「…………っおえ、げぇ……っ、ん、ふ……っ、げほ、」「おーよしよし、気持ち悪いな」
袋を広げてもらったら我慢なんてできなくて、全然消化されていない昼食が、ぼとぼととビニール袋の中に落ちていく。会社で、食べないのも上司に気を使うから、笑顔で無理やり飲み込んだ定食。頑張ったのにな。何してんだろ。吐きたくないなんて言いながら、嘔吐くのが止まらない。
「うみにゃ、ゆっくり息できる? しんどいだろうけど、また苦しくなるの嫌だろ」
俺しか見てないから、落ち着いてと囁かれて、だからそれが一番嫌なんだって、と思った。それでも、これ以上DDを困らせたくなかったから、ふう、一息ついてみる。飲み込みきれなかった唾液が、ビニール袋に吸い込まれて、袋の中で跳ねた。
「…………っも、ほんと、……ぅ、ごめん…………」
「いいって、気にしてないから。そんなことより、まだ吐きそう? ちょっとは落ち着いてきた?」
きもちわるいし胸は痛いし、座っているのだってしんどかったけれど、DDに安心して欲しくて、曖昧に頷いてみる。それなのに、ほんとか? そう顔を覗き込まれて、どきりとする。なんで、そんなに優しいの。
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