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そんな事があったものの、それからは天羽オーナーはホテルの会議に無事出席したらしかった。
時刻は正午。
私がお昼休憩を取ろうかと、そう思った時…
仕事用の携帯電話に天羽オーナーから電話がかかってきた。
つい、しかめっつらをしてしまう私。
「はい、コンシェルジュ琴宮です。」
『あぁ、琴宮、愛月市内のミューズっていうレストランに予約入れてくれない?
2人分ね。』
天羽オーナーは言う。
「かしこまりました。
すぐに。」
私はテキパキと答える。
『その2人分って、俺と琴宮の事だから。
付き合えよ、昼飯。』
「は、はぁ…」
嫌だ、と言いたい。
でも…
そう、これは試練だ…
ま、ま、負けないわよっ!
「かしこまりました。
お供させていただきます。」
私は礼儀正しくそう言って電話を切った。
すぐにミューズに天羽オーナーの名前で予約した。
まぁ、いいか。
ミューズは美味しいって評判だし。
私も高いから一度しか行った事がない。
今後のコンシェルジュとしての勉強にもなるし、行っておいて損は無いだろう。
私はついでにリムジンも呼んでおいた。
そして、天羽オーナーに準備が出来た事を伝えに向かった。
「天羽オーナー、お車もご準備しておりますが。」
「あぁ、仕事が早いな。
…琴宮、どうでも良いけど、お前その格好でレストランに来るわけ?」
天羽オーナーに指摘されて気付いた。
確かにコンシェルジュの制服でお供するのは、あまりに申し訳ない。
ワイシャツにスカートだけど、着替えるか…
「これ、用意したんだよ。
多分サイズ合ってると思うから。
これに着替えてきてくれ。」
それは、花柄のドレッシーなタイトワンピースだった。
多分、10万くらいのお値段はするだろう。
「いえ、でも…
タグを切ると返品も出来ませんし…」
「プレゼントだよ、琴宮に。」
天羽オーナーは言う。
「いえ、そんな高価なものいただく理由が…」
「いいから!
俺がお前にやるっつってんだから、グダグダ言わずに着替えろ。」
そう言われて、私は仕方なく洗面室で鍵をかけて着替えた。
うん、サイズピッタリだ。
あの、エロ魔人め。
しかし、素敵だけど、身体のラインを強調しすぎなような…?
こんなものかな?
私は髪も下ろして、天羽オーナーの元に戻った。
「あぁ、似合うな。
それで良い。」
そうして、天羽オーナーは私を優雅にエスコートして、ミューズに到着した。
腕を差し出され、私はその腕を軽く掴んだ。
うーん、こうしてると完璧な王子様って感じではあるけれど…
その王子は仮面で、実はオオカミだったり。
お酒は飲まないようにしなくちゃ!
私はとにかく警戒した。
そして、ミューズに入ると、1番奥の個室に通された。
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