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日暮ミミ♪
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#溺愛
星キラリ

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楽地みどり
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付き合っている時から結婚生活終了までの数年の間に、私は女としての自信をすっかり失った。光田を通して会社の様子を聞き、元上司が戻ってくればいいと言っていると聞いた。とてもありがたかった。
そこで、苗字を戻して会社に戻ったけど、服も地味なものを好み、メイクも薄めにしてここまできた。バツイチで盛ってるとか思われたら恥ずかしいし、女を使って出戻ってきたとか噂が立つのも嫌だったから。その変な自意識が逆にお局感を強調してしまっているのかもしれない。
選択ミスを繰り返してここまできてしまった。
最初のミスはどれなんだろう?
実は、私には忘れられない人がいる。付き合ったわけでもない、ただ何故か忘れられない人。今でもふと考える。あの時の選択肢はどこへ向かっていたんだろうと。
大学生の時にフレンチ系創作レストランでホールのバイトをしていた。掛け持ちしていたバイトの一つだったが、卒業ギリギリまで続けていた。その四年生の時に新人として入ってきた、白田裕二くん。すごく背が高くて格好良い子だった。モデルの卵をやっているという彼は二つ歳下だったけど、彼と一緒のシフトの日は少し気分が華やいだ。もちろん彼氏がいたのであくまで後輩として可愛がっていたつもりだ。
しかし、彼の方はそうではなかったように思えた。確実に私に気があるそぶりを見せていた。そうなると、私も意識してくる。
冬に私の誕生日がきた。白田くんは手袋をプレゼントしてくれた。ブランドものだった。その約二週間後に彼の誕生日が来ることを知っていた私は、
「お返しは何がいい?」
と聞いた。すると彼は、思い切ったような顔で、
「わかってるでしょ」
と言った。
正直悩んだ。彼は二つ歳下、私の誕生日が先に来たので今だけ三つ下。今ならたいして何とも思わないが、二十二歳でその歳の差は大きく感じられた。結局、私はもう五年以上安定して付き合っている彼を捨てて、夢を持つ若者の胸に飛び込むことができなかった。
その結果、
「んー? なんだろ。考えておくね」
と誤魔化してしまった。
そこで結局彼は無理だと諦めてしまったのだろう。そうなった前後は忘れたが、最後に遊ぼうという事になり遊園地に行った。
たぶん私が振っておきながら、それでも最後に彼との思い出が欲しいと思い、誕生日のお返しがしたいとか言ったんだろう。そしてどちらかが遊園地デートを提案したのだろう。
しかし、大した盛り上がりもなくその日は終わった。少しがっかりしたけど仕方のないことだった。私の自己満足に白田君は付き合ってくれただけなんだ。私にとっては洋介以外の男の子と二人で出かけるなんて初めてのことだった。立派な浮気だ。そう、先に浮気をしたのは私。手も繋がずキスすらしていないけど、その日心は完全に白田くんに向いていた。
結局、彼とはそれっきりだ。
そして私は大学を卒業して、バイトも辞め、洋介との付き合いを続けた。
白田くんにもその後すぐに可愛い彼女ができたと人づてに聞いた。
もしここで違う選択をしていたら?
今でもたまに思い出す、少しだけ甘酸っぱい恋かどうかもわからない昔の話。
コメント
1件
ああ、読み終わりました…。白田くんの「わかってるでしょ」って言葉、すごく刺さりました。あの瞬間、主人公が選べなかったことの重みがじわじわと伝わってきて、胸が苦しくなりました。今の自分と向き合いながら「もしも」を考える主人公の心情が丁寧に描かれていて、本当に引き込まれました。この甘酸っぱくて切ない感覚、すごく好きです。次の展開が気になります!