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「ご馳走様、美味しかったよ。先にお風呂入っちゃって良いか?」


私よりも一歩先に食べ終えた晃一が言う。私は習慣的にそれを了承した。


夕食中に本当は良くないんだけど。まあ、他に誰もいないし……。


仕事用の白いスマートフォンを手に取り、彼の誕生日でロックを解除する。通知を押し、ダイレクトメッセージ画面に移る。そこにあった文章が、私の胸の奥で業火を上げた。いや、嬉しい。嬉しいのだが、なぜ今彼女からなのかという想いがあった。


『お久しぶりです。東雲弦です。明日、予定が空いてはいませんか。もし大丈夫でしたら、以下の住所に来てはくださいませんか。明日中であれば、いつでも構いません。よろしくお願いします。』





ため息と共に鳴らすインターホン。記載されていた住所にあったのは、廃墟じみた建物だった。どうやら、アパートらしい、信じ難いが。常識めいた人間にとっては、絶対に近づきたくも無いような場所であろうが、東雲弦を知っている身からすれば別だ。おそらくはここが……。


扉が開く。私の瞳を美しい黒髪の女性が奪う。


「どうぞ先輩。少し散らかっていますが入ってください」


そう言って私を促す彼女。しかし、そのという部屋は、もはや元の床であった部分があるのか分からないほどにゴミ袋で溢れている。これには思わず、笑顔を作るのも厳しく、引きつったものになってしまう。私はすぐに持ってきた不織布のマスクを二重にして着けた。


まるでどこかのギャンブラーさんの橋渡りのように、比較的安定して体重を預けられる僅かな細い足場を進んでいく。


ぐしゃり。

意外と見た目以上に臭いは酷くない。これらの袋に入れられているのは、大半が紙のようだ。今、踏んでしまった、その音でわかった。

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