁とは違うモノを吹き出す。
「あっ、潮吹き?ハジメテで上手にできて偉いねぇ♡」
「はッぁん♡ゃ、ッや♡ひぅっ、ふあッッ♡♡」
「トラゾーのナカ気持ちいいよ。俺、今すげぇ幸せ♡」
「つ、♡ゃぁッ、ヒ、あぁ!ぅンンっ♡」
重たい抽挿に首が取れるくらい横に振る。
「お゛ぐ、ッ、ぃやぁぁ゛あっ♡♡」
自分でも触ってない場所。
誰にも触らせてなかった場所。
ばちゅっ!
どちゅんっ!
と耳を塞ぎたいくらいの湿った音。
「トラゾーは俺だけのモノだもん。やっぱムカつくはムカつくし。別れます、うん分かった、じゃあさよなら、はいさようなら、なんて俺が納得するわけないよね?大丈夫、これからはトラゾーがして欲しかったことたくさんしてあげる。きみの中に刻まれたトラウマなんてもの俺が塗り替えてあげるよ」
「ヅッ〜〜♡♡♡!!」
「毎日、毎日毎日毎日…慣らさなくてもよくなるくらい、トラゾーのこと犯てあげる。ね?いいでしょ?」
肩につくくらい脚を広げられて折り曲げられる。
体があんま柔らかくない俺は苦しさと痛みできゅっと後ろを締めてしまった。
「っ!、痛いのやっぱり好きなんだ?そっか、トラゾー体硬いもんね?この体勢きつくて気持ちいいんだ。覚えとくよ♡」
「ふ、ぃ゛ッ、あっ♡ぅ、ゃぁ゛ッ♡!」
「でもよく見えるでしょ。俺のがトラゾーのナカ犯してんの」
やらしい音を立てながら抜き挿しされる光景を目の前で見せられる。
「ほらトラゾーに酷いことして可哀想なことしてるの、俺だよ?」
抜かれた結腸をグリグリと押されて首が仰け反る。
「ふぁあ゛あぁあッ♡♡♡!!!!」
焼き切れそうなくらいの快楽。
あんなに怖い怖いって言ってたのに、薬も飲まなきゃダメだったのに。
「トラゾーは思い込みしすぎ。俺、汚いなんて言ってねぇし。そんなことで俺がトラゾーのこと嫌いになるわけないし」
「は、゛、んぅゔッ♡!!」
「自己肯定感低いから仕方ないけど…トラゾーからの告白だってめちゃくちゃ嬉しかったし、その場で押し倒さなかった俺すごくね?」
「っッ♡!、ひァア…っ♡」
「触られるのが怖いトラゾーの怯え方は可愛いけど、やっぱり嬉しそうにしてるトラゾーが見たいからなぁ俺」
対面に座る体勢になって、クロノアさんの根本まで埋まっていたのがもっと深く入る。
「___♡゛ッ、♡♡〜〜ッ゛゛♡!!」
「すげ、こんなとこまで飲み込んでるよ♡?」
お臍の少し上を押さえらクロノアさんの形を外から認識してしまって、また潮吹きした。
「んー、でもまだ震えてるね」
びくびくと跳ねる俺の肩を見てクロノアさんが眉を下げる。
「恐怖=気持ちいいことって、変えなきゃダメなのかな。ショック療法なんて荒療治だし」
とん、とん、と奥を抉られるように突かれ、その場所がじくじくと熱を持って疼く。
「く、ろ、のぁ、さぁ、ッ♡」
「ん?どうしたの?」
「ひど、く、し、て…っ♡」
忘れさせてくれるならもっと酷くしてほしい。
俺が汚くないって、ちゃんと証明してほしい。
「もっ、とッ♡、ひどく、だい、て、くださぃ…♡」
「……そう、いいんだ?」
残されていた未練が、完全に欲に負けた。
クロノアさんに抱いてもらえるという喜びと、快楽による悦びで。
縛られた両手首を引っ張られて、クロノアさんの端整な顔が近くなる。
「じゃあとりあえず挿れたままで今日はずっといようか」
「ひゃっあ♡」
「それにこの前集まった時のコラボの撮影日今日だからね。このままで実況頑張ろ?」
翡翠の目が細くなる。
「らっだぁさんの手ぇ振り払わず寄りかかって触らせたことは許してねぇから、俺」
抱き上げられクロノアさんにしがみつく。
嘘、俺のこと持ち上げたぞこの人。
「いっぱい触ってあげるよナカも外も。そうすれば接触恐怖症も治っちゃうでしょ」
恋人とえっちなことして治りました、なんて言ったら先生引くだろうな。
「ん?あれ、トラゾーのナカずっとびくびく震えてるからまだ俺のこと怖いのかな?もっと触ってあげなきゃ♡」
「ぁ、はッ♡」
「トラゾーのトラウマと症状を良くする為に、今日からいーーーっぱい、俺と、えっちなことしようね」
自分でしてた時なんかよりも何倍も、何百倍も気持ちがいい。
それをこれから、ずっとしてもらえる。
触ってもらえる。
もう落胆しなくて済む。
「する、っ♡、します♡♡」
「うん?もう俺のこと怖くないの?」
「こわい、からッ♡、もっと、して、ほし…♡」
「……ふはッ、元々我慢させてた俺のせいだしね?バカになるくらいしてあげる♡」
自分の中で、考え方というか、そういうものが塗り替えられていく。
「はぃッ♡」
怖いことは気持ちいいことだって、刷り込まれていく。
「さ、じゃあトラゾーはえっちな声出さないように実況頑張ろうね?俺は好き勝手しながら実況するから」
男らにされたことも、あんなに悪夢に見るくらいだったのに。
もうあんな気持ち悪い行為のことなんて消えていった。
恋人の力ってすげーんだな、とふわふわする頭で思った。