???「し、雫さん!」???「どうしたんだい?海音。」
???「そ、その……やりたいことがあって……」
???「ふふっ、君も自分の意思表示をちゃんとできるようになってきたね。良いことだ。」
ここは、雫の家。あれから海音は雫の家で生活するようになった。家事をしながら少しずつ雫から神通力と妖術を学び、心の療養をしながら日々を過ごしていた。
雫「それで何がしたいんだい?」
海音「そ、その……雨花と橙と桃時と兎白と瑠璃兄と一緒にキャンプファイヤーしたくて……」
雫「キャンプファイヤーかぁ……良いね良いね。どうせなら私の弟子たちも混ぜてやるかい?無理にとはもちろん言わないよ!」
海音「人数が多い方が楽しそうですし、構いません!」
雫「じゃあ早速みんなに伝えよう。」
雫は、神通力を使って雨花たちを呼んだのだった。
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???「キャンプファイヤー?海音ちゃんの発案?行く行く!!」
???「突然思考が送られてきてびっくりしました。」
???「こんな大人数に伝えられるなんてさすが雫さんね……」
ここは、冥府。たまたま「桃時」は「紫雲雨花」と「不山橙」を話をしていて、その最中、雫から思考が送られてきたのだった。
桃時「アタシたちに送ったってことは、兎白たちにも今頃行ってるかしらね?」
橙「きっとそうだと想いますよ。雨花さん雫さんに思考を送って……」
雨花「もうやったよ!」
桃時「はや」
橙「さすが雨花さん。うふふ」
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みんな仕事を終え、開催場所の雫の修行場で弟子たちが丸太を並べて立てる。
雫「ここに置いてくれ。そうそう。」
雫が指示を出す。
雨花「なんだかお師匠様。張り切ってるね!」
橙「海音さんが自分から意思表示してくれたことが本当に嬉しかったですよ。きっと。」
桃時「なんか雫さんの弟子が全部やっちゃってくれてるからアタシたちすることないわね。」
雨花「あとは兎白くんと瑠璃くんもやってくれてるし……」
兎白も瑠璃人も一生懸命丸太を持っていって立てている。
橙「女子にはさせられないって兎白さんが言ったんですし気にすることないかと……」
???「あの……」
雨花「あら?海音ちゃん!どうしたの?」
橙「この子が海音さんですか?」
桃時「随分と綺麗な髪……!」
話しかけてきたのは、海音だった。
海音「私が言い出しっぺなのに……良いのかな……何もしなくて……」
桃時「兎白本人が言ったことなんだし、気にしなくて良いわよ。それにアタシだって平気で休んでるし……」
雨花「海音ちゃんは優しいね。大丈夫だよ。わたしたちここでみてるからもし兎白くんたちが手伝いが必要になりそうだったらすぐ行くから!だから大丈夫だよ。」
橙「それに行ってもどうせ手伝わせてくれないかと……ふふっ」
海音「そ、そうか。分かった」
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とうとう丸太が組み終わった。
雫の弟子たちもはしゃぎ始めた。
瑠璃兄「ふぅ……終わった終わった。」
海音「うわぁ……かっこいい……」
瑠璃人「お前がそんなこと言うなんて珍しいな。そりゃあオレの弟d……」
海音「とっても大きくて太い木で、立派だなぁ……」
瑠璃人「あぁそっちね……はは。」
炎をつける役を誰にするか雫は考えあぐねる。そして……
雫「橙。やってもらえるかい?」
橙「え!?私ですか?」
橙は、何故自分なのか不思議そうにしている時、桃時と瑠璃人はこう考えていた。
桃時「(だって橙って……)」
瑠璃人「(大体怒る時……)」
「「炎を撒き散らすから炎のイメージすごいんだもの・だもの」」
雨花「橙ちゃんの炎綺麗だから橙ちゃんが灯してくれた方がきっと優しい炎になるよ!」
橙「そ、そうですか?じゃあやりましょうかね?」
桃時・瑠璃人「(雨花ナイス!)」
橙「では、付けますよ!」
橙が手をかざすと、炎が丸太へと着火した。
雫の弟子たちがワイワイ踊り始める。
海音はその炎をずっとみつめていた。
???「君が海音っていう子?」
海音「え?はい……」
海音に話しかけてきたのは、雫の弟子だった。
???「そうなんだ。隣座って良い?」
海音「えぇ……どうぞ……」
突然、急に話しかけれてとてもびっくりしたが、何とかそれを誤魔化す。
???「おれ小春って言うんだ。海音ちゃんのことは何となくだけど知ってるよ。おれたちの間でも結構噂になってるから。あぁ変な意味じゃないよ。雫さんの弟子で女の子になったのは雨花さんだけだったから。新しく女の子が入ってきて目立ってるってだけ。」
海音「私は弟子って言えるほど、まだ何も学んでない。弟子じゃない。」
小春「でも仲間が増えて嬉しいんだ!」
小春は優しく笑う。
海音「(なんかほんの少し雨花に似てる……)」
小春は質問してきた。
小春「何で海音ちゃんはキャンプファイヤーしたかったの?」
海音はしばらく黙ったが、呟くように話し出した。
海音「ずっと勉強してて、勉強に関係ないことはやったことなくて、ずっと憧れてたの。こういうみんなにとっての当たり前の行事。当たり前のこと。」
小春「……そっか。」
小春はすると、優しく言った。
小春「じゃあ今までできなかったこと……これからやってこうよ。少しずつ、今日みたいに!おれももっと海音ちゃんと一緒にいたいし!へへっ!」
海音「!」
「おーい!小春〜!」と誰かが小春を呼んでいる。
小春「おっ行かなきゃ!じゃあね!海音ちゃん!」
小春は呼ばれた方に行った。
海音「…………」
海音の顔が赤いのは、果たして炎によるものだろうか……それとも────
その様子をニヤニヤみつめる神の少女がいた。
「ムフフ……小春くん中々やるじゃん……」
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「お前……お前がいるせいで……おれはみんなから幻滅される!!みんなから失望されるんだ!!お前のせいで!!」
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「雨花さん?何ニヤニヤしてるんです?」と言われて少女は「何でもないよ〜」と言いながら声の方へ行ったのだった。
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