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たらこパーリナイ(?)
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みずき(くぅ)
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コメント
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うわ……冒頭から心臓ぎゅってなった。朝日がきれいなのに、隣にいないナイチを想って一人で話しかけるパラオのシーン、もう泣きそうになったよ。日帝(ナイチ)の最後の「幸せになってくれ」って言葉も重くて、でもパラオが「つおいから泣かない」って言いながら涙止まらなくなる場面がもう……約束をちゃんと守ろうとするパラオの強さと脆さ、両方描けてて本当に良かった。続き、めっちゃ気になる!
朝日が昇っていた。
水平線の向こうから、ゆっくりと光があふれてくる。
波は穏やかだった。空は淡い橙色に染まり、海面には金色の道ができている。
いつもと変わらない朝。
けれど、パラオにとっては、いつもと同じではなかった。
砂浜に腰を下ろし、膝を抱える。
隣には、誰もいない。
以前なら、ここにはもう一人いたはずだった。
朝日が昇るたびに、何かを話した。くだらないことも、真面目なことも。ときには、何も話さず、ただ一緒に海を眺めるだけの日もあった。
その時間が、ずっと続くと思っていた。
ずっと、一緒にいられると思っていた。
「……ナイチ」
小さな声が、潮風に溶けた。
返事はない。
パラオは顔を上げた。
太陽は、今日も何事もなかったかのように昇っていく。
「ナイチ……一緒にこの景色を見たかったなぁ……」
笑おうとした。
いつものように、明るく。
大丈夫だと、自分に言い聞かせるように。
でも、口元が少し震えた。
「……きれいだね」
隣にいるはずの人に話しかける。
「パラオ、今日もちゃんと起きられたよ」
返事はない。
「ごはんも食べたよ。……ちょっとだけ、寂しかったけど」
波が寄せて、引いていく。
パラオは、空を見上げた。
「ねえ、ナイチ」
その声は、今にも泣き出しそうだった。
「パラオ、これからどうしたらいいのかな……」
答えてくれる人は、もういない。
それでも、パラオはしばらくそこに座っていた。
朝日が完全に昇るまで。
まるで、いつか隣に誰かが戻ってくることを、待っているかのように。
――その少し前。
世界は、あまりにも残酷だった。
崩れた建物。焼けた大地。遠くから聞こえる銃声。
日帝は、地面に膝をついていた。
身体は傷だらけだった。
立ち上がろうとしても、力が入らない。
もう、自分がどこまで歩いてきたのかさえ、わからなくなっていた。
「……パラオ」
口にした名前は、ひどく掠れていた。
思い浮かぶのは、小さな子の姿だった。
自分を見上げて笑う顔。
嬉しそうに話しかけてくる声。
何かあるたびに、自分を頼ってきた、小さな存在。
守りたかった。
ずっと、守ってやりたかった。
なのに。
「……最後に、ごめんって……言えなかったなぁ……」
日帝は、震える手を握りしめた。
「なんて酷い親なんだ……俺は……」
謝りたかった。
そばにいてやれなくて、ごめん。
置いていくことになって、ごめん。
怖い思いをさせて、ごめん。
そして何より。
幸せな未来を、一緒に見届けてやれなくて、ごめん。
言いたいことは、いくらでもあった。
けれど、もう自分の声がどこまで届くのかもわからなかった。
「……パラオ」
もう一度、名前を呼ぶ。
涙が、頬を伝った。
「幸せに……なってくれよ……」
その言葉だけは、どうしても伝えたかった。
自分がいなくなったあとも。
寂しい夜が来ても。
誰かを失った悲しみが消えなくても。
いつか、心の底から笑える日が来てほしい。
自分のことで、ずっと泣き続けてほしいわけじゃない。
自分を忘れてほしいわけでもない。
ただ。
生きていてほしかった。
幸せになってほしかった。
日帝は、ゆっくりと目を閉じた。
「……一緒に居られなくて、すまない」
声は、風に消えそうだった。
「置いていって……済まない」
それでも、最後の願いを口にする。
「だが……幸せになってくれ」
それが、パラオに残したかった言葉だった。
伝言を聞いたのは、静かな部屋の中だった。
誰もいない。
窓から差し込む光が、床に細長い影を落としていた。
パラオは、伝言を聞き終えてからも、しばらく動かなかった。
「……そっか」
それだけ言った。
ナイチは、謝っていた。
一緒にいられないことを。
置いていくことを。
そして、幸せになってほしいと。
「……ナイチ」
パラオは、ぎゅっと手を握った。
泣いちゃだめ。
泣いたら、ナイチが心配する。
ナイチは、幸せになってほしいって言った。
だったら。
だったら、パラオは――。
「パラオつおいから、泣かないよ」
笑顔を作った。
いつもみたいに。
元気なパラオでいられるように。
「パラオ、誰よりも幸せになるから!」
声が、少し大きくなった。
まるで、遠くにいるナイチにも聞こえるように。
「だから……だからね……!」
頬を、何かが伝った。
パラオは、慌てて手で拭った。
「あれ……?」
もう一度、拭った。
それでも、涙は止まらなかった。
「……なんでぇ……」
唇が震える。
「パラオ、つおいのに……」
とうとう、膝を抱えた。
「ナイチ……っ」
小さな声が、部屋に響く。
「パラオ、ちゃんと幸せになるよ……」
誰もいない部屋で、何度も繰り返した。
「だから……見ててね、ナイチ……!」
涙が止まらなかった。
でも、パラオはその言葉を取り消さなかった。
泣いていても。
寂しくても。
ナイチがいなくても。
幸せになりたいという気持ちは、なくならなかった。
それが、今のパラオにできる、精いっぱいの約束だった。