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junp_Sn-Fk.
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#二次創作
💛side
六月の終わり。
教室の窓を開けると、湿った風がカーテンを大きく揺らした。
黒板には大きく「席替え」の文字。
その瞬間、教室中が騒がしくなる。
💜「終わった」
隣で辰哉が机に突っ伏す。
💛「まだ決まってないだろ」
💜「絶対離れる」
💛「そうとも限らない」
💜「俺、こういう運だけ悪いんだよ」
そう言って大袈裟にため息をつく。
その姿がおかしくて笑ってしまった。
正直、俺も少しだけ嫌だった。
毎日隣にいるのが当たり前になりすぎていて、離れるなんて考えたこともなかったから。
先生がくじを配る。
一人ずつ番号を引き、席が決まっていく。
俺は窓際、一番後ろ。
辰哉は……。
💜「……前から二番目?」
教室の反対側。
一番遠い席だった。
辰哉は大げさなくらい肩を落とす。
💜「最悪」
💛「昼休みあるだろ」
💜「隣じゃないじゃん」
その一言が、胸に引っかかった。
そんなふうに思ってくれてたんだ。
少しだけ嬉しくなる自分がいた。
席が変わると、不思議なくらい教室が広く見えた。
授業中。
何気なく前を見る。
辰哉が振り返って、小さく手を振ってくる。
先生に見つからないように。
ほんの一瞬だけ。
俺も軽く手を上げる。
それだけで、少し安心した。
*
昼休みになると、辰哉は真っ先に俺の席まで来た。
💜「やっと昼だ」
💛「大げさ」
💜「照の隣じゃないと暇」
💛「友達作れよ」
💜「いるじゃん」
そう言って俺を指さす。
何も言い返せなかった。
たぶん俺も同じだったから。
💜side
席替えなんて嫌いだ。
今まで当たり前だったものを、勝手に変えられる。
朝、「おはよう」と言う距離も。
授業中に小声で話す時間も。
全部遠くなる。
……たかが席替えなのに。
こんなことで落ち込むなんて、自分でも笑える。
でも、照が遠い。
それだけで教室が少しつまらなくなった。
放課後。
照は昇降口で待っていた。
💛「帰るか」
💜「待っててくれた?」
💛「たまたま」
絶対嘘だ。
照は嘘が下手だからすぐ分かる。
💜「ありがと」
💛「だから、たまたまだって」
耳が少し赤い。
照れるくらいなら素直に言えばいいのに。
そんなところまで好きだった。
……まただ。
最近、この言葉ばかり浮かぶ。
好き。
違う。
親友だからだ。
そう思おうとしても、心が納得してくれない。
💛side
七月に入ると、校内は一気に夏らしくなった。
蝉の声。
冷房の効きすぎた教室。
体育終わりの汗の匂い。
昼休みに買うアイス。
どれも高校生らしい日常だった。
💜「照」
💛「ん?」
💜「夏祭り行かない?」
💛「誰と」
💜「俺と」
あまりにも自然に言われて、思わず固まる。
💜「……嫌?」
💛「いや」
嫌なわけがない。
💛「行く」
その一言で奏の表情がぱっと明るくなった。
💜「決まり」
嬉しそうに笑う。
その笑顔を見ているだけで、胸の奥が少しだけ苦しくなった。
最近、こんなことが増えた。
辰哉が笑う。
それだけで嬉しい。
辰哉が他のやつと話している。
それだけで少し落ち着かない。
こんな感情、今まで知らなかった。
帰り道。
夕焼けが街をオレンジ色に染めていた。
💜「照」
💛「ん?」
💜「来年も一緒に夏祭り行こうな」
来年。
その言葉が妙に心地よかった。
💛「今年行ってから決めろよ」
💜「いや、来年も」
💛「気が早いな」
💜「約束」
辰哉は右手の小指を差し出した。
子どもみたいだと思いながら、俺も小指を絡める。
💛「約束」
指先が触れる。
一瞬だけ。
それだけなのに、心臓がやけにうるさい。
夕焼けのせいだと思った。
夏の暑さのせいだと思った。
そう思いたかった。
でも、本当は違う。
その頃にはもう。
俺の中で辰哉は、誰よりも特別になり始めていた。
💜side
小指の温もりが、まだ残っている。
家に帰って手を洗っても、消えた気がしなかった。
照は気づいてない。
あの約束が、俺にとってどれだけ嬉しかったか。
来年。
再来年。
卒業しても。
大学生になっても。
社会人になっても。
そんな未来を想像するたび、その隣にはいつも照がいた。
この気持ちを恋と呼ぶには、もう十分だった。
ただ。
それを口にする勇気だけが、まだなかった。
コメント
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おお、第4話……いいですね。席替えで離れた距離感が、逆に互いの存在の大きさを浮き彫りにする構成、すごく好きです。特に「照の隣じゃないと暇」って冗談めかして言う辰哉くん、あれ本心だよねって分かるのが胸にくる。そして「来年も」の指切りで心臓がうるさくなる照くんの視点、夕焼けや夏の暑さのせいにしたくなる気持ち、すごく分かります。世界がどう成り立っているかより、二人の心の距離がどう変わっていくか、じっくり見守りたくなる回でした。次が気になります!