テラーノベル
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『………』
目を覚ました、ぼんやりと、今どうなっているか考えている
…
ゾーイは?
『ゾッ』
ゾーイを呼ぼうとした、痛い、腹部が痛い、ボロボロでチマミレの服を捲るとかなり濃く、大きなアザになっている
隣を見るとツヤツヤとした毛皮の馬、ゾーイだ…息もしている、少しホッとした
鞄の中身も無事…
『怪我は無いか?』
「一応…だが…何が起きたのか…」
『…そうか』
さっき、なのか怪しいがゾーイもあの時、あの強い光の時、一体何が起きたのか分からないらしい
綺麗な尻尾が焼けて短くなっている以外は…まぁ無事そうだ
しかし右手はあの光のせいか表面が焼け爛れている
…良く右手だけだったな
出来るだけ腹に力を入れないように注意しながら立つ
「.…乗らないのか?」
『少なくとも1週間は続く痛みだ、自主的に動いてさっさと慣れてしまえ早い』
「…そうか」
と、言っても激痛があちこちからするので苦痛でしかない
「やはり休憩した方が良いのでは?」
『….……そうする』
今後の事を考え休憩する事にした
だが痛い
ぐっ、と痛みで小さな呻き声を上げ細心の注意を払いながら木を背凭れにする
短剣を左手に握り締めいつでも攻撃出来るようにしてからようやく少しの安息を手に入れた
……まずは光を取り戻さなければならない
敵の目的は分からんが下手したら最高神様が弱ってしまう
…治癒に魔力を回したせいでかなり魔力量が減ってしまった
『…』
グゥゥウウウ
腹から音がなる、つまり腹が減った
『…まずいな』
臭いが違う、全く知らない場所、しかも森が魔力を求めれば森の周囲が枯れる…確実に実家より離れている……待てよ
此処は私達の縄張りではない
…
狩、出来ないのでは?
…
サッと、血の気が引くのを感じる
…此処一体の持ち主と連絡を取りたいところだが…
『…人間の気配が全くしないな、ゾーイは?』
スンッと軽く空中を嗅いでから首を横に振る
「森特有の臭いはするが人間らしい臭いは全くせん」
『…そうか』
許可無しに魔物を狩れば最悪殺されるし、基本的に狩った魔物は没収される
そうこう考えているとどんどん腹が減る
「…む?」
ゾーイが視線を動かしてピシリと、動きを止めた
『どうし…
冷んやりとした金属がコツンと首に当たる
剣だ
『…誰?』
何故、私は刃物を向けられている?
「/@:&¥:¥:;)):&//」
「…?」
正直私は古字とエルフ語しか分からんのだ
「…」
相手がしばらく黙った後、何か呪文を唱えた
「《これで理解出来るか?》」
『!』
(株)姫神V
566
140
咲希立花
52
珍しい魔法…いや魔術か?
「《…その様子だと理解出来る様だな》」
黄色の髪の毛、目は緑で…随分と硬そうな装備をしている
…にしてもこの男かなり鍛えてるな
だが正直な所私は刃物を向けられる筋合いは無い
『下げろ、攻撃するつもりは無い』
「《…はぁ》」
…おかしいな…何故この男は此処まで警戒心が高いのだろうか
「《一つのグループに近付き過ぎている、暗殺か?誰に…》」
『…?…』
一つのグループ?……まぁ確かに狩ってたら偶に人が居るからな、矢が当たったりでもしたら危険か。
そこでゾーイが何かに気付いたらしい
「…無臭…魔道具か、我が守護者よ」
魔道具……そんな臭いを消す…と言うか…そんな魔道具があるのか
『あぁ、なるほど…通りで…じゃあ、あの気配は魔物じゃなくて人間か』
「そのようだ」
『……はぁッーー…失敗したな、他所の決まりなんて知らんぞ』
そんな様子で目の前の会話を聞いていたのか男が言う
「《……何か暗殺目的では無いのを証明出来るか》」
『お、ようやく少しは話を聞く気になったか』
少し汚れた鞄の中身を全て出す
そして男がしばらく見た後、
「《すまない勘違いしていた………短剣じゃ殺せないからな》 」
短剣じゃ殺さない……護衛か?.…まぁ外の世界の護衛はどんな物が知らんが
『誤解が解けたのなら良い』
刃物を向けられたんだ、詫びを要求したい所だが此処では無礼になりかねん…そもそもルールを知らん私が悪いからな
…まぁ少し聞くくらいなら問題無いだろう
『そういえば聞きたい事があるんだが』
「《…あぁ、良いぞ》」
『此処で魔物は狩っても良いか?』
「…?…《やり過ぎなければ良いだろ??》」
…とりあえず良かったと言う所だろう
『そうか、ゾーイ行くぞ』
「あぁ」
「《いやいやいやいやいやいやいや》」
『?』
「《今っ更だが馬が喋るのは意味が分からないぞ!?》」
『母上が声帯いじってるからな』
「《それはそれで意味が分からないぞ…はっ!!!…すまない…少々干渉し過ぎた》」
……他と違うのか、意味が分からない…なるほど、言わない方が良いのか
それはそうとやはり母上は裁縫上手だな
『では私達は……ん?…』
遠くから何か大きな音がする、しかも空気中の揺らぎや気配で魔力を使われている
『ゾーイ、魔物同士が闘っているのか?血の匂いはどうだ?』
「ふむ……魔物同士なのは違いないが…」
「…?」
『それじゃあ離れた方が良いな、アンタも早めに退散した方が良いぞ』
「《.……あ…嗚呼》」
呆気に取られているその男に背を向け…あっ、そういえば…あの男、今までの会話…と言うより魔物の気配が人間なら……魔物の戦闘に巻き込まれるのでは?……まっ、私には関係無いか
バンッ!
投げた短剣が魔物の頭部を切り裂き魔物の後ろにあった木に突き刺さる
「食べていいか!?!!!!」
パタンと倒れた魔猪(角とか大きいだけでほぼ猪)を見てゾーイが大興奮している
余程腹が減っていたのだろう
『ゾーイが食べると全て無くなってしまうではないか、私の分を少し取る、食べるのはその後だ』
木に突き刺さった短剣を取ってからパパッと
魔猪の柔らかい部分を取る
『私は肉を焼かなければならん、そっちで先に済ませて…』
言い終わる前にもう食べ始めている
『全く……』
魔法を発動しようとしたがとある存在を思い出した
『…あっ精霊様』
精霊様、と言っても大三聖霊様の子供、つまり風の精霊
『……消滅してないと良いが…』
今加護を使ったら向こうの魔力を吸う事になる、基本的に魔力で出来ている精霊様…きっと今は実家の森の魔力が枯渇してるからかなりまずい状況の筈、下手したらこっちが殺しに行く様なものだ
軽く集めた枝に火を付けてもぐもぐと焼いた肉を食べる
『……硬いな』
当たり前と言えばそうだが魔猪、あんまり美味しくない
『…』
何と言うか……大体、少しだけ落ち着いたら……何と言うか……虚無、と言うべきなのか
何もしたくなくなる
皆の墓くらい作ってやりたかったな
……なんか、しにたくなってきたな
「アイリーン?」
『…悪い、少し気分が下がっていた…光を取り返さなからばならないのに…』
そうだ、聖霊様が弱ってしまうのは駄目だ、絶対に、必ず光を取り戻すのだ
まだ痛む首を軽く撫でてから決意を固めた
コメント
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うわっ第2話も読み終えたよ〜!😭✨ アイリーンとゾーイ、知らない場所に飛ばされてルールも分からずお腹ペコペコなのに、あの黄色い髪の男の人に剣向けられるシーンめっちゃハラハラした…!馬喋るって驚かれるのちょっと笑ったけどww 最後の「しにたくなってきた」の本音と「光を取り返す」って決意の切り替えが切なくて、でも強くて、エモすぎるよ…🥺💕