私は決めたの、生まれ変わるって。
そう、血生臭い過去に蓋をして、性格も顔も身振り手振りも何もかも新しく生まれかわる、って。
あの日以来、いつも罪と罰が私の頭を満たしていたのです。心優しい友人の脳内を真っ赤に塗りつぶし、赤黒く染まった手を恩人の血で洗い流し、それでも尚被害者のように立ち振る舞うだなんて、閻魔様はきっと許してくれやしませんよね。でも、きっとこんな人間を友達にしているなんて知ってしまったらあの子達にも迷惑がかかってしまうから、私は全てに蓋をして生まれ変わったのです。
・・・何だか騙しているような気がして罪悪感に時々心を蝕まれてしまいますが、これしか方法が無いので仕方ないですよね。
血塗られた髪を束の間の静けさで覆い、残虐な修羅場を見てきた眼に金を与え、もう二度と経験できない青い春を纏う。
決して取り繕った分厚いメイクが崩れてしまわぬよう、いつか来たるその日まで。
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番外編最終回に相応しい美しすぎる証言ありがとうございました 待つか、本編が来たるその時まで………