テラーノベル
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足が竦んで動けなかった
相手が小さく手を振っていた
「あ」
握っていた鞄の力がゆっくり緩んだ
気づけばその人の方へ歩き出していた
コメント
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「足が竦んで動けなかった」から「気づけばその人の方へ歩き出していた」へ。この一行の間にある心理の動きを、たった数行で描き切る手腕に惹かれました。特に「鞄の力がゆっくり緩んだ」という細かな描写が、緊張の解除を身体で表現していて巧いです。タイトル『安心』が、この緩やかな解放感にぴったり合っていますね。読み終わった後、静かに息をつくような感覚が残りました。何があったのかを想像させる余白の使い方も、とても好みです。