テラーノベル
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7ノベル版全然投稿してなかったわ・・・。 よし、今まだ寝起きだけど小説を書こう!
・・・というわけで(?)物語の世界に行きまっしょーい(?)!!
注意事項
・誤字脱字 ・全伽羅情緒不安定 ・優裏くん実は性格くず説 ・語彙力皆無
銀狼は口に麺をを銜えていた。 もしかして、彼奴が振り下ろされる麵を食い千切ったのか・・・?
「ク、クォッ・・・」
スパゲッティの怪物が、途中で切断された自分の触手を眺めながら苦しそうに声を上げる。 何が起こったのか理解が出来ず、突然くる痛みに只苦しんでいる事しか出来ない様だ。 大きな目をぎょろぎょろ動かし、身体をぶるぶるさせている。途切れ途切れになる「クォン」の様な鳴き声も、次第に小さくなった。
此の儘死ぬのか・・・? 思わず身を乗り出して見てしまう。 然し結果は一八〇度違った。
「クォオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ」
行き成りそいつは叫び出した。 耳がきーんとなる様な甲高い咆哮をあげて。 そして今までだらりと垂れ下がっていた触手を振り上げ、出鱈目に振り回し始めた。もう、先程の様な破壊力は無くなっていたっ物の、間違いなく人が死ぬ威力で。
銀狼が俺の前に立つ。まるで盾の様に。 確かにそうすれば俺自身に被害は出ないけど・・・。
「そんな事したら御前が・・・」
此奴は護神だから俺を護るのが役目なのかもしれない。 ・・・だけど・・・自分の身を傷つけて迄護ってほしくない・・・。
再び触手が振り下ろされる。俺は反射的に銀狼の首に手をまわして、横に転がった。
べ シ ん っッ
横で鞭に粉砕される地面。 改めて肝が冷える。ぞわりと鳥肌が全身を駆け巡る。
今回は運よく避ける事が出来たけど、次は無理だ。 恐怖で身を固くする。 心臓がどくどく五月蝿い。 胸が痛くなる程に。
死ぬ_今度こそ死ぬ_
如何すればいい? 如何すれば助かる? 頭の中でずっとその様な問いが転がりまわる。 完全なる混乱状態だ。頭の中の思考装置が誤作動を起こして働かない。
其の間、勿論スパゲッティの怪物は待ってくれない。 次々と建物を破壊し続ける。此れじゃあどんどん被害が広がるばかり・・・。
「_ Einfrieren」
「クァッ」
「!?」
途端、怪物の動きが止まった。 かちん、と。動かなくなった。 ・・・氷の様に。無論、先程迄破壊を繰り返していた触手も、停止する。 つまりスパゲッティの怪物の攻撃の全てが止まった。 浮いていた怪物の身体は、がしゃんと音をたてて地に落ちる。
声のした方を見る。 其処には雹さんが立っていた。 右手を前にかざして、笑顔は微動だにしない儘。
「いやぁ、危ない所だったね。うり君。」
顔に張り付けた笑みを崩さぬまま、首を傾げる。 困惑する俺と対照的に雹さんは口を動かし続ける。
「大きな怪我は無さそうでよかった。 僕のアイーテの神力で凍らせたから彼奴はもう大丈夫だよ。 あとは回収班が何とかしてくれるから帰ろっか。」
雹さんが俺の手を引く。 立たされた俺は銀狼から手を離さないようにしながら彼の背中を追いかけた。
「あ、アイーテさん。 いつの間に?」
暫く歩いてから後ろから雹さんの護神・アイーテさんがついてきているのに気付いた。暗い廃墟の中なのにその毛は僅かな光を反射し輝いている。
「うん。 召喚したんだ。 僕はアイーテを出さないと神力が使えないからね。」
「そうなんですか・・・。 昨日みたいに指を鳴らして召喚したんですか?」
「いや? 昨日のあれは演出だよ。本当は何もしなくてもアイーテが勝手に出てきたり僕の意思で出すこともできるんだけどね。昨日のあれは指パッチンした方がうり君みたいな少年ウケ良さそうだなーって思ってやった。」
「へぇ、そうなんですか・・・」
銀狼の頭を撫でる。 銀狼は気持ちよさそうに目を細めた。
ふと疑問に思った事を尋ねる。
「・・・雹さんは、なんで簡単にあの怪物たおせたのにすぐに行動しなかったんですか?」
俺の問いに彼はポケットに手を入れた儘振り返らずに答えた。
「んー? ああでもしないと其の銀狼ちゃんは出てこなかったからかな。」
「そうなんですか?」
「うん。 多分うり君の護神って僕と似た獣操作系の護神なんだよね。僕の場合まだ互いに慣れあってない時は僕が死にかけてた時以外出てこなかったし。」
「・・・。」
・・・漸く雹さんが振り向いた。 其の顔は笑顔だった。
「だから多分僕と同じ訓練をしたら其の子とも、うり君は仲良くなれると思うよ。」
「・・・そうですか・・・。」
うっすらと疲労を身体に感じながら、俺は応える。
仲良く・・・か。
「仲良くなったら、此奴は俺とずっと一緒にいてくれますか?」
雹さんの眼が一瞬揺れた。 然し、其れも本当に一瞬。すぐに元に戻した。
「ああ。 勿論。」
「・・・そうですか。__よかったです。」
咽喉の渇きを感じる。 帰ったら水を飲もう。
顔を上げた。 今は昼頃。 真上から照り付けるはずの日光は分厚い雲によって遮断されていた。
「・・・。」
なんだかしんみりした空気が流れる。 それを打ち破ったのは一つの間の抜けた騒音だった。
ぐぅうううううう・・・
俺の腹の虫が鳴る。 想像より二倍近くデカい音で。 俺の顔がさっと赤くなった。雹さんは頬を掻いて笑った。
「あーーー・・・。 御飯、行く?」
・・・。気を使わせてしまった・・・!
身体を丸まらせて俺は答える。 気不味さで眼が真直ぐ向かない。 口から出たのはか細い蚊の鳴く様な声だった。
「・・・御願いします・・・」
「御店に入る時は護神は消してから入ってね」
「分かりました」
「いらっしゃいませー」
透明な硝子の扉を開けて入店すると、奥から若い女性店員の声が聞こえた。 俺は其の儘雹さんに促されるまま奥のソファに腰を下ろす。 そしてそのまま身体を背凭れに預けた。 柔らかい背凭れが俺の体重に比例してゆっくりへこむ。
「ここはサンドウィッチがおいしいカフェなのだよ!」
雹さんはそう得意げに呟きながらメニューを開いた。
「そうなんですね・・・。」
「うん! 僕のお気に入り♪」
雹さんは白い歯を見せてニッと笑う。 嘘偽りのない素直な笑顔だった。
俺もメニュー表をブックエンドから取り出して中身を見る。 この店のサンドウィッチは味が美味しいだけでなく種類も豊富だ。 生クリームとイチゴを挟んだスイーツ系から、ベーコンやカツを挟んだ総菜系まで。
思わず目移りしてしまう。
「・・・雹さんの御勧めってどれですか?」
結局、自分では決められず雹さんに御勧めを聞くことにした。
雹さんは間の抜けた声で応える。
「全部。」
・・・。
思わず食い下がる。
「・・・強いて言うなら?」
「全部。」
「・・・。強いて強いて言うなら?」
其処迄聞いて、雹さんは「えー? うーん・・・・」と顎に手を当てて暫く長考。
「全部美味しいんだよなー・・・全部がナンバーワン・・・」
小声で呟きながら眉間にしわを当てて雹さんが考える事約十秒。 漸く彼は「あっ」と眼を開けた。
「ベーコンレタスサンド! 此れ一番美味しいよ!」
そう弾んだ声で雹さんはメニューのページを捲り、前から三ページ目の所を俺にじゃーん!と見せた。
そのページにはでかでかと美味しそうなサンドウィッチの写真とポップなフォントの文字が並んでいた。
「わぁ・・・。」
口から吐息が漏れる。
「雹さん、俺此れ頼んでいいですか?」
「それ? おっけー。 僕も同じの注文しようかな。 店員さーん! 注文御願いしまーす!」
「うわ、美味しそう・・・。」
目の前のサンドウィッチを前に、俺は目を輝かせた。
白い皿の上に並ぶ二つのベーコンレタスサンド。ドリンクのココアとサラダとスープが横に並んでいる。
「いただきます!」
言うが早いか、俺は目の前のサンドウィッチに手を伸ばす。口を大きく開けてかぶりついた。
「んっ・・・んぅううう!✨」
口に入れた途端、ふわふわした柔らかい麺麭が口を幸せで包み込む。其処からシャキシャキしたレタスとソースに包まれたベーコンが飛び出す。 思わず歓喜の声を上げてしまった。
「ふっ・・・うり君、美味し?」
「っ、はい! 滅茶苦茶美味しいです!」
「それはよかった。此処、僕の思い出の店でもあるからさ。 君も好きになってくれてうれしーなー♬」
雹さんもほっぺにサンドウィッチをつめこみながらにこりと微笑んだ。
「・・・? 思い出、ってどんななんですか?」
口の中のベーコンをすべて呑み込む。 雹さんは一瞬目を右下の地面に落とす。
「ぁー、うん。 連れてってもらったんだ。 8歳の時に」
「へえ・・・。そうなんですね。 その人は・・・雹さんの大切な人だったんですね。」
「・・・何でそう思うのかな、?」
雹さんがサンドウィッチを食べる手を止めた。 俺と彼の眼が合う。 俺は次の言葉を紡ぐ。
「だって雹さん・・・」
「やっぱりここに居たか糞眼帯厭二モヤシ野郎!!」
然し、俺のその言葉が言い終わる事は無かった。 彼がカフェ内に突撃してきたから。
はい。いったん切ります。カフェに突ってきたのはいったい誰なのかな?ノベル版全部見た人なら分かるはず!
それじゃあまたねー♪ 👋
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