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やっぱりラブラブで軽快で愉快な、二人の会話は最高…😆👍❤️ いっぱい甘えて癒やし合って、美味しいものを食べて、お土産も買って…めいっぱい楽しんでね!👩❤️👨💕💕
「明日、色んな事は忘れて、まっさらな気持ちでお参りしよう。それで美味い物を食べて、たっぷりお土産を買って帰る。OK?」
「OKです!」
元気よく返事をした私は、ギューッと尊さんを抱き締めて「んふふ~」と笑う。
「なんだよ、甘えっ子」
「しゅき……」
「知ってるよ」
「最上級のしゅきぴすとですよ」
「俺なんてサンシャイン・エターナルラブだよ」
「ひひひひひ! 魔法少女ミコティ!」
「すね毛剃らないとな……」
「ツルツルじゃないですか。美ボディミコ」
「『世界で最も美しい脛100』に入るよう、努めております」
「ひひひひひ」
笑っていると、尊さんにギューッと抱き締められたあと、額にキスをされた。
「朱里が一番大好きだよ。こんなに愉快で可愛い女、他にいない」
そう言われ、今ならいつものように素直に受け入れられる気がした。
「尊さん、だーいすき」
「……なんか、エラ呼吸の小さな朱里を抱えて逃げなきゃいけない気がしてきた」
「んひひひひ……」
某アニメを思い出した私は、体をプルプル震わせて笑う。
「ずっと話してたいけど、そろそろ寝ないとな。明日、早いぞ」
「はぁい」
返事をした私は気持ちを切り替え、尊さんの手を握って目を閉じる。
きっともう大丈夫。
一つ乗り越えて私たちの絆はより深くなった。
自分に言い聞かせた私は、なるべく早く眠れるよう気持ちを落ち着かせた。
**
ピピピッ、ピピピッと音がし、私は「んぁ……」とうなって目を開ける。
昨晩は色々考え事をして、なかなか寝付けないと思っていたけれど、知らない間に寝ていたようだ。
「おはよ」
スマホのアラームを止めた尊さんは、ベッドの中で伸びをする。
「んー……、おはようございます……」
私も海老反りになって伸びをし、体を丸めてプルプルしたあと、大きく口を開けてあくびをする。
「……やっぱり猫っぽいな」
尊さんはニヤニヤ笑いながら、そんな私の姿を動画に収めている。
「やですよ、もう。乙女の寝起きを……」
「うちに帰ったらピアノ弾いてやるか? 『乙女の寝起き』って」
「やだもう。それ『乙女の祈り』じゃないですか。絶対変なアレンジするでしょ」
「ははは! バレたか」
尊さんは明るく笑ったあと、布団をはね除けて起き上がる。
「でも尊さんのピアノ、聴きたいな。コンクール優勝の実力者」
そう言うと、彼はTシャツを脱いだあと、少し含んだ目で私を見てくる。
「本気弾きはしない。本気になろうとすればするほど、自分の実力のなさを痛感する。……だから、楽しむだけでいいんだ」
「尊さんが楽しく弾けるなら、それでいいんですけどね。……でもアカリンピアノ協奏曲、いつか弾いてくれる?」
「それ、単なる『猫踏んじゃった』だろ」
「もー! 首席ピアニスト、ミコチッチ・シノミヤコフ」
「ロシア系か……」
尊さんは笑いながら洗面所に向かい、うがいをして顔を洗い始める。
私はカーテンを開けて朝を迎えた広島市を見下ろし、ラジオ体操のように体をひねって屈伸運動する。
少し体をほぐしたあと、私も洗面所に行って歯磨きと洗顔をし、基礎化粧品で肌を整えたあと、余計な油分をとってメイクをし始めた。
帰りはまた飛行機に乗るので、柔らかいイエローの、ノースリーブマキシ丈ワンピースを着て、その上に日焼け防止の白いサマーカーディガンを羽織った。
つばの広い帽子やサングラスも持ってきているし、日焼け対策はばっちりだ。
厳島神社は朝六時半から開いているらしく、ホテルの朝食ビュッフェも同じ時間からだ。
ビュッフェはさすが外資系ホテルなだけあり、メニューが豊富だ。
先に窓に向かったソファ席に案内されたあと、私は喜び勇んでトレーを手にした。