テラーノベル
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インターホンが鳴って玄関扉を開ける
「よ、おつかれ」
「おつかれさま、上がって」
「うん」
ソファに座る翔太に水を渡して隣に座る
「お、さんきゅ」
「うん、……翔太」
「んー?」
「ごめん、俺、勘違いしてた」
「あぁ、涼太に聞いたの。早かったね」
「うん、今日会ったから。ほんとごめん」
「ふは笑 なんでそんなこと思ってたんだか」
呆れながらも軽やかに笑う
「翔太は、あの4人のこと知ってたの?」
「んーまぁね、興味ないけど涼太以外みんな話してくるから」
「俺、全然知らなくて。その話が少し聞こえたから、そういう感じなんだと思ってた……」
「あ〜なるほどね」
そう言って水を飲む翔太はさして興味なさげだ
でもこうなったらもう言うしかないと腹を括る
「翔太。俺さ、翔太のこと好きになっちゃったんだよ。だから嫌だったんだ、他の人も関係持ってるかもしれないのが」
ぴくっと僅かに翔太の眉が動いて、こちらを向く
「………いつから?」
「え?」
「いつから好きだったの?」
「正確には分からないけど、ほんとに好きだなって思うようになったのは1年くらいだと思う」
何かを探るような目つきが少し居心地が悪い
「じゃあ、いつから俺の相手はお前だけじゃないと思ってた?」
「それは翔太と関係持つよりも前」
「へぇ、だから?手出したんだ」
「……ごめん。当時はむしろ、だったら俺でもいいじゃんって思ってたから」
「ふぅん………」
翔太は黙ったまんま俺のことをじっと見ている
なんとなく喋ってはいけないような気がして、翔太が話し出すのを待つ
それはとても長い時間に感じた
「俺はさ」
「うん」
「最初っから好きだったよ」
「………え?」
「じゃなきゃ抱かれるわけないじゃん」
「ほんと……?」
「嘘ついてどうすんの」
「そうだけど」
「抱かれるのは阿部ちゃんが初めてだったし、阿部ちゃん以外には抱かれたことはない」
「…初めて」
「んで、今後も阿部ちゃん以外に抱かれるつもりはないけど?」
「え、それはめちゃくちゃ嬉しい」
ふ、と笑う顔はやっぱりこの人の方が年上だし、中身も大人だなと感じさせる
「阿部ちゃんの方こそどうなの?」
「え?」
「だって、1年くらいなんだろ?それより前に他の奴とやったんじゃないの?」
「え、それはない」
「即答するじゃん笑」
「翔太以外にその気にならなかったもん」
「………お前それさぁ……まぁいいや」
「え?なに?」
「頭は良いはずなのになぁ笑」
「ちょっと!なに?教えてよ」
「やだ、教えてやんない。俺を疑った罰だ」
「うっ!それ言われたら何も言えない……」
悔しがる俺に翔太は優美に笑う
「それで、俺にどうして欲しいの?」
「ちゃんと恋人になってください」
「いーよ」
「ありがとう、抱きしめていい?」
「ん」
体をこちらに向けてくれた翔太を正面から抱きしめる
「ふふふ」
「なに?」
「なんでもねぇよ」
よく分からないけど、その笑い声が嬉しそうで満足気で、聞いたことのない音色が俺の心を踊らせる
「阿部ちゃん」
「なに?」
体を離して顔を覗き込むと、見たことがないくらい、幸せそうな笑顔がそこにはあった
「キスして?」
「うん」
唇を重ねながら、今まで翔太にされたキスのおねだりが次々と思い出されて、パズルのピースがかちりとはまる
(もしかして…)
「翔太、俺“も“キスして?」
「……………ふは笑 気づくの遅せぇよ」
文句を言いながらも可愛い顔で笑い、翔太からキスをしてくれる
翔太の“キスして”は“好きだよ”なのだ
行為中にやたらとキスをねだっていたのは、ずっと好きを伝えてくれていたのだ
「ねぇ翔太、抱きたい」
「いいよ、抱いて。……ちゃんと愛して?」
かくして恋人としての初めての夜は、今までと比べようもないくらいに、声も仕草も視線も、何もかもが甘くて甘くて
翔太に一気に深いところまで引き摺り込まれた
そこからはもう俺は、翔太のこと以外がどうでもよくなるくらいには溺れている
「ほぇ〜、そんなんやったんや」
「そ、バカでしょ俺」
「いやまぁ、うーん。恋愛って当事者は色んなことが見えへんくなるもんやん」
「バカを否定はしないと」
「ちゃんと気づいて謝ったんやったらいいやん」
「そうか〜」
そして康二に爆弾を投下された
「てか、阿部ちゃんそれさぁ、最初からずっと、しょっぴーのこと好きやったんちゃうん?」
「え?」
「だって、だったら俺でもいいんじゃんってなって、しょっぴーを抱いたんやろ?それって、他のメンバーに抱かれてるかもって思ってイラついたんとちゃうん?」
「…………………………うわぁ…………そうかも、まじか。………え、これさ、翔太は」
「気付いてるやろな〜」
「はっず!うわ、これか、翔太が言ってたのは」
「まぁまぁ、きっとそんなところもしょっぴーは好きなんやと思うで?」
頭を抱えた俺の肩をぽんぽんと優しく叩いて慰めてくれる
これは相当恥ずかしいけど、帰ったらようやく分かったと翔太に言うしかない
そしたらきっとめちゃくちゃ嬉しそうな顔が見れる
散々馬鹿にされるだろうけど、それと引き換えにでも俺はその笑顔が見たいのだ
コメント
4件
ベタ惚れ阿部ちゃん💚よき。 内容少し違うからこっち消されるのさみしい。
