第2話:好きとか、言えるわけない
視点:菊池 新(きくち あらた)
放課後の教室で、俺はスマホをいじりながら考えてた。
湊斗のことだ。あいつのことが、最近妙に気になって仕方ない。
「おい、新、どした?」
尚永が肩を叩く。ああ、そうだ、俺は最近ずっと湊斗のことばっかり考えてたんだ。
「なんでもねえよ。」
そう言ってしまったけど、自分でも嘘だとわかってる。
湊斗はいつも明るくて、皆の中心にいる。
俺もそんな彼のそばにいたい。でも、好きって言葉がどうしても口から出てこない。
「お前さ、気づいてんのか?湊斗のこと。」
尚永が意地悪く笑う。
「……わかってるよ。でも、言えないんだ。」
そう、好きだって言葉を言うのが怖い。
振られるのも、バカにされるのも、想像すると震えが止まらない。
「ま、焦んなよ。俺らにはまだ時間がある。」
尚永はそう言ったけど、俺の胸は焦っていた。
明日もまた、湊斗の隣にいられる保証なんてどこにもないから。
コメント
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BLサイコー!!!(殴