テラーノベル
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・・・誰かが泣いていた。
「お願い、すまないせんせい・・・!」
・・・頬に少しぬるい水が落ちる。
「・・・お兄様を、助けて・・・」
どうして泣いているの?なんでそんな悲しそうなの?
「・・・お兄様が・・・死んじゃう・・・!」
✵✵✵✵✵
すまない先生は、目を覚ますと花畑に座り込んでいた。
こんな綺麗な花畑なんて、最近は見た事ないのに、何故か見たことがある。すると、
『すまないさん』
ふと、そう呼ぶ声が聞こえた。顔を上げると、
緑色のフードから零れる白い髪に、美しい水色の瞳の少女と、
白い髪に、口元をスカーフで隠している水色の少年が立っていた。
『・・・君たちは、一体誰?』
そうこぼした途端、彼女は少し悲しそうに首を横に振り、笑う。
『・・・お願い、私達のことは思い出さないで。思い出してしまったら、あなたは、“あなた”じゃいれなくなる。』
と、悲しそうに言う彼女に、すまない先生は答えた。
『嫌だ』
そう言った途端、彼女達は驚いたように目を丸くした。
『・・・あんまり、覚えてない。けど、多分、昔の僕は、君たちのことを凄い大切だったのは覚えている。だから、僕は君たち忘れたくない。』
そう答えると、彼女は嬉しそうに笑い、涙をこぼした。少年も同じような表情をし、笑う。
『・・・お前は、変わらないな』
そう少年は笑う。すると、少女はすまない先生の手を取る。
とても優しく、暖かい手だった。
『・・・じゃあ、いつか会いに行く。何があっても、貴方の元に会いに行くよ。』
少女はそう微笑み、すまない先生の腕に緑色のハンカチをリボンのように巻く。
『じゃあな、すまない』
と、2人は光の射す方へ歩いていく。すまない先生は無意識に手を伸ばし、口を開いた。
『■■■、■■■』
コメント
3件
うへはん😢すまない先生が大好きだったライトとエウリやん…記憶が曖昧でも大好きだったことを覚えているなんて素敵すぎる… 私ももし大切な人が遠くへ行っちゃったらあ♡♡♡のかな…