テラーノベル
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彼氏からよく、金木犀を渡される。
金木犀の花言葉は「真実の愛」。
彼は私を愛してくれていた。
深く、私も彼を愛した。
相手に合わせるかのようにして。
彼はよく、「金木犀」と口にする。
金木犀は香りが強く、香水などに使われる。
香水のような匂いと言われたように思え、少しムッとする。
それがいつも通り。
私の幸せな日常。
そして続いて欲しい生活
彼と一緒になって2年が経った頃、彼は消えた。
何も言わず、私は思い当たるところ全て探した。
全ての部屋から思い出の地まで。
彼の勤めていた会社の方にも電話したがノイズしか聞こえなかった。
そして、彼の実家の方に電話をかけた、そしたら、ノイズが走っていたから仕方なく切る。
色々な場所を探しているうちに彼を見つけた。
知らない女と一緒に手を繋いで歩いていた。
彼には、姉も妹も居なかったはずなのに、まさか浮気!?
そう思い、彼に近付いた。
ちょっと、どういうつもりよ!
怒った口調で話しかけるも、彼は無視した。
浮気がバレたからって無視は酷いんじゃないの!!そう言ってもやはり無視が続いた。
私は悲しくて泣きながら家まで走った。彼とは一緒に住んでいた。
そして、私は自分の写真を見て、屋上へと足を進めた。
最後に彼に電話をかけた。
留守電だった。
仕方なくメッセージを遺す。
「ねぇ、これを聞いてるの?これを聞いてるならこれからいっぱい幸せになってね。さようなら」
そう言い残すと、飛び降りた。
彼女と一緒に帰路に着く。
家に帰り、いつも通り金木犀の花を飾る、そして線香に火をつけ手を合わせる。
3年前に自殺してしまった、元カノの遺影に向かって
金木犀の花言葉
変わらぬ魅力、真実の愛、陰世
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