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目を覚ますと、そこは薄暗かった。
「……そっか。」
血まみれになった重い体を振り絞って起こす。
周りにはステッキが落ちている。
そのステッキは、一緒に暮らしてた仲間達の物。
そう、ここは「魔法少女計画事務所」
立派な魔法少女になるまで24時間365日監禁させられ、出れない施設となっている。
私は親にいらないもの扱いされ、テレビで見た魔法少女に憧れていた。
辛いことも決して諦めず頑張る魔法少女の姿が何よりも好きだった。
だから親に入らされた。でもここは地獄で、
ご飯の量も少ないし、毎日特訓させられる。
病弱な私に魔法なんて使えるはずもなかった。
毎日他の人から怒鳴られ、
出来損ない、使えないって罵られて。
こんな思いになるのなら、最初から魔法少女にならなければよかったって。
でも、あの子のことを覚えているから_
私の1番最初の魔法少女の推し。その子は紫カラーで毒の魔法を持っている。
誰よりも責任感が強く、どんなことでも諦めない勇気強い子だった。
そんな魔法少女の子の名言を思い出して頑張ってる。
「出来るだけ頑張ればいい。無理をすることがいちばん成長しないから。」
そんな言葉を胸に留めて頑張ってる。
けど、現実はそうそう上手くいかないもの。
そんなおとぎ話のように上手くいくのなら、既にみんな立派な魔法少女。
おとぎ話のようなのがないから私達は魔法少女になんかなれないんだよ。
いつの間にか私は寝ていた。
やはりさっきと景色は変わらない。
「自分の部屋……戻らないと……」
鋭く切った血まみれの足を踏ん張って歩みながら部屋に戻った。
メニューはいつもバナナとサプリだけ。私は食欲もそんなにないからサプリを飲むだけだけど。
私は水を汲んでサプリ1粒を飲んだ。
副作用が中々強いけど、慣れたらどうでもない。
私がじっとしてると、他の子の会話が聞こえてきた。
「偉いぞ、エレミー!このままだと立派な魔法少女だな!」
そう言って、施設の人から撫でられてるエレミーを見た。
エレミーは私の最初の友達。
上手くいかない魔法少女同士で仲良くしてたけど、急な才能開花で一気に上位へ君臨した。
私とも仲良くしてくれるはずもなく、あの子と関係は一瞬にして断ち切られた。
なんで……?
この世界は魔法少女が全てなのかな。
私はここで暮らすのが辛い。もうどうでもいいと思った。
私はナイフを眺め、唾を飲み込む。
覚悟を決めた_
だが、刺そうとすると刺せない。どうして?両手が必死に拒んでくる。
ナイフがガタッと落ちる。
その瞬間、猛烈な吐き気がやってきた。
「おぇッ……ご”ぼッ…!!!」
一気に散らかる嘔吐物。鼻が曲がりそうな匂いだ。
何とか処理をした。
一気にどっと疲れて、私はまた眠りについていた。
「ほら!!!起きなさい!!!」
バチン!と鋭い音。
頬っぺたを鞭で叩かれて起こされた。
どうやら新しく、立派な魔法少女として旅立つ子が現れたそうだ。
#血
キユ
19
726
私はどういう子か安易に予想していた。
「魔法少女計画事務所でお世話になりました、ありがとうございます!」
その魔法少女とはやはり昨日褒められていたエレミーだった。
私は才能なんてない。だから、才能開花とかも無いし、このまま一生を過ごすんだろうなって。
そう思うと自分が虚しくなってきた。
何も出来ない自分が憎くて。
私は未だにヒリヒリしている頬っぺたをそっと触る。
そっと触るだけでもビリッと痛みが走る。
……私は今思い出した。自分の名前。
私は名前で呼ばれてないし、呼ばれるのはだいたいウジ虫とか。
私の名前はルーナス・マディック。マディック家は昔から貴族と呼ばれていて私が生まれた時も将来が楽しみと言われていた。
しかし、マディック家は倒産し、一気に私は役たたずとなった。
そもそも、病弱と言うだけで役たたずなんだけどね。
これ以上この部屋にいるとまだ残っている嘔吐物の匂いと血の匂いで頭がおかしくなりそうだった。
私は人影のない所へそっと逃げた。
走ろうとしたけど、足がヒリヒリして走れない。走ろうとする度にビリビリ痛みが走って無理だ。
何とか誰もいないところに到着した。
ここは旧のお城で人通りは全然ない。
たまーに人が通る程度。
ここはボロいが、私にとっては落ち着く場所。
……魔法少女、こんなのでいいんだろうか。
魔法少女を目指してるのに、諦めてこんな所にいてもいいのかな。
病弱だからって……甘えても行けないよね。
私……本気で頑張りたい_
コメント
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うわ……重い、けど、すごく引き込まれた。 ルーナスの心の内側が痛いほど伝わってくる。病弱ってだけで「役立たず」って決めつけられて、自分でもそう思い込んでるのが切ない。それでも推しの言葉を覚えてて、頑張ろうとしてるのがもう……。 「おとぎ話のようなのがないから私達は魔法少女になんかなれないんだよ」って台詞、好き。この世界の残酷さを一言で表してる。続き、気になるよ。ルーナスがどうなっていくのか、ちゃんと見届けたい。