テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
2件
いやもう神。 なんか...ありがとうございます(?) いやぁ~ひびさんの書く作品は本当に神なんだよなぁ~ 最終回はどうなるんだー?! てことで続きが楽しみです! タイトルと最終回の伏線ええな.... ♡500失礼しました♪
優真side
火薬の香りが鼻にこびりついて取れない
鉄の香りと野太いうめき声が耳障りだ
ぎりぎりと弓を引き絞り放つ
よく驚かれるが僕は銃を使わない
別に使えないわけじゃない、ただ新しく覚えるのが億劫なだけだ
ずっとむかしから弓を扱ってきたから、銃よりもこっちのほうが勝率が高い
たったそれだけ
そう思うと、たくぱんさんって意外と器用だ
弓は銃みたいに早く飛ばない
だから敵地で暴れてるこむさんが避けることができる
仲間を撃つ心配がない
ただ、装填が遅いのがたまにキズ
ぐちゃりと足袋に染み込んだ返り血が音を立てる
久しぶりに卸したのにもったいないな
笠の縁を利用しておおよその距離を図る
こういうときに目立つこむさんのバンダナは非常に便利だ
気の抜けているとも言える音を立てて、遠く、遠くへと羽が飛んでいくのを見送った
刹那、背後に向けて抜刀する
肉を断ち切る感覚はしない
それどころか、刀の先を抑えられているような
振り返ると、剣先を抑えたじおるさんだった
ゆう「…何でしょうか?」
じお「あの…なぜ‥」
それは当たり前な疑問だった
いきなり現れて敵を一掃して
特にこちらにメリットもないのに
一体何なんだと、聞かないほうが不自然まである
ゆう「…さあ、そこんとこですけど、僕にもよくわかりません」
曖昧に返し、これ以上は話す意思はないと提示する
じお「でもッ、物事には必ず理由が…___」
それでも話しかけてくるのか
鈍感なのか、こちらを見透かしているのか
まぁおそらくは前者なんだろうな
何も答えないまま弓を引き絞る
雑念を払い、何も聞こえないふりをした
はるさん、元気かな
うたくん、無理してないかな
そんな思いは矢に乗って飛んでいき
雪降る戦場で
赤い花を咲かせた
ごんざれすside
大きな音とともに囲まれた戦況に穴が空いた
背のマフラーからの煙、そして巻き上げられた砂埃と血しぶきがあたりを染め上げる
兜で隠れた瞳が不穏に赤く光った
そこいら中で爆発音がなっていて
まるで暴走じゃないか?
僕は慌てて声を掛ける
ごん「想さん!落ち着いてください!!」
僕の声は届かない
上からピンクの塊が降ってきた
れい「助けに来たよ!ってうわわッ!」
威勢のいい声を張り上げ城壁に降り立つも危なっかしい姿
ふわふわと魔法使いのような格好をしていて
二人の姿はまるで真反対だ
つきのが懐から無線機を取り出す
連絡が来たらしい
正直僕は取り出す隙がない
つき「こちらつきの!城壁上なんだけどなんか麗さんと想さんがッってうわぁッッ!想さんッッ落ちついて!!」
そう言って無線機を放り投げたつきのに
麗さんが近場のロープを渡した
石を端にくくりつけたかと思ったら、そのまま回転させ投げる
遠心力で飛んでいった石は想さんの鎧に巻き付き固定された
れい「引っ張って!」
不意に投げかけられた言葉に従い、二人で力いっぱい引っ張る
すると最後と言わんばかりに大きな爆発音がなり、静かになった
重たい音を立てて想さんが土煙の中から引っ張り出された
そのぐったりとした姿はまるで死んでしまったようで
僕達は小さく息を呑んだ
あたりは僕ら以外誰も居ない、城壁に少し穴が空いているけど、
僕らに関してはほぼ無傷で終わった
れい「そーちゃん!薬だよ!」
そう言って取り出した金色に輝く小さな欠片
起死回生
とても高価な薬で、その回復力も異常
風の噂では死者さえも蘇らせたとか
想さんの口にねじ込もうと試行錯誤している麗さんを眺めていると
ふと、思い出した
起死回生はその強さゆえ、発動条件が難解だ
確か微量の魔力を流し込み、内部のエネルギーを一部だけ破壊して飲ませないといけない
そうでもしないと、高濃度のエネルギーに逆に命を奪われてしまうケースだってありえてしまう
更に話を面倒くさくさせるのがその脆さ
俺の生まれ故郷では起死回生の製造が盛んで、数年に1度か2度だけ聞く話。
少しでも欠けてしまうとそこからエネルギーが溢れ出て
辺り一帯がしばらく禁域になることもしばしばあったらしい
そんな起死回生を、魔力も込めずねじ込もうとしている
ごん「ッッ麗さん!?!?!?!?」
慌てて腕を引っ掴み既のところで止める
れい「え!?なになに!?!?」
つき「ごんざ急にどうしたんだよ…」
ごん「どうしたも何もコレ魔力込めてからじゃないと死ぬって!!」
説明すると納得してくれたようで
真っ青な顔をしながらゆっくりと慎重に魔力を込め始めた
本当にポンコツだが、魔力は一級品
込め方も間違い一つない、まるでお手本のような姿だ
そのまま口に含ませて、ゆっくりと嚥下したのを見届ける
想さんの顔色が戻ってきた
ふと空を見上げると、曇天の雲からひらりと一片の雪が降ってきた
空を、色とりどりの紐がついた矢が横切っていく
まるで流れ星のようなそれは、戦場に鈴の音を届けた
れい「ゆーまくんだ!戦争は終わりだよ!」
次回、最終回
『バトンパス』