テラーノベル
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兄弟パロ
年齢は公式通りです
桃 鬱病患ってます
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赤side
朝5時半
いつものアラーム音で目が覚めゆっくり起き上がる。
トイレや洗顔を済ませリビングへ向かうと桃ちゃんがソファーに座っていた。
普段は見ることの無い光景で少し動揺しながらも桃ちゃんの傍にそっと座りいつも通りの声色で声を掛けた。
赤『桃ちゃんおはよ!寝れなかった?』
桃『…ぅん、』
いつもと変わったのは朝からソファーに座っていることだけで顔色も気力もいつもと変わらず最悪そう
桃ちゃんは強気そうに見えてストレスを抱えやすい子。
高校生活でのトラブルが重なって1ヶ月前に鬱病と診断された。
学校は桃ちゃんのペースで良いと伝え最近はお休みしてるため平日は部屋に篭っているんだけど、今日は体育祭で担任に誘われたらしく登校するために起きてきたみたい。
起きてきたというよりかは目元のくまを見る感じ一睡もできなかったのかな。
赤『桃ちゃん今日行けそう?本当に大丈夫?』
桃『……大丈夫、』
強がりなのはやっぱり変わらない、
本人が頑張ると決めたのなら俺は応援するしかないか。
桃ちゃんと一緒にホットミルクを飲んで一息ついてから俺はみんな分の朝ごはんを作る。
ごはんを作ってる間も桃ちゃんはソファーに座ってぼーっとテレビではないどこかを見つめてるだけ。
パンが焼けるのを待っていると階段を降りる騒がしい声が聞こえてきた。
青『ねぇ!赤にぃ桃くんが居ないんだけど!?…って居た!』
来ました桃くん大好き青ちゃん。
病にかかる前も後も桃くんのことが誰よりも大好きでお互いが信頼を置いてる関係。
歳が近いのもあるのかも。
青『桃くんおはよ!』
桃『…はよ、』
青『今日体育祭僕と同じ白組だよ!』
桃『そっか、』
青ちゃんと桃くんが同じ組で一安心、何かあれば青ちゃんのこと頼れるしね。
赤『ほら、ごはん食べちゃいな』
ごはんを食べ始めた2人を見て橙くんと黄ちゃんのことを起こしにリビングを後にした。
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リビングへ帰ってくると既に支度をし終わった桃青が玄関へ向かっている。
赤『桃ちゃんなんかあったら保健室行ってね?』
桃『…わかってる、』
青『僕がいるから大丈夫だよ!』
赤『桃ちゃんのこと宜しくね青ちゃん』
青『まかせて!いこ!桃くん!』
元気いっぱいな青ちゃんに連れられて桃くんも家を出る。
楽しめますように。
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桃side
体育祭なんて本当は来たくなかった。
先生に体育祭ぐらいは出て欲しいと頼まれて了承してしまったが故に登校したが練習なんか参加したことないため全て自分の席で見学。
傍から見たら普段学校来ないのにこーいう特別な日にだけ来るサボり魔だと思われても仕方ない状況な訳で今すぐにでも家へ帰りたいと心が叫んでいる。
青『桃くん大丈夫?』
桃『大丈夫だよ笑』
先生が気を使って俺の隣を青にしてくれたのは嬉しいが青の周りには沢山陽キャが集まる。
青に少しでも迷惑をかけないように沢山無理して笑って話を合わせてなんとか過ごしていると最後の種目になった。
青『桃くん!行ってくるねー!』
桃『いってら!頑張れ!』
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そんなこんなで体育祭が終わり青と一緒に家に着くと俺は電池が切れたように眠りについていたらしい。
気が付くとソファーにいてブランケットをかけられていた。
窓際を見るとすっかり暗くなっていて夜だと知る。
桃『…、』
赤『ぁ、桃ちゃんおはよ』
赤『よく寝てたね』
桃『…』
赤『悪夢は見なかった?』
桃『…うん、』
赤『そっか、良かった!』
赤にぃがせっかく声をかけてくれてるのに元気に返事できない俺は最低な奴、ちゃんと分かってるのに。
それでも赤にぃは優しい表情で俺の頭を撫でてくれた。
赤『ごはん食べる?』
俺寝てたのに準備してくれたんだ、
ちゃんと食べなきゃ。
控えめに頷くとぱぁと笑顔になってキッチンへ向かう赤にぃ
暫くしてからゆっくり立ち上がりテーブルに向かうと赤にぃが作ってくれたハンバーグがあった
さっきまでソファーで寝てたせいで眠気が全くこない。
今日も寝れないのかな。
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ベッドの中でぼーっとしてるとこんこんっとドアの方で音がした。
ドアをノックして入ってきたのは青だった。
青『桃くん!今日勝ててよかったね』
青『また学校来れる日あったら来てね!』
『僕待ってるから!』と笑顔で俺の部屋から去っていく青を見て負の感情が湧いてくる。
青は所謂陽キャだ。俺とは違う。
人付き合いも上手くて色んな人に好かれ愛される。
体育祭中俺に構う青に救われたことは事実だが、本当はほっといて欲しかった。
青の周りに居るやつらは皆俺の事を軽蔑してるに違いない。
青はこんなに出来がいいのに俺はこんなに出来が悪い。
無愛想な奴だと噂されたのはいつからだろう。
周りからの目線に怯えるようになったのはいつからだろう。
さっきから自己嫌悪からの涙が止まらない。
あぁ、しにたい。
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次の日。
赤side
橙『俺も休みたい!桃ちゃんだけずるい!』
赤『桃ちゃんは昨日頑張って疲れちゃったんだよ』
橙『なんで桃ちゃん座ってただけやったのに偉いって褒めるん!』
赤『桃ちゃんは疲れやすい病気なの知ってるでしょー?』
橙『甘やかしすぎやって!』
橙『夕飯だって桃ちゃんが好きなハンバーグやったやん!俺カレーが良かったのに!』
青『橙くん!うるさい!』
青『桃くんに聞こえちゃうじゃん!』
どっちの意見も尊重できてしまう。
桃ちゃんばかりに気を使って他の子達のことを上手く構えなかった俺の問題か、と後悔がとまらない。
青『桃くんは桃くんなりに頑張ってるの!』
橙『でも!』
俺はどう声をかけていいのか分からず2人をぎゅっと抱きしめた。
赤『ごめんね。2人とも。』
赤『青ちゃん桃くんのことわかっててくれてありがとうね。』
そう伝えるとちょっと気まずそうに「今日朝練だから、」と青ちゃんは家を出ていってしまった。
橙『…ッ』
赤『橙くんも頑張ってるもんね。最近お話聞けなくてごめんね、明日お休みだから橙くんが頑張ってること沢山教えてほしいな、?』
橙『ぐすっ、桃ちゃんが頑張るのしんどいことなんか知っとるもんッ…』
赤『そうだね、橙くん知ってるもんね』
橙『桃ちゃんに謝らあかん、ッ』
赤『えらいね、でも学校遅刻しちゃうから帰ってきてから謝ってあげて?俺伝えとくからさ』
橙『わかった…、』
赤『えらいね、えらいよ、』
ぎゅっと抱きしてめて頭を撫でると涙が止まってきたのかそっと俺から離れてリュックを背負う橙くん
橙『行ってきます、』
赤『行ってらっしゃい。頑張ってね!』
橙『おん…!』
橙くんを見送り終わって、さっきから物音が聞こえる部屋へ向かった。
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桃side
昨日の夜気分が下がってからはやっぱり寝れなくて、30分程寝てはすぐ起きてを繰り返していると朝になってしまった。
ドタバタと青達が準備する音が聞こえる。
昨日の疲労からか体が鎖に繋がれてるように重く起き上がる気力すら湧かない。
ぼーっとしてると微かに橙の叫び声が聞こえた。
俺の事がずるく感じるらしい。
家族全員へ迷惑をかけている自覚はある。
俺のせいで赤にぃは通信制の大学に変えた。
俺のせいで兄弟達は赤にぃに甘えられない。
俺が、居なければ、
俺が、俺がしんでれば。
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桃『はぁっ、はっ、』
しにたい。
その一感情で埋め尽くされる。
棚に置いてある写真も表彰状も全部全部落として踏み潰した。
机の奥から閉まっておいたカッターを取り出し刃を出す。
腕も、足も、首も、感情のままに傷付けているとノックもなしにドアが勢いよく開いた。
赤『桃!!』
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赤side
さっきまで物音が聞こえてたのに急に静かになって嫌な予感が俺の脳をよぎる。
急いで階段を駆け上がり桃ちゃんの部屋のドアを開けるとそこには荒れ果てた部屋と傷だらけな桃ちゃん。
赤『桃!!』
桃『はぁっ、はっ、ッ、』
俺の声にびくっと体を震わせる桃。
こんな状態になったのは精神科へ連れていくと決めた日以来だった。
赤『桃ちゃん、落ち着いて』
赤『カッターちょうだい?』
桃『俺邪魔なんだよ、死んだ方がいいッ』
赤『そんなことないよ。桃ちゃんは必要だから、』
桃『はぁッ、嘘だッ!』
赤『嘘じゃないよ。桃くんのこと大切だと思ってる。』
桃『俺の事甘やかすなよッ!!嫌いッ!俺も赤にぃも!!』
極度な興奮状態に至ってる今は、俺の言葉は本心に届かず、桃くんの言葉も本心ではないとお医者さんに言われたことがある。
桃『ぅ゛ぁぁッ!』
カッターを落として頭を抱えた桃くんを慌てて抱きしめる。
俺の方がお兄ちゃんだけど桃くんの方がふたまわりほど大きく抱きしめて落ち着かせるのも一苦労。
昔は俺の方が大きかったのに、と、こんな画面でしみじみしてる俺はマヌケ者だろうか。
赤『桃、大丈夫だから。』
赤『桃ちゃんのことみんな嫌いなんかじゃないよ。』
桃『ぐすッ、ぅ゛う、ッ』
赤『大丈夫大丈夫、苦しいね、』
赤『ほら、深呼吸して?』
桃ちゃんの背中を擦りながら一緒に深呼吸をしていると荒くなった呼吸もだんだん落ち着いてきて俺の声がちゃんと届くようになってくれた。
赤『落ち着けて偉いね』
桃『甘やかすなってッ、偉くない』
赤『甘やかしちゃダメなの?』
桃『だって、橙が…、』
赤『それは橙達の面倒見きれてなかった俺が悪いの。』
赤『桃ちゃんは何も悪くないんだよ』
赤『申し訳なく思う事なんて1つもない。』
桃『…でも、』
この荒れ果てた部屋に居てもどんどん気持ちが曇っちゃうだけか、と思った俺はずっと不安げな桃くんをリビングに連れていった。
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赤『ほら、ソファー座って?』
桃『…、』
すっかり黙り込んでしまった桃くんをソファーに座らせて救急箱を取りに行く。
赤『手当するからじっとしててね?』
血を拭き取ってからガーゼを当てて包帯を巻いていく。
桃ちゃんの腕や足に包帯を巻くことは少なくないから慣れてるんだ。
慣れたくなんかなかったけど、。
赤『キツくない?』
桃『…、』
ゆっくり頷いた桃くんを優しく撫でて準備してあった朝ごはんを運んであげた。
赤『全部食べれなくていいからね』
そう伝えて洗濯物や洗い物をしに桃ちゃんの後から離れた。
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家事が一通り終わりソファーでぼーっとしてる桃くんの横に座る。
赤『桃ちゃん橙がね、』
橙って名前を聞いた途端びくっと驚いて俺の目を見る桃ちゃん。
赤『橙くん謝ってたよ。桃くんを傷付けちゃったって。』
赤『また帰ってきたら謝りたいって言ってたからお話してあげてくれる?』
桃『…こくっ、』
赤『いいこ、桃ちゃんはえらいね』
撫でてあげると朝の言動が嘘のようにぽろぽろと涙を流す桃ちゃん。
赤『休めて偉いんだよ、いつも頑張ってるからね』
よしよーし、と頭を撫でて抱きしめていると泣きながら眠りについてしまった。
桃くんにブランケットをかけて、夕飯の支度をしようと傍を離れた。
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『ただいまー!』
カレーを煮込んでいると元気な声が玄関の方から聞こえてきた。
一番乗りに帰ってきたのは末っ子の黄ちゃんと4男の橙くん。
赤『2人ともおかえり!』
黄『赤にぃただいまです!』
赤『黄ちゃんおかえり!今日も頑張ったね!』
橙『…、』
赤『橙くんもおかえり!頑張ったね』
橙『…ただいま、』
橙くんはまだまだ気分は浮かなそう。
黄『いい匂い!カレーですか?』
赤『そうだよ!黄ちゃんと橙くんが好きなキーマカレーだよ~!』
今まで我慢させてごめんねの気持ちも込めて今日は橙くんと黄くんが好きなカレーにしてあげた。
橙『も、ももにぃは、どこにおる、?』
赤『ソファーに座ってるよ』
にこっと微笑んで伝えると意を決してソファーへ進む橙くんを見守る。
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桃side
いつも通りソファーでぼーっとしているとあっという間に皆が帰ってくる時間になってしまった。
いつもは部屋に戻るけど自分が荒らしに荒らした部屋に戻るには気が引けてなんとなくソファーに座る。
橙と黄が帰ってきたのかキッチンの方が騒がしい。
あまり興味も気力も沸かずぼーっとしてると目の前に橙が来ていた。
橙『も、ももちゃん、』
桃『…ッ』
橙『その、ッ、ごめんなさいっ、!!』
橙『俺羨ましく思うてん、赤にぃに構ってもらえてる桃にぃが。』
橙『桃ちゃんのことだいすきなんや!ほんまやで!』
ぽろぽろと涙を流しながら謝ってくる橙。
桃『おれもッ、ごめッ、』
橙の涙を見ていると自然と涙が出てきてしまう。
橙『なんで桃ちゃんが謝んねん!俺が悪いんよ!』
橙『ぐすっ、俺の事許してくれる、?』
桃『うん、ッ』
2人でぼろぼろ泣いているとドアの方からドタドタと足音が聞こえてきた。
青『ただいま!ってどうしたの!?なんで泣いてるの!?また喧嘩!?』
赤『喧嘩じゃないよ笑、仲直りしてるの』
青『そっかぁ、、なら良かった!』
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青『桃くん今日調子良いの?ソファーに居るなんて珍しいね』
ごはんを食べ終わって風呂も入り終わってもまだソファーに居る俺に違和感を覚えたのか青が声をかけてきた。
桃『ちょっと、自分の部屋に居たくなくてさ』
青『へー、じゃあ僕と寝よ!』
桃『はぁ、?、もう高校生だぞ』
青『えー!いいじゃん!前は一緒に寝てたんだし!』
青の我儘に甘え結局は了承してしまった。
青には救われてばかり。
青『これからも桃くんずっと一緒だからね』
桃『おう、』
ずっと閉じれなかったはずの瞼が閉じてそっと夢に落ちた。
コメント
8件
お久しぶりです😌感動して涙が出ました😭
兄弟パロでこういうお話中々見つけられなくていい作品に出会えてなかったので今日見れてほんとしあわせです🥹♡
みんなあったかくて最高でした😭😭