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将来の夢は”ヒーロー”だった
困ってる人を助ける、そんなヒーロー
だから、誰かがいじめられてるのを見て、すぐに助けに行った
考えるより先に動く
それがヒーローでしょ?
助けた子に”ありがとう”と言われた
やっぱり感謝の言葉を言われるとうれしい
これで、ヒーローに一歩近づけたかな
助けた子…スマイル君は”無能力者”だと言った
だから、自分は生きてちゃいけないんだって
そんなの間違ってる
だから、僕はスマイル君を守ると約束した
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スマイルside
それから、きんとき君は毎日
僕と遊んでくれた
公園が僕達の遊び場所
きんとき君は雨の日も風の日も会いに来てくれた
周りから嫌な噂をされても、僕の隣にいてくれた
すごく、嬉しかった
…でも、そんな日々は長続きしなかった
ある日、いじめっ子の1人が中学生の兄を連れてきた
この地域では有名な不良集団に入っているらしく、そいつらで小学生だった僕を殴ってきた
いたい、いたい、いたい…
いくら泣いてもそいつらは手を止めない
助けて、誰か助けて…きんとき君…
そう思い、公園の入り口を見ると
きんとき君がこちらを見ていた
“助けて”ときんとき君に手を伸ばしたが
…きんとき君はその場から立ち去ってしまった
どうして?守ってくれるんじゃなかったの?助けてくれないの?
…どうして?
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スマイル君が不良集団に殴られていた
助けに行かなくちゃ
そう思っても、足が動かない
体が震える
…スマイル君と目が合った
助けてと言っているようだった
…でも、僕は逃げた
怖くて、怖くて…逃げてしまった
次の日、公園に行くと
包帯だらけのスマイル君がいた
…僕のせいだ。僕のせいでスマイル君は…
スマイル君にそっと近づいた
スマイル(幼少期)「あ、きんとき君…」
拒絶されるのが怖かった
守ると言ったのに、約束を守れなかった
スマイル(幼少期)「会いに来てくれたの?まだ僕と、友達で…」
だから僕は能力を使った
“もう一つの”能力「記憶消去」
スマイル(幼少期)「…ぇ?」
ごめんね…スマイル君…
それから、俺は遠い町に引っ越した
スマイルに会うのが怖かった
俺を思い出してしまうのが怖かった
…だから、逃げた
でも、高校でスマイルと再開した
スマイルもあの町から引っ越したようだった
…運命だと思った
だって、たまたま高校が一緒になったんだから
俺は頼れる仲間に出会い、俺自身も血を吐くような努力をして今じゃ一級だ
スマイルが覚えていなくても、俺は 償いをしたい。
あの日の約束を今度こそ守るんだ
たとえ、俺が犠牲になろうとも
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