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順当に1番最初に目が覚めたつぼ浦。スマホを弄りながら1時間近く青井が起きるのを待ったがぐっすり寝ていて全く起きる気配が無い。
「暇だな…起きるか。」
ぺいんの昨夜の言葉を思い出して何か作るかと意気込んだ。冷蔵庫を開けてブツブツ言いながら考える。
「もう昼飯か、二日酔いの時は味噌汁って言うよな。しじみとか無いけどいーだろ。んー和食、肉じゃが?いけるか…いけんだろ!サラダ的なのも作るか。」
謎の自信を満ち溢れさせて順調に作り進めていると青井が起きてきた。
「はよっす。」
「おはよ、寝すぎたごめん。何作ってんの?」
「なんか色々。俺って卵焼き作れると思う?」
「うわすご、これ全部作ったの?卵焼き…オムレツ作れたらいけるだろ、頑張れ。」
「おっしゃいくか!」
意気込みは充分だったが丸いフライパンで卵を巻いていくのに悪戦苦闘し、歪な形の卵焼きが完成した。
「うーん…これは卵焼きなのか?」
「料理は味だろ、美味しかったら成功だよ。」
「そうだ、アオセン一通り味見して。」
「お安い御用……うわうまぁ、全部めっちゃ美味いよ。」
「まぁまぁまぁ俺だからな、じゃあこれで完成と。皆起きるまで待つすか。」
自分が思っていたよりも料理の才能がありそうな事に気付いたつぼ浦。小さく歌いながら洗い物をしていると青井が後ろから抱きついてきた。
「おわっ!?あのーアオセン?」
「ちょっとだけ。つぼ浦補給したい。…はぁーあったかぁ…好き…」
ぎゅうぎゅう抱き締めてつぼ浦の肩に顔を埋めたり乗っけたりしている。
「動きにくいんだが。」
「置いといて良いよー後で俺がやるから。」
「それはそれで中途半端だろ。てか誰か起きたらどうするんすか。」
「まだ皆起きないだろ、ほらぐっすり。…んー良い匂い…」
「匂い嗅ぐな変態。……1人だけずりぃな。」
洗い物を終えて手を拭いてからクルリと回り抱きついた。お返しだ、とぎゅーっと力を込めてから青井を見るとにっこり微笑んでいる。
「なにまーた可愛い事して。誰か起きるかもって心配じゃなかったの?」
「…アオセンが悪い。」
「なんでよw…キスして良い?」
「ぇー…んんー…」
後ろを振り向いて寝ている面々のほうを見た。青井のほうに向き直したその顔を両手で包み込み撫でながら優しく口付けをする。
「…良いって言ってないんすけど。」
「だって顔がしてほしいって言ってたんだもん。その嬉しそうな顔も大好き。」
「嘘、そんな顔してねーし。」
文句を言いながらも俯いて抱きつく。と、後ろからゴソゴソと動く音が聞こえてきて慌てて離れた。
「えぇすごっ!これ全部つぼ浦が作ったの!?俺が昨日食べたいって言ったから?」
「全員の口に合うかは分かんねーすよ。」
「いただきます…うっっま!」
「味噌汁沁みるわぁうまぁ…」
「つぼさんギャップエグすぎだろ。」
どのおかずもみるみる内に減っていきあっという間に全ての皿が空になった。食器を片しながらつぼ浦は嬉しそうに、照れくさそうにはにかんでいる。
「あー仕事めんどくせぇー。今日ここの全員休みで良くね?」
「俺は出勤するよ。」
「キノコは真面目かよw」
「ちょいちょい、俺先輩なの忘れてない?」
「あ、らだお君後でちょっと報告ある。」
「はいよー。じゃあそろそろ解散するかー。」
まだもうちょっと、と言い出した一同を急かして見送った後、片付けていると青井が話し出した。
「そうだつぼ浦、ちょっとお願いというか約束してほしい事があるんだけど。」
「約束?なんすか?」
「酒飲むのは俺と一緒にいる時だけにしてほしい。」
「なんで?…あー、昨日はちょっと飲みすぎただけすよ。家だし。」
「いや危なっかしくて心配なのもあるけど、あんなエロくて可愛い顔他の誰かに見られたくないからさ。」
「…は?」
動きがピタッと止まり拍子抜けした声を出したと思ったら、後ずさりながらどんどん顔が赤くなっていく。
「な、に言ってんの?そんな顔してねーよ!//」
「言い方悪かったか、目だけね。サングラスしてたから皆は、というか俺も外すまで気付かなかったよ。」
「そうか…いやそうかじゃねぇよ、んな顔してねーって!」
「無意識なのは分かってるよ、だから俺といる時だけにしてほしいってお願い…ん?つまりいつもは自分がどれだけえっちな顔してるか分かってるって事?」
「はあぁぁ!?!?んな訳ねーだろーが!!///」
耳まで真っ赤にしながら大声を上げてリビングを飛び出した。少しそっとしておくかと青井は片付けを済ませてからつぼ浦の部屋に向かった。