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普通だと思ってた。
親がいない事以外は。
お兄ちゃんたちとは仲が悪くても、
ご飯もお腹いっぱい食べれるし、
お風呂も入れていた。
だから、あまり気にしないようにしていた。
なんなら、なんでかは分からないけどお兄ちゃんたちのことは好きだった。
小学校に入ったばかりの頃は、
仲が良い友達もいた。
学校は楽しかった。
莉犬にとって、1番楽しい時間で、1番楽しい場所だった。
でも、裏切られた。
ある日を境に、クラスのみんなから無視された。
教科書も破られたりした。
上履きも、体操着も隠さりたりした。
仲が良かった友達に、
「ねぇ、急に、どうしたの?
オレたち、友達だよね?」
って聞いた。
そしたら、
「そんなわけないじゃん笑
お前ん家、親いないし、
喋り方とか、色々きもちわるいんだよ」
そう言われた。
ショックで言葉も涙も出なかった。
そこから、地獄の日々が始まった。
クラスのみんなから殴られたり、蹴られたり、
給食をこぼされたり、とにかくなんでもされた。
先生に相談しても、相手にしてもらえなかった。
知らないフリをされた。
見て見ぬフリされた。
悔しかった。
だから、お兄ちゃん達に相談した。
「助けて」ってお願いした。
お兄ちゃん(家族)達なら、なんとかしてくれるだろう。って、
最初から最後まで話した。
聞こえてきた言葉は、
「ふーん、だから何?」
「お前そんな弱くないだろ、我慢しろ」
「そんなことで相談してくんな」
「めんどくさい」
「助けるわけないじゃん笑」
こんな言葉ばかりだった。
初めて人を恨んだ。
嫌いになった。大嫌いになった。
少し前まで、お兄ちゃんたちは、自分のことを大切にしてくれている、愛してくれている。
そう思っていた。
能天気すぎた。
でも、恨んじゃいけないひとを恨んでしまった。嫌いになってしまった。
毎日毎日、日記にお兄ちゃんたちの愚痴を書いた。
ストレス発散してた。
すぐにバレたよ。
この時のオレは、本当に馬鹿だった。
バレてからは、
オレへの態度も酷くなった。
家から出されたこともあった。
ご飯を食べさせてくれないこともあった。
毎日作り笑いして生きてきた。
笑ってたら、ほんの少しだけ、楽だった。
いつか、心から笑いたい。
これが莉犬のたった1つの願いだった。