テラーノベル
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あらすじ
眠れば、人生は終わらない。
人間が眠ると、身体は休息し、意識は巨大な共有基盤「マインドネット」へ移る。
そこでは勉強も、仕事も、ゲームも、友人との交流もできる。
さらに人々は眠っている間、自分の意識の一部を「マインドシェア」として提供する。
集められたマインドは巨大な処理能力となり、天候予測や研究、仮想現実など、世界中のさまざまな仕組みを支えていた。
「人生を実質1.3倍にできる」
そんな暮らしが当たり前になった時代。
しかし、眠ってもマインドネットへ現れない少数の人々がいた。
彼らは「ノンマインド」と呼ばれている。
久瀬トウマ、十九歳。
彼もまたノンマインドの一人だった。
マインドシェアができず、マインドネットにも接続できない。
それだけで周囲から避けられ、何か問題が起これば疑われる。
だがトウマには、普通の人間にはないほど高いマインドプログラム能力があった。
学生時代の彼は、その能力で立入禁止領域へ侵入し、ボディユニットの安全制限まで書き換える問題児ハッカーだった。
できるから、やる。
それがトウマだった。
そんな彼の生き方は、一人の少女のボディユニットが暴走したことで変わり始める。
正規の対応を待っていては間に合わない。
トウマは無許可で侵入し、自分の技術で彼女を助ける。
危険だと嫌われてきた能力が、初めて誰かを救った。
やがて仲間が増え、トウマは侵入や改造の技術を、事故の阻止や修復、人命を守るために使うようになる。
人々はそんな者を「セーフハッカー」と呼び始める。
一方で、ノンマインドについて奇妙な事実も見つかっていく。
本当に彼らは、マインドネットへ接続できないのか。
なぜ一部のノンマインドは、アドミンすら上回るマインドプログラム能力を持つのか。
そしてトウマは、自分の意思で意識の行き先を選び、マインドネットへ入れることに気づく。
ノンマインドは、マインドが欠けている人間ではないのかもしれない。
世界中の意識を受け入れている巨大な生体「マインドボディ」に異常が起きたとき、正規の経路では誰も原因へたどり着けなくなる。
そこへ向かえるのは、決められた入口を必要としないトウマだけ。
嫌われてきたノンマインド。
恐れられてきたハッカー。
その二つを抱えた少年が、自分の能力を何のために使うのかを選んでいく。
これは、社会から「できない」と決めつけられた少年が、
誰にもできない方法で人を助けるセーフハッカーになる物語。
コメント
1件
「眠れば人生が終わらない」ってフレーズ、すごく好きです…🌙 社会に「できない」って決めつけられたノンマインドの少年が、嫌われた能力で誰かを救う…その構図がもう胸にくる。普通に生きられないことが、逆に誰にもできない方法で人を助ける力になるんだなって。 ハッカーとしての罪と正義の狭間でトウマがどう選択していくのか、続きすごく気になります。あと、マインドボディの異常って何だろう…SF設定が丁寧で引き込まれました。セーフハッカーという言葉がとてもかっこいいです。素敵な世界観をありがとうございます🤍